ノミの駆除薬は市販で売ってる?市販の対策グッズの種類や効果を徹底解説!
ノミの駆除薬はいろいろな種類のものが売られていますが、「どの種類がいいのか?」「効果はあるのか?」と悩まれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、今回は「ノミの駆除薬」をテーマにお届けします。
- 市販のノミ対策グッズの種類
- 病院やネット通販で入手できるノミ駆除薬の種類
それぞれの効果についても詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
ノミ駆除薬は市販されている?
ペットに対して使用するノミ駆除薬は、市販されていません。
つまり、ドラッグストアなどで手軽に購入することはできないわけです。
ペット用の「ノミよけ首輪」や忌避剤などは見かけますが、それらはいずれも「医薬部外品」であって、医薬品ではありません。
ノミを完全排除するための医薬品は、動物病院や医薬品専門のネット通販(個人輸入)でしか購入できないのが現状です。
動物用の医薬部外品とは?
そもそも医薬部外品とは、法律で定められた医薬品の成分を含んでいない製品を指します。
「医薬」とあるのでいかにも効きそうな感じがするかもしれませんが、医薬品に比べれば改善効果が低いものを指します。
一方の「医薬品」は、法律で定められた薬効成分を含んだ製品のことを指します。
医薬品としてのノミ駆除薬は、薬学的なメカニズムによってほぼ確実にノミを排除することができます。
市販されているノミ駆除薬の効果に効果はあるのか?
「ノミ駆除」とうたって市販されている忌避剤(ノミ除け薬)などについて、「ホントに効果あるの?」と疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで、ここでは市販品の実態について解説します。
殺虫剤に使われるフェノトリンの効果と問題点
市販のノミ除け薬の多くが、「フェノトリン」という殺虫成分を使用しています。
フェノトリンは、確かにノミの成虫や幼虫に対して有効ですが、ノミの卵やサナギには効きません。
ペットに成虫のノミが寄生している場合、ノミの卵やサナギもいると考えられているため、こうした市販薬は根本的な「治療」や「予防」には向いていないといえます。
超音波のノミに対する効果と問題点
市販品の中には、超音波を発することでノミを寄せつけなくする製品があります。
確かに、ノミは超音波を嫌うといわれています。
ある調査では「60%以上の忌避効果がある」という結果もでています。
ただし、市販のノミ除けグッズにどれほどの効果があるのかは未知数です。
「忌避の手助け」として使うのは有効ですが、すでにいるノミを駆除する役割はほとんどないと考えてよいでしょう。
ハッカ油のノミに対する効果と問題点
ペット用品ではないものの、市販品にはハッカを使ったノミ除けスプレーなどがあります。
そして確かに、ハッカの香りも「ノミが嫌がるもの」のひとつとして知られています。
ただし、駆除効果はありません。
また、ペットに対して中毒症状を起こす可能性もあるため、注意が必要です。
購入する場合は犬や猫がいない空間で使用しましょう。
市販されているノミ駆除グッズにはどんな種類がある?
フェノトリン、超音波、ハッカといったものを使ったノミ対策グッズを紹介しましたが、その他にはどんなものがあるのでしょうか?
ここでは、市販品としてよく見かける「ノミ駆除グッズ」を紹介します。
燻煙剤
燻煙剤は、煙の力で殺虫効果のある薬品を拡散させる殺虫剤で、ノミやダニに対して高い殺虫効果を発揮します。
ただし、ノミの卵・サナギには効果がありません。
ノミの卵は数日から1ヶ月程度で孵化してサナギに、そして成虫に成長するため、燻煙剤を1回使っただけではいずれまたノミが発生してしまうわけです。
そのため、2週間ほど空けて2回に分けて行う必要があります。
なお、燻煙剤が使用できない場合(マンションなど)、「ノンスモークタイプ」の”燻蒸剤”がおすすめです。
殺虫スプレー
市販で売られている殺虫スプレーには、すでに紹介したように「フェノトリン」が含まれています。
ノミの卵やサナギに対しては効果がありませんが、成虫を退治するには便利なアイテムです。
また、エアゾールタイプ、スプレータイプなどバリエーションが豊富なのもポイントで、燻煙剤よりも手軽に使用できるというメリットがあります。
ただし、フェノトリンは動物に対して使用すると健康被害を引き起こす可能性があるため、ペットに直接スプレーするのはNGです。
シャンプー
ノミは水に弱いため、定期的にシャンプーするのが効果的といわれています。
そして、このときに使えるペット用シャンプーには、ノミの忌避効果があるもの、また殺虫効果のあるフェノトリンが配合されているものが販売されています。
フェノトリン入りのシャンプーは、ペット用にマイルドになっているのでおおむね安心ですが、ペットによっては害をなすこともあるので注意が必要です。
また、「効果が長く続かない」というデメリットもあります。
あくまでも「予防用」に使いたいアイテムです。
ブラシ
市販の「ノミ取りコーム」「ノミ取りブラシ」は通常のブラシより細かく、ノミの駆除に効果があります。
しかし、これは体に付着しているノミがいる場合に使えるものです。
つまり、あらかじめノミを寄せつけないようにする予防効果はありません。
また、たくさんのノミに寄生されている場合、ブラシでは完全に取り除くことができず、繁殖を許してしまう可能性があります。
実際のところ、ノミは繫殖力が高く、1匹いたら数日で数百匹に増えてしまいます。
ブラシだけでは、取っても取っても気づけばまた増えている……というイタチごっこに陥る可能性があります。
首輪
超音波を用いたものや、ノミが嫌うハーブ系の香りを発するノミ除けグッズには、犬や猫の首輪に取り付けるタイプのものも販売されています。
首にかけるだけなので手軽に使用できますが、どれほどの効果があるのか明確になっていないうえ、首周辺のみの予防しかできず、胴体や足もとには効果が期待できません。
メインとなるノミ駆除・予防をしっかりしたうえで、あくまで「予防の手助け」として使うとよいでしょう。
ノミ取りシート
ノミ取りシートとは、ノミが集まりやすい場所に置いて使う捕獲シートのことです。
「置くだけ」という手軽さがメリットですが、成虫や幼虫など、動く状態のノミに有効であり、卵やサナギには効果がありません。
また、どちらかといえば「家にいるノミを駆除する」という製品であり、ペットにフォーカスされたものではありません。犬や猫の「ノミ予防」としての効果はかなり薄いといえます。
ノミの駆除対策を本格的に行うなら予防薬がオススメ
犬や猫のノミから守るためには、効果の高い予防薬を使う必要があります。
ここでは最近よく使われている予防薬を3種類ご紹介します。
ペットを迎えたばかりという方や、保護犬・保護猫を迎えたばかりという方、ぜひ参考にしてみてください。
ノミ・ダニの駆除薬は通販で購入することができます!愛犬や愛猫を守るためにもノミの対策はしっかりしておきましょう!
犬用のノミダニ駆除薬「ネクスガード」
ネクスガードは有効成分アフォキソラネル、ミルベマイシンオキシムを含有しており、ノミだけでなくマダニ、回虫といった寄生虫の駆除・予防をすることができます。
超小型犬用~大型犬用まで4種類あります。
また効果が出るまでの時間が早いという特徴があり、ノミなら6時間、マダニであれば12時間以内に駆除が可能です。さらに、ノミの卵に対しても効果を発揮します。
犬が食べやすい牛肉味になっているのも見逃せないポイントです。
なお、製造元はBoehringerIngelheim(ベーリンガーインゲルハイム)というメーカーです。
価格は以下の通りです。
種類 |
価格 |
超小型犬(2~4kg)用 |
1箱3錠入り4,960円 |
小型犬(4~10kg未満)用 |
1箱3錠入り6,960円 |
中型犬(10~25kg未満)用 |
1箱3錠入り6,960円 |
大型犬(25~50kg未満)用 |
1箱3錠入り8,760円 |
猫用のノミダニ駆除薬「ベクトラフェリス」
ベクトラフェリスは有効成分ジノテフラン、ピリプロキシフェンがすみやかにノミを駆除し、長く効き続けます。
ジノテフランが成虫を駆除し、ピリプロキシフェンが卵・幼虫を死滅させます。
また、スポットタイプとなっているのが特徴で、薬を飲むのが苦手な猫が相手でもスムーズに投与できます。
予防効果は1ヶ月ほど続くため、1ヶ月に1回のみの投与で良いのもポイントです。
ただし、投与後シャンプーをすると効果が薄れてしまうため、注意しましょう。
なお、製造元はチェーヴァ・サンテ・アニマルというメーカーです。
価格は1箱3本入りで5,160円となっています。
犬猫に使えるノミダニ駆除薬「フロントラインプラス」
フロントラインプラスはBoehringerIngelheim(ベーリンガーインゲルハイム)が手がけるノミダニ駆除薬で、犬用と猫用を選ぶことができます。
有効成分のひとつであるフィプロニルは犬・猫に寄生したノミやマダニを駆除し、S-メトプレンがノミの卵の孵化・発育を阻止します。
ノミに対しては24時間以内に効果を発揮し、1ヶ月に渡って持続します。
スポットタイプとなっているため、1ヶ月に1回投与してあげるだけで手軽にノミ駆除・予防ができます。
犬用、猫用の価格は以下の通りです。
種類 |
価格 |
猫用 |
1箱3本入り6,560円 |
小型犬(10kg未満)用 |
1箱3本入り6,860円 |
中型犬(10~20kg)用 |
1箱3本入り6,860円 |
大型犬(20.1~40kg)用 |
1箱3本入り7,060円 |
超大型犬(40.1kg以上)用 |
1箱6本入り13,960円 |
まとめ
今回は、市販のノミ対策グッズの効果について、また病院やネット通販で入手できるノミ駆除薬について解説してきました。
あらためてポイントをまとめると、以下の通りです。
- 「医薬品」と「医薬部外品」があり、市販で買えるのは「医薬部外品」のみ
- すでに寄生しているノミに効果的なのは「医薬品」
- 市販のノミ駆除グッズだけに頼るのはNG
- 病院やネット通販で入手できる医薬品なら駆除も予防も可能
ノミは、放置していても勝手に死滅することはありません。
ノミに寄生された場合、ペットが体調を崩すだけでなく、子犬や子猫の場合は重篤な症状に見舞われるケースもあります。しっかりと効果的な駆除・予防薬を使い、ペットを守りましょう。