フィラリアの症状ってどんなものがある?初期症状と危険な合併症を解説します!
愛犬や愛猫に寄生して、命を脅かすこともあるフィラリア。
適切に予防をしてはいるけど、実際に感染してしまった場合にはどのような症状があらわれるのでしょうか?
ここではフィラリアってそもそも何なのか?という基本的なことから、フィラリアに感染してしまった場合はどんな症状があらわれるのかを紹介していきたいと思います。
フィラリア予防を怠ってしまっていたという方は是非一度こちらのページを参考にしていただき、適切に対処するようにしましょう!
フィラリアとは
犬や猫を飼われている方であれば、誰もがしているフィラリアの予防ですが、そもそもフィラリアとはいったいどういった寄生虫でどのように感染するのでしょうか?
まずは、このフィラリアについてどのような感染経路で感染するのか紹介していきます。
そして、フィラリアに感染した場合の潜伏期間や猫には感染しないという噂を耳にしたりするのですがそれは本当なのでしょうか?といったことについてお答えしていきます!
フィラリアの感染経路
寄生虫フィラリアの感染経路はひとつしかありません。
その感染経路というのが「蚊」です。
フィラリア感染の流れは以下の通り
- 1フィラリアに感染してしまっている犬や猫の血を蚊が吸う
- 2蚊の体内にミクロフィラリア(フィラリアの子)が入る
- 3フィラリアに感染していない犬や猫の血を吸う時にミクロフィラリアが犬や猫の体内に入る
上記のように、感染しているペットの血を蚊が吸い、蚊に入ったフィラリアの子が感染していないペットの血を吸うタイミングで感染していないペットの体内に入り込み感染します。
そのため、犬から犬や猫、人から犬、犬や猫から人といったような形でフィラリアが直接感染することはありません!
フィラリアの潜伏期間
犬や猫の体内に入ったミクロフィラリアですが、体内に入ったからといってすぐに症状があらわれるというわけではありません。
犬や猫の体内でフィラリアが成長していくことで症状があらわれ始めます。
犬やペットに感染したフィラリアは成長を続けながら最終の寄生先である心臓や肺の血管へと移動していきます。
成長から心臓などへの寄生までにかかる期間は1~6ヶ月となっているので、この1~6ヶ月が潜伏期間といえます。
猫はフィラリアにかからない?
フィラリアの予防といえば犬!といったイメージを持たれる方は少なくありません。
その理由は非常に単純で、犬や猫の中でも特に犬に感染するケースが多いためです。
そうなると疑問になるのは、猫はフィラリアに感染しないのかということでしょう。
実は猫もフィラリアに感染する可能性はあります。
猫の場合、体内にミクロフィラリアが入ったとしてもフィラリアが猫に適していません。
なので、感染しても成虫になれずに死んでしまうケースが多いので、猫のフィラリアは少ないのです。
フィラリアについての詳しい情報は「犬だけじゃない!?猫も感染するフィラリアとは?重要なのは「予防」」でまとめています。
フィラリアの初期症状と末期症状
ここでは、フィラリアの症状について具体的に解説していきます。
フィラリアを発症したばかりの時期にあらわれる初期症状や、病状が進行した果てに見られる末期症状について、それぞれまとめてみました。
フィラリアの初期症状
フィラリアの初期症状には、以下のようなものが挙げられます。
- 軽度の咳
- 元気がない(散歩を嫌がる)
- 食欲不振
- 呼吸が浅い
- 毛並みが悪くなってくる
ただ、「元気がない」「食欲がない」などの症状は、環境が変わったばかりのペットにはよく見られるものですし、「毛並みが悪くなる」などは、シニア期に突入した犬や猫によく見られます。
そのため、「少し様子を見よう」と思いがちなのですが……。
しかし、様子見をしているうちにフィラリアの進行が進んでしまうこともあるため、注意が必要です。
フィラリアに感染しても無症状の可能性があるので注意
体内にいるフィラリアが少数しかいない段階では、上記のような初期症状が一切見られない「無症状」という状態であるケースが多いです。
