フィラリア検査は絶対に受けないとダメ?検査にかかる費用は?保険は適用される?
「フィラリアの検査って、毎年ほんとに必要なの?」
「去年もちゃんと予防薬飲ませたのに、なんで今年も検査するの?」
「室内飼いだから大丈夫じゃない?」
こんな疑問を持ったことはありませんか?
実は、多くの飼い主さんが同じように思っています。
でも実際に、「検査なしで予防薬を飲ませてしまった」ことで、愛犬が重篤なショック症状を起こして亡くなってしまったケースがあるのです……。
この記事では、そんな悲しい事故を防ぐために、フィラリア検査はなぜ必要か、具体的な事例とともに解説します!
目次
フィラリア予防薬を投与する前に検査を絶対に受けるべき理由
今やフィラリア予防薬は通販(個人輸入)で手軽に購入できるため、理論上、検査を受けないまま予防を進めることは可能なのですが……。
でも、それは非常に危険です!
まずは、フィラリア検査を絶対に受けるべき理由をまとめていきます。
理由①感染していても無症状の可能性がある
まず前提として、すでにフィラリアに感染している場合にフィラリア予防薬(駆除薬)を投与することはできません。
すでにフィラリアがいる段階で駆除薬を用いると、血管内で一斉に死滅して血管を詰まらせ、重篤な状態に陥ることがあります。
また、フィラリア予防薬は心臓に到達した成虫には効きません。
「でも、今のところうちの子は健康そうだし、検査しなくても大丈夫そうだよ?」という方もいるでしょう。
しかし、フィラリアに感染したすべての犬・猫が症状をあらわすわけではありません。
フィラリアが心臓や肺に到達していない段階では、無症状のまま元気に見えるというケースが多いのです……。
つまり、今はまだ予防できる段階だと思って検査なしでフィラリア予防薬を投与すると、実は感染していて一気に重篤な状態に陥ることが考えられるわけです。
フィラリアに感染した時の詳しい症状については「フィラリアの症状や対策についてわかりやすく解説します!」のページでまとめています。
理由②重篤な副作用が起きることがある
すでにフィラリアの成虫が体内にいる場合、その成虫が産んだ無数の幼虫(ミクロフィラリア)が血管内をウジャウジャしています。
前述の通り、この状況でフィラリア予防薬を投与すると、ミクロフィラリアが一斉に死滅して血管を詰まらせます。その結果、臓器の組織の壊死、血圧の急激な変化による心臓への負担増などが起こります。
さらに、ミクロフィラリアの死骸から溶け出した成分(虫のタンパク質や細菌など)が激しいアレルギー反応を引き起こすことがあります。
その結果、ショック症状(アナフィラキシー)が起きて早ければ数分で命を落としてしまうこともあるのです……。
参考元:フィラリア検査って必要?
検査を受ける時期はいつ頃から?
フィラリアは、蚊によって媒介される寄生虫感染症です。
したがって、蚊がブンブン飛び交う季節に検査→予防を行うのは遅いといえます。
蚊が飛び始める前に検査を行い、予防を進めていく必要があるのです。
具体的には、蚊が発生する4月あたりから予防を開始する必要があり、検査はその1ヶ月前の3月あたりに行うのが一般的です。
参考元:フィラリア予防について
地域別の検査推奨時期
フィラリアの検査時期は、お住まいの地域によって異なります。
これは、蚊の活動時期が地域によって違うためです。
以下に目安をまとめました。
| 地域 | スケジュール・備考 |
|---|---|
| 北海道・東北地方 |
検査時期:4月 予防開始:5月 ※蚊の活動期間が短いため、予防期間も短くなります。 |
| 関東~九州地方 |
検査時期:3月 予防開始:4月 ※最も一般的な予防スケジュールです。 |
| 沖縄地方 |
※年中蚊が発生するため通年投与が推奨。 ※検査時期は動物病院に相談してください。 |
ちなみに、近年は温暖化の影響もあって蚊の活動開始時期が早まる傾向にあります。
地域によっては、目安よりも1ヶ月ほど早く検査を受けることを検討する必要があります。
検査が早すぎても遅すぎてもダメな理由
フィラリア検査の時期は、上記の目安より早すぎても遅すぎてもダメです!
フィラリアは、感染してから検出可能になるまで5~6ヶ月かかります。
つまり、前年の10月くらいに感染していた場合、1~2月の検査では見逃してしまう可能性があるのです。
逆に、すでに蚊が飛び交っている時期に検査を受けると、すでに感染している(予防薬を投与しても遅い)可能性もあります。
何歳ごろからフィラリア予防をするべき?
