ノミやダニの取り方を分かりやすく解説します!酢や塩で取れるはウソ!?

ノミやダニの取り方を分かりやすく解説します!酢や塩で取れるはウソ!?「うちのワンちゃんの毛に何か付いている……これってノミ?」

「ねこちゃんにノミが付いている場合は無理矢理取っていいの?」

と判断に困ったことがある飼い主さんは少なからずいらっしゃると思います。

そこで、今回は「ノミやダニの取り方」をテーマに、

  • ノミやダニに噛まれるとどうなるのか
  • ノミやダニの正しい取り方

について解説していきたいと思います。

 

ノミやダニに噛まれたらどうなる?

ノミやダニノミやダニは家の中に生息しているため、「噛まれても大したことない」「数日のかゆみで収まる」と思われている方もいらっしゃると思いますが、ノミやダニの種類によってはペットの命にかかわることもあります。

 

そこで、ここでは大切なペットがノミやダニに噛まれた場合、どうなってしまうのかを解説します。

特に、野外を散歩するワンちゃん、ねこちゃんを飼われている方は要チェックです!

 

ノミに噛まれたときの症状

成虫のノミの栄養となるのは「動物の血液」です。

犬や猫が吸血、つまり噛まれてしまうと以下の症状が起こります。

  • 貧血
  • 強いかゆみによる炎症、化膿
  • 体内に寄生することで起こる下痢や嘔吐
  • ノミアレルギー性皮膚炎の発症による脱毛、湿疹

特に体の小さい仔犬や仔猫は貧血を起こすと重篤化することがあるので、注意が必要です。

 

また、ノミアレルギー性皮膚炎を引き起こした場合、「経過良好」「悪化」を繰り返し、完治に時間がかかるようになります。

 

ダニに噛まれたときの症状

家の中にいる「イエダニ」の場合、吸血されると激しいかゆみが表れ、皮膚炎などを起こします。

イエダニは重症化しない限り、皮膚の炎症でとどまることがほとんどなのですが、「マダニ」という種類のダニは要注意です。

噛まれると貧血や皮膚炎、さまざまな感染症(SFTS=重症熱性血小板減少症候群など)を発症し、最悪の場合は死に至ります。

なお、この「SFTS」は動物からヒトへの感染も確認されており、日本国内では2017~2021年に12件の感染例、1件の死亡例が確認されています。

 

ノミやダニが付着しているのを見つけたらただちに動物病院へ!

動物病院で検査大切なペットにノミやダニが付着しているのを発見した場合、落ち着いて病院に行きましょう。

「一刻も早く取らねば!」と焦る気持ちはよくわかりますが、専門家に任せたほうが安全なので、「まずは動物病院」を心がけましょう。

 

とはいえ、年末年始や診察の時間外など、どうしても動物病院に駆け込むのが難しい場合もあるでしょう。

そういった場合には、自分で取ることもやむなしですが、正しい取り方をする必要があります。

ここからはノミ、ダニそれぞれの正しい取り方をまとめているので、ぜひチェックしてみてください。

 

ノミの取り方

本来は動物病院で処置してもらうのがいちばん良いのですが、どうしても動物病院に駆け込めない事情がある場合に役立つ「ノミの取り方」をご紹介します。

今は症状がない飼い主さんも、予備知識として覚えておきましょう。

 

ノミ取り用のグッズを使うことが前提!

私たちが普段から使っているヘアブラシや、ペットの「ブラッシング用ブラシ」などでは、ノミをしっかりキャッチすることはできません。

 

ノミを取るには、目が細かく、ノミを除去することに特化して作られた「ノミ取り櫛」「ノミ取りコーム」を使うのがおすすめです。

販売価格はメーカーによって異なりますが、安いものだと数百円で購入できるものもあるので、もしものときに備えて1本常備しておくとよいでしょう。

 

ノミが櫛に引っかかったらガムテープなどで張り付ける

専用のノミ取り櫛でブラッシングをしてノミが引っかかったら、ノミはガムテープなどに貼りつけておきましょう。

こうすることでノミは逃げ場を失い、ペットや人へ付着・繁殖できないようになります。

ポイントは、テープに貼り付けたノミを逃がさないようにすること。上からさらにテープを巻いておくと安心です。

 

ノミが付いたガムテープは水につけてから捨てる

ノミが付いたガムテープは、ビニール袋などに入れて捨てれば問題ありません。

しかし、放置しすぎるとビニール袋内で繁殖してしまう場合もあるため、すぐ処分できない方はガムテープごと水につけて捨てるようにしてください。

繫殖力が高いノミですが、「水」と「熱」には弱いという特性があります。

「ガムテープに包んだだけじゃ不安」という方は、ぜひ「ガムテープ+水」で対応してみてください。

 

ダニの取り方(ペットの上を歩いているだけの場合)

ダニの取り方について、まずは「ペットの上をダニが歩いているのを見つけてしまった」という場合の対処法について説明します。

 