たとえば犬の場合、肺動脈に寄生するところまで進行していたとしても、無症状のケースがあります。
そして、昨日まではまったくの無症状だったのに、急に体調が悪化することも……。
ちなみに猫の場合、「3割は無症状」だといわれています。
フィラリアの末期症状
フィラリアの末期症状には、以下のようなものがあります。
- お腹に水が溜まる
- 血が混じった咳をする
- 元気や食欲が消失する
- 呼吸困難
- 運動時に失神する
このような症状が見られる場合、すでに犬・猫の内臓は相当なダメージを負っています。
フィラリアの数や状態によっては外科手術を施す場合がありますが、あまりに体力が低下している場合は「手術は不可能」と判断されることもあります。
また、外科手術以外に薬を使った治療法は存在しますが、「成虫はすぐに死滅させられない」「症状が改善されるまでに時間がかかる」などのデメリットがあります。
そのため、「対処療法をしていくほかない」と判断される場合もあります。
猫特有のフィラリアの症状
猫がフィラリアに感染した場合、次のような症状があらわれます。
- 激しい嘔吐
- 呼吸困難
消化器の異常、神経症状などが主な症状といわれていますが、これらは肺炎の症状ともよく似ているため、注意が必要です。
また、「フィラリア随伴呼吸器疾患(HARD)」を発症することもあります。
体内で死んだフィラリアが肺を詰まらせて重い機能障害を引き起こす病気で、突然死に至るケースも少なからずあります。
フィラリアが引き起こす合併症
フィラリアを発症したことで起こる合併症には、以下のようなものがあります。
- 腎障害
- 肝障害
- 皮膚疾患
犬の場合、フィラリアは肺や心臓に寄生しますが、腎障害や肝障害などの病気を引き起こすこともあります。
フィラリアの末期症状である腹水や運動後の失神などは、これらの合併症によるものです。
フィラリアだけでも命の危険がありますが、合併症によってさらに危険な状態に陥ることがあるわけです。
最も怖い急性症状「大静脈症候群」
フィラリアの症状として、特に怖いのは大静脈症候群です。
主な症状には、以下のようなものがあります。
- 血色素尿
- 呼吸困難
- 虚脱
- 沈鬱
- 可視粘膜蒼白
大静脈症候群は、肺動脈に寄生しているフィラリアの成虫が、心臓に潜り込んで【右心室→右心房→大動脈】と移動し、三尖弁という弁の働きを阻害することで起こる病気で、急性心不全を引き起こします。
発症した場合、2日以内に死に至るといわれています。
「いきなり倒れてぐったりしている」
「やたらとぼんやりしている」
このような異常に気付いたら、速やかに動物病院を受診しましょう。
フィラリアの検査はどこで受けられる?
フィラリア予防を行う前に必ず必要になるのがフィラリア検査です。
では、このフィラリア検査はどこで受けることができるのでしょうか?
現在、自宅などでできるフィラリア検査用の検査キットなどはないため、フィラリアの検査を受けることができる場所は基本的に動物病院となります。
病院でフィラリア検査を受けることは可能ですが、フィラリアの検査にもいくつかの種類があり、病院によって採用している検査の種類や数が違います。
そのため、一口にフィラリアの検査といっても受ける病院によって時間や費用が違うという点には注意が必要です。
フィラリア検査の必要性に関する詳しい情報はこちらのページで紹介しています。
フィラリア検査の時期はいつ?
フィラリアの検査は動物病院で受けることができるとお伝えしました。
このフィラリアの検査は好きなタイミングで受けることが可能ではありますが、基本的に受けるタイミングというのは決まっていたりします。
フィラリアの検査を受けるべきタイミングというのは、フィラリアの予防を開始する1ヶ月ほど前からとなっています。
そして、フィラリアの予防を開始するタイミングは蚊の発生する1ヶ月前となっているので、地域によって前後するものの4月頃に検査をするケースが一般的です。
参考元:フィラリア予防について
フィラリアは治療することができる?