生後2ヶ月(8週齢)ごろから予防を開始するのが一般的です。
ただし、このとき(初年)は検査を受ける必要はありません。
たとえ感染していたとしてもほぼ検出されませんし、たとえ産まれた瞬間に蚊に刺されて感染したとしてもフィラリアは幼虫段階であり、予防薬で駆除することが可能です。
参考元:新しく子犬を迎えたら
フィラリアの検査はどこで受けられる?
フィラリアの検査は、動物病院で受ける以外に方法はありません。
フィラリア予防薬は、「病院で処方してもらう」「通販(個人輸入)で購入する」といった選択肢がありますが、検査は病院一択です。
「ネットを見たらフィラリアの検査キットも売ってるみたいだけど?」という方もいるでしょうし、確かに、ネット通販で購入できる検査キットもあります。
ただし、そのような通販サイトは動物病院・獣医師向けのもので、利用には獣医師免許などの提示が必要です。
つまり、自宅で検査を行うことはできないわけです。
検査を受ける動物病院の選び方
フィラリア検査を受ける動物病院を選ぶ際、いくつかのポイントがあります。
①複数の検査方法を組み合わせているか
後述しますが、フィラリア検査には複数の方法があり、ひとつの検査だけでは見逃しのリスクがあります。
信頼できる病院は、抗原検査と血液検査(直接法またはヘマトクリット法)を組み合わせて実施しています。
②費用の透明性
検査費用を明示しているか、事前に説明してくれるかは重要なポイントです。
「検査料金は〇〇円です」と明確に提示している病院を選びましょう。
フィラリアの検査内容と検査方法
動物病院で受けられるフィラリア検査には、いくつかの種類があります。
代表的なものとして挙げられるのは、次の3種類です。
- 抗原検査
- ヘマトクリット法
- 直接法
また、多くの病院ではどれか1種類ではなく、2種類以上を組み合わせています。
なぜ複数の検査を組み合わせるのか?
複数の検査を組み合わせる理由として最も大きいのは、1種類だけだと見逃しリスクがあることです。
たとえば、抗原検査だけでは初期段階のフィラリア感染を見逃す可能性があります。
また、血液を採取してチェックするヘマトクリット法や直接法では、フィラリア幼虫が血液中に出ていない場合に見逃してしまいます……。
実際のところ、組み合わせによって制度は飛躍的に高まるとされています。
たとえば、血液検査のみでは60~85%ですが、抗原検査との組み合わせによって98%以上の検出率になるとされているのです!
抗原検査
フィラリアの検査法の中で、現在最も広く使われているのが抗原検査です。
専用の検査キットを使用し、フィラリアの成虫(メス)が分泌する物質を検出します。
わずか3〜5分で結果が出るうえに、検出率は約95%と非常に高精度です。
ただし、感染初期(幼虫の段階)では検出できず、フィラリアのオスにしか寄生されていない場合は陰性になる点には注意が必要です。
【費用相場】2,500〜3,000円
参考元:フィラリアについて
ヘマトクリット法
ヘマトクリット法は、血液中のミクロフィラリア(幼虫)を検出する方法です。
ペットから採取した血液を遠心分離器にかけて血液を血球層と血漿層に分け、その境界にミクロフィラリアがいるかを顕微鏡で確認します。
検出率は約80〜85%と高めです。
次に挙げる直接法より検出率が高い上に、成虫になる以前のフィラリアも発見できるのがメリット。ただし、遠心分離器にかける手間がかかるので時間を要することが難点といえます。
【費用相場】1,500~2,000円
参考元:ヘマトクリット法
直接法
直接法は、最もシンプルなフィラリア検査方法です。
ペットから採取した血液を直接顕微鏡で見て、ミクロフィラリアがいるかを確認します。
短時間で結果が出ること、費用が安いことが大きなメリットです。
ただし、検出率が60~70%にとどまる点は要注意といえるでしょう。
【費用相場】500~1,000円
参考元:直接法
その他
上記の他に、フィルター集中法、アセトン集中法という検査方法もあります。
フィルター集中法は専用のキットを用いて血液を希釈し、フィルターで血液を濾してフィルターにミクロフィラリアの有無を確認する方法です。
アセトン集中法は、専用試薬を用いてアセトン溶血液をつくり、遠心分離にかけてミクロフィラリアの有無を確認する方法です。
ただし、どちらの方法も手間やコストがかかるため、現在ではあまり行われなくなっている検査法になります。
参考元:フィラリア検査の種類
各検査方法の精度と見逃しリスク
現在よく行われている3種類の検査方法について、それぞれの検出率をあらためてまとめると、以下のようになります。
| 検査方法 | 検出率 | 特徴 |
|---|---|---|
| 抗原検査 | 約95% | 成虫(メス)を検出 |
| ヘマトクリット法 | 約80〜85% | ミクロフィラリアを検出 |
| 直接法 | 約60〜70% | ミクロフィラリアを検出 |
| 複数組み合わせ | 98%以上 | 最も確実 |
このように、単独の検査では見逃しのリスクが残りますが、複数の検査を組み合わせることで98%以上の高精度な検査が可能になります。
多くの動物病院が「抗原検査+血液検査」のセットで検査を行うのは、このためです。
ちなみに、組み合わせの場合、費用の相場は3,000~4,500円となります。
フィラリア検査と予防薬投与でかかる費用は?
フィラリアの予防には検査だけではなく、予防薬の投与が必要不可欠です。
そこで、動物病院でフィラリアの検査と予防薬の処方を受けると年間どの程度の費用が必要になるのか、紹介したいと思います。
フィラリア予防薬は、中型犬を例にすると1ヶ月あたり錠剤やチュアブル錠では1,100円、外用薬タイプで1,800〜2,000円となっています。
4月から12月まで9ヶ月間フィラリアの予防薬を投与したと仮定すると、以下のような費用が必要になります。
| 予防薬タイプ | 1ヶ月あたりの費用 | 9ヶ月間の総額 |
|---|---|---|
| チュアブル錠 | 1,100円 | 9,900円 |
| 外用薬 | 1,900円 | 17,100円 |
検査費用(組み合わせ)の3,000〜4,500円を追加した、12,900〜21,600円という費用がフィラリアの検査・予防で必要になります。
フィラリア予防にかかる費用に関する詳しい情報なら「フィラリアの予防にかかる費用はどれくらい?選ぶ方法で費用が大きく変わる!」のページが役立ちます。

フィラリア予防薬は通販サイトから購入することも可能です。長期間の投与が必要になるからこそコストを抑えたい、そんな方にオススメです!
検査・予防費用を安く抑える5つの方法
フィラリア検査は必須ですが、できるだけ費用を抑えたいという方も多いでしょう。
ここでは、検査費用を安く抑えるための5つの方法をご紹介します。
1.健康診断とセットで受ける
フィラリア検査のタイミングで年1回の健康診断も一緒に受けると、検査費用が割引になることがあります。
採血を1回で済ませられるため、愛犬の負担も減ります。
2.予防薬のまとめ買い割引を利用する
多くの動物病院では、1年分の予防薬をまとめて購入すると10%程度の割引が受けられます。
3.通年投与で翌年以降の検査を省略
1年を通して予防薬を投与し続けている場合、獣医師の判断で翌年以降の検査が不要になることがあります。
ただし、これは獣医師の判断次第なので、必ず相談が必要です。
4.フィラリア注射を検討する
年1回の注射で予防が完了するフィラリア注射なら、トータルコストが安くなる場合があります。
5.早割キャンペーンを利用する
春先のフィラリアシーズン前に、検査+予防薬のセット割引キャンペーンを実施している病院もあります。
2月〜3月に動物病院のホームページやSNSをチェックしてみましょう。
フィラリア検査は保険が適用される?
フィラリア検査には、保険は適用されません。
いくつかのペット保険などを調べてみると、予防薬や予防目的での診察や検査の費用は保険の対象外とされていることがわかりました。
ただし、フィラリアに感染してしまい、治療が必要になった場合は、治療費に対して保険が適用されます。
参考元
フィラリア予防注射はフィラリア検査が必要がないってホント?
実は現在、月1回のフィラリア予防薬投与だけでなく、年1回のフィラリア予防注射という方法もあります。
年1回でOKなので、毎月の投与が必要な予防薬に比べて手間がかかりません。
とはいえ、予防注射を受ける場合でも事前の検査は必要です。
特に初回は、必ず検査を受けてから注射を打ちます。
2年目以降は獣医師の判断で検査が不要になる場合もありますが、これは必ず獣医師に相談してください。
「フィラリア注射とは?デメリットや注意点も理解しておきましょう!」のページではフィラリア注射について詳しくまとめていますので、併せてお役立てください。
フィラリア検査に関するよくある質問(Q&A)
ここでは、フィラリア検査に関する「よくある質問」に回答する形でまとめてみました。
知っているつもりでも、案外知らないことばかり……ということもあるかと思いますので、この機会にぜひチェックしてみてください。
Q.フィラリア検査の結果が出るまでどれくらい時間がかかりますか?
A. 抗原検査のみなら3〜5分で結果が出ます。
多くの動物病院では、採取した血液1〜2滴を専用の検査キットに垂らす「抗原検査」という方法が採用されていますが、この方法は精度が高く、しかもスピーディで、3〜5分ほど待てば結果がわかります。
ただし、病院によっては血液を顕微鏡で直接チェックする「直接法」や「ヘマトクリット法」を併用するところもあります。この場合、10〜15分程度の時間を要します。
いずれにしても、検査当日に結果を知ることは可能です。
Q.フィラリア検査の結果、陽性だった場合はどうなるのでしょうか?