ダニ取り用のグッズで優しく掴む

市販されているダニ取りグッズ(マダニリムーバーなど)を使って、優しくつかみ取るようにしましょう。

こういった専用グッズがない場合は、ピンセットなどで代用しても構いません。

ポイントは、

  • 手で触らないこと
  • 潰さないようにすること

です。

力をいれすぎず、優しく引きはがすイメージで捕獲しましょう。

 

ダニはガムテープに付けて水で死滅させてから捨てる

ノミと同様、取ったダニはガムテープなどで逃げられないようにしたうえで、水に浸してから処分しましょう。

 

しかし、中には水に強い種類のダニもいて、水にさらすだけでは完全に死滅しない場合もあります。

そのため、ダニが苦手とする「60℃以上」の熱湯に浸してから捨てるのがよりおすすめです。

 

ダニの取り方(ペットに噛みついてしまっている場合)

ダニがペットの体に噛みついている状態の場合、無理に取るのは危険なので、動物病院へ行くことを優先しましょう。

無理にはがしてしまうことで、吸引された傷口にダニの「口片」が体内に残ってしまい、その口片が原因で皮膚病を引き起こす可能性があるからです。

 

またマダニの場合、無理に除去しようとして潰してしまったりすると、飼い主のほうが感染症に罹ってしまう恐れがあります。

そのため、「噛んでいるかわからない」という場合でも基本的には病院に行くようにしてください。

 

巷で噂のダニを取る方法は本当なのか?

酢と塩インターネットで調べてみると、「酢を使うとダニが取れる」「塩を使うとダニは簡単に取れる」など、いろいろな取り方について書かれている記事が見受けられます。

ここではそんな巷で話題の「ダニの取り方」が本当に効果的なのか、解説していきたいと思います。

 

酢を使うと簡単に取れるってホント?

巷でよく聞く酢を使った方法は、具体的には以下のとおりです。

  • 酢と水を「1:1」で混ぜ合わせる
  • コットンにしみこませ、ダニにかぶせる
  • 10分程度そのままの状態にしてはがす

 

たしかに、ダニの種類によっては酢が持つ酸性に弱いものもいるため、間違ってはいないように見えますが、すべてのダニに効果があるという証拠はありません。

また、ペットの傷口に染み込み、痛い思いをさせてしまうことがあるため、おすすめはしません。

 

塩を使うと簡単に取れるってホント?

塩を使った方法としては、

  • 塩をダニに直接塗布する
  • その上に水を少々付けて濡らす
  • 5分ほどそのままの状態にして、塩とダニをつまんで取る

という流れで行うのが有効とされています。

こちらは、人間がマダニに噛まれた際の応急措置を用いたものが広まったのではないかと考えられます。

 

しかし、動物にも同じ効果があるという証拠はありません。

また、傷口に塩が残れば、当然のことながらペットたちはたいへんな痛みを味わうことになります。

そのため、この方法もおすすめしません。

 

ダニを無理に取るとどうなってしまうの?

ダニの中でもいちばん殺傷能力が高いマダニは、動物の皮膚に狙いを定めると頭が埋まるほど口を深く突き刺し、さらにセメントのような物質で固定して吸血をします。

このとき無理に引っ張って取ろうとすると、マダニの一部(胴体)だけが取れ、頭の部分が動物の体内に残ってしまいます。

 

「頭だけなら大丈夫では?」と思ってしまいそうですが、その頭の部分だけでも感染症を引き起こす可能性があるうえ、引っ張ったときのダニの「血」が飛散した場合、犬や猫、また人にもウイルスが感染する可能性があるので、絶対に無理に取ってはいけません。

 

ノミやダニに噛まれないように予防することが大事

ノミダニ駆除薬ノミやダニに噛まれてしまうと、後の処理がとても大変になってしまうため、噛まれる前の「予防」が重要となります。

その「予防」としてもっとも有効なのが、ノミやダニの駆除薬(予防薬)です。

 

こうした薬を使えばノミやマダニに対して非常に効果的です。また、フィラリアなどの内部寄生虫に対して効果を発揮する成分が含まれた薬もあるため、手軽に体内外の寄生虫の対策が可能です。

特に、仔犬や仔猫、保護猫などの場合、毛にノミやダニが見つからなくとも、お腹の中に寄生していたというケースは少なくありません。

そのため、ペットを迎え入れたらすぐにノミ・ダニの駆除薬を使用しましょう。

 

女医

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まとめ

今回は「ノミやダニの取り方」をテーマにお伝えしてきましたが、いかがでしょうか。

ポイントとしては、

  • ノミやダニを見つけたらただちに動物病院に行く
  • 無理に取ろうとしない
  • すぐに病院に行けない場合は、専用のグッズを使う
  • 予防薬を使ってノミやダニがつかないようにする

といった点が挙げられます。

 

愛するペットのためにも、しっかり予防を心がけ、安全に生活できる状態を整えておきましょう。

もちろん外に出ることが少ない室内飼いのワンちゃん、ねこちゃんであっても予防は必要です。

健康なペットライフを過ごすため、ぜひこの記事を参考にしていただければ幸いです。