フィラリアに愛犬や愛猫が感染してしまったというケースはゼロではありません。
ですが、フィラリアに感染したとしても「治療ができれば、別に感染を恐れる必要はないのでは?」と考える方もいらっしゃるでしょう。
そこで、ここからはフィラリアに感染した場合における治療や治療で完治させることができるのかといったことについて紹介していきます!
フィラリアは完治する病気?
まずはフィラリアに感染してしまった場合、フィラリアは完治させることができるのかといったことについて紹介してきます。
フィラリアに感染してしまった場合、完治させることができる可能性はかなり低くなっています。
フィラリアは治療法がほとんどありません。
いくつかある治療法を実施したとしても、完治することはないため、予防することが何よりも重要となっています。
フィラリアの治療方法
フィラリアに感染して進行した場合の治療方法には
- 駆虫薬による駆虫
- 外科手術による駆虫
という2通りがあります。
駆虫薬の投与は治療の中では簡単に行える方法ですが、逆に症状を悪化させる可能性があるというデメリットがあります。
外科手術は駆虫薬の使用ができない場合でも行えるというメリットがありますが、費用面の負担やペットの身体的負担が大きいというデメリットがあります。
これらの治療ができないとなった場合の最後に取られるのが対症療法で、こちらはどのペットにも行えるというメリットがありますが根本的な治療にはならないというデメリットがあります。
参考元:犬のフィラリア症(犬糸状虫症)
フィラリアの治療に関する情報は「フィラリアに感染してしまった場合の治療方法には何がある?フィラリア治療を解説」のページで詳しく解説しています。
フィラリアは予防することが重要!
フィラリアの治療法についてお伝えしましたが、どの治療法もメリットはあるものの、デメリットも大きなものばかりでした。
その上、フィラリアは一度感染して進行しまうと、治療ができたとしても完治するケースは多くありません。
だからこそ、フィラリアは感染してから治療を行うのではなく、そもそもフィラリアに感染しないように適切に予防をすることが何よりも重要となっているのです。
フィラリア予防はどうすればいい?
フィラリアの感染を防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?
フィラリアに感染しないようにする方法は下記の2つ!
- 予防薬の投与
- 予防注射の摂取
フィラリア予防薬は毎月1回投与で、予防注射は1年に1回注射することでフィラリアの感染を防げます。
これらの方法以外にも、薬を用いずに室内外で外に出さないようにして蚊に血を吸われないようにしたり、蚊の発生しているシーズンは散歩を控えるといった対策も可能です。
ですが、これらの方法では完全にフィラリアの感染を予防するといったことはできないため、気づかないうちに感染している可能性がある点には注意が必要です。

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フィラリア予防の注意点
予防薬や予防注射を活用することによって、フィラリアの感染を確実に予防することができることがわかっていただけたと思います。
ですが、このフィラリアの予防をする場合にもひとつ注意点があります!それが「フィラリア検査の実施」です。
既にフィラリアに感染してしまっている場合に、予防薬を投与すると重篤なアナフィラキシーショックなどを引き起こして死に至ってしまう場合もあります。
そのため、予防を行う前にフィラリアの検査をして、フィラリアに感染しているかどうかの確認が重要です。
まとめ
こちらのページでは、フィラリアについて
- フィラリアとは?
- フィラリアに感染した時の症状は?
- <フィラリア症の治療法
といったこと紹介してきました。
フィラリアへの感染は犬や猫を飼われる飼い主さんにとって非常に大きな問題となってしまう場合も少なくありません。
こちらのページでもお伝えしましたが、フィラリアは感染してしまえば、治療する方法はあるものの完治させるといったことはほぼできないと考えて問題ありません。
だからこそ、ペットだけでなく飼い主のためにも適切な方法で完全に予防してあげることが大切です。
ペットとの日常を一日でも長く送れるようにすることが、ひいては飼い主のQOL向上にもつながるといえるので、怠ることがないようにしましょう!