フィラリア検査は必要?フィラリア検査を絶対に受けるべき理由
愛犬や愛猫の健康を脅かす寄生虫「フィラリア」を予防することは犬や猫を飼う方にとって必要不可欠なものといえます。
ですが、このフィラリアの予防を行う前に、必ず行わなければならないことにフィラリアの検査があります。
フィラリアの予防を行うのだから「そもそもフィラリアの検査をする必要なんてないのでは?」と考える飼い主の人も少なくありません。
そこで、こちらのページではこのフィラリアの検査についてなぜ受ける必要があるのかといったことについて紹介していきます。
目次
フィラリア予防薬を投与する前に検査を絶対に受けるべき理由
フィラリアの予防を行うのに、なぜ検査が必要になるのか?その理由は非常に単純です。
そこで、まずはフィラリアの検査を行う理由について紹介していきます。
検査を受ける必要性が分からないままであれば、検査を受けずにフィラリア予防を進めてしまうこともあるかと思います。
ですが、それは非常に危険です!
だからこそ、なぜフィラリアの予防を行う前にフィラリア検査が必要になるのかという理由を適切に把握した上で進めるようにしましょう!
理由①感染していても無症状の可能性がある
フィラリアの予防を行う前に検査が必要になる理由のひとつ目が「感染していても無症状の可能性がある」ためです。
フィラリアに感染したとしても、感染後すぐに何かしらの症状があらわれるというわけではありません。
また、猫の場合は症状が出た時には、かなりフィラリアが進行してしまっている場合もあります。
フィラリア予防薬の中にはフィラリアの成虫に対して効果を発揮しないものがあります。
また、既にフィラリアに感染してしまっている場合、フィラリアの予防をするのではなくフィラリアの治療が必要になるので、事前の検査が必要不可欠なのです。
フィラリアに感染した時の詳しい症状については「フィラリアの症状や対策についてわかりやすく解説します!」のページでまとめています。
理由②重篤な副作用が起きることがある
フィラリアに感染していても、無症状の可能性があるためフィラリアの予防は事前に感染の有無を検査する必要があります。
であれば、「フィラリアの成虫に対しても効果を発揮する予防薬を使えばいいのでは?」と考える方もいるかと思います。
フィラリアに既に感染している場合に、フィラリアの成虫を殺す作用を持った予防薬を用いてしまうと、フィラリアの寄生先である肺血管や心臓でフィラリアが死滅し、血管を詰まらせてしまう可能性があります。
当然ながら、血管が詰まってしまうことで突然死などの重篤な副作用を引き起こす可能性があるため、予防の前の事前の検査が必要不可欠なのです。
参考元:フィラリア検査って必要?
検査を受ける時期はいつ頃から?
フィラリアの予防をするときに必須となる、フィラリアの検査。
何故、検査が必要になるのかという理由については把握していただけたかと思います。
では実際に検査を行う場合は、どのタイミングで行えばいいのでしょうか?
そもそも、フィラリアは蚊を媒介として感染する寄生虫症であるため、蚊が発生する4月から予防を行うケースが多いです。
そして、フィラリアの検査を行うタイミングとしては予防をする1ヶ月ほど前というのが基本となるため、3月ぐらいに検査を行うというのが一般的です。
参考元:フィラリア予防について
何歳ごろからフィラリア予防をするべき?
フィラリアの予防は何歳からするべきなのでしょうか?
基本的にフィラリアは感染しないようにすることが何よりも大切となるため、1ヶ月ほどでフィラリア予防をスタートするのが一般的とされています。
ただし、フィラリア予防薬が投与可能となるタイミングや安全性などに関してはそれぞれの予防薬ごとに違っているたりもするため、動物病院で専門家に相談しながら予防を進めていくということが重要です。
参考元:新しく子犬を迎えたら
フィラリアの検査はどこで受けられる?
フィラリアの予防は病院で予防薬を投与してもらったり、自宅でネット通販を利用して予防薬を購入して投与することが可能です。
では、フィラリアの検査はどこで受けることができるのでしょうか?
実はフィラリアの検査については、動物病院で受ける以外に方法はありません。
検査キットなどが通販で取り扱いされていれば、自宅などで検査を行うといったことも可能でしょうが、そうしたものは販売されていないので、フィラリア検査を受ける場合は動物病院へと足を運ぶようにしましょう。
フィラリアの検査内容と検査方法
動物病院でしか受けることができないフィラリア検査ですが、一口にフィラリア検査といっても
- ヘマトクリット法
- 直接法
- 抗原検査
などの検査手法があります。
そこで、ここからはそれぞれのフィラリア検査の手法について、どういった検査方法なのか?といったことから、それぞれの検査手法ごとのメリットやデメリットについて紹介していきます。
ヘマトクリット法
フィラリアの検査法はいくつか手法がありますが、その中のひとつであるヘマトクリット法はペットから採血を用いて検査します。
そうして、採取した血液を遠心分離器にかけて血液を血球層と血漿層に分けた時の、境界にミクロフィラリアがいるかの確認をする検査方法です。
このヘマトクリット法のメリットは、後で紹介する直接法より検出率が高いというのがあります。
その反面、デメリットとしては遠心分離のための時間が掛かったり、費用が高くなってしまうというものがあげられます。
参考元:ヘマトクリット法
直接法
次に紹介するフィラリアの検査方法は直接法です。
この直説法というのは、その名が示す通りペットから採血した血液を直接、顕微鏡で見てフィラリアの感染を検査する方法になります。