A. 治療をしながら生活していきます。
フィラリアに感染していることがわかった場合、すぐに治療を開始します。
このようなさまざまな方法があり、犬の年齢や健康状態に合わせて治療法が選ばれます。
Q.去年しっかり予防したのに今年も検査が必要ですか?
A. 必要です。
「去年ちゃんと予防薬を飲ませたのに、なぜ今年も検査が必要なの?」という疑問は多くの飼い主さんが持っています。
しかし、以下のような理由で検査が必要です。
1.飲み忘れの可能性
月1回の投与を完璧に守れていたでしょうか?
1回でも飲み忘れがあると、その間に感染する可能性があります。
2.嘔吐・下痢で排出された可能性
予防薬を飲ませた後、嘔吐や下痢をしていませんでしたか?
薬が体内で十分に吸収される前に排出されてしまうと、効果が得られません。
3.冬の蚊に刺された可能性
暖かい室内では、冬でも蚊が活動していることがあります。
予防期間外に刺されて感染している可能性もゼロではありません。
このような理由から、「去年予防したから大丈夫」とは言い切れないのです。
年1回の検査は、愛犬の命を守るための「保険」だと考えてください。
Q.猫もフィラリア検査を受ける必要がありますか?
A.必須ではありません。
フィラリアの検査は採取した血液をチェックすることで行われますが、猫の場合、犬のようにウジャウジャとミクロフィラリアが見られることはなく、単数での寄生が一般的です。
そのため、血液検査をしても意味がないというケースが多いのです。
ただし、検査は不要ですが予防は必須!
用法用量を守って猫用の予防薬を使い、愛猫の健康をしっかり守りましょう。
Q.フィラリア検査はどれくらいの頻度で受ける必要がありますか?
A.1年に1回でOK!
タイミングは、フィラリア予防薬を投与する前です。
具体的には、予防開始の1ヶ月ほど前に検査をするのが望ましいといわれることが多いです。
犬を迎え入れたら、まずは現状確認のための検査を行います。
この検査で「陰性」と確認できれば、予防薬の投与が可能になります。
そして翌年からは年に1回、予防薬を投与する時期に検査を行いましょう。
Q.フィラリア検査を受けるにあたって空腹である必要はありますか?
A.空腹である必要はありません。
ただし、これはフィラリア検査のみを行う場合に限ります。
犬を飼育するにあたっては、フィラリア検査とは別に、健康診断として定期的に血液検査を行うことが推奨されています。
血液検査をあわせて行う場合、検査に支障が出ないよう、8時間以上の絶食が必要となります。
Q.室内飼育であってもフィラリア検査を受ける必要がありますか?
A.必須です!
そもそもフィラリアは、蚊を介して感染します。
蚊はちょっとした隙間から侵入してきますし、私たち人間の皮膚や衣類、バッグなどに付着したまま自宅に侵入することもあります。
蚊に刺される可能性が少しでもある以上、「検査の必要がある」といえるでしょう。
Q.妊娠中でもフィラリア検査を受けることはできますか?
A.可能です!
フィラリア検査は採取した血液をチェックするものであり、母体や赤ちゃんに対する危険はありません。
ちなみに、フィラリア予防薬も妊娠中に使用できますが、万が一のことも考えて動物病院に相談したうえで行うのが確実です。
参考元:パルニュース|パル動物病院
Q.フィラリア検査は自宅で行うことはできますか?
A.できません。
ネットでは抗原検査用のキットが販売されていたりしますが、それらは獣医療関係者向けであるため、飼い主さんが購入し、自宅で検査することはできません。
また、抗原検査だけでは完全な発見に至らないこともあるため、動物病院では他の方法も併用して検査をするケースがあります。
正確な結果を知るためにも、動物病院で検査を受けましょう。
参考元:犬糸状虫抗原検査キット thinka イヌ フィラリア検査キット CHW | 動物の医療と健康を考える情報サイト
まとめ
今回の重要なポイントは、以下の通りです。
- フィラリア検査は絶対に必要(年1回)
- 検査費用は3,000〜4,500円が相場
- 検査に保険は適用されない
- フィラリアの検査や予防にかかる費用
- 予防薬投与前に検査を受けるのが最適
- 検査なしで予防薬を飲ませると死亡リスクあり
なお、当サイトではフィラリア予防薬を通販で購入することができますが、以下の点には必ずご注意ください。
- 必ず事前に動物病院でフィラリア検査を受けてください
- 検査なしでの使用は全て自己責任となります
- 愛犬の命を守るために、検査は必須です
フィラリア検査は、愛犬の命を守るための大切な習慣です。
年1回の検査で、数年〜十数年の寿命の違いが生まれます。
ぜひ適切な検査と予防を行って、愛犬との健やかな毎日をお過ごしください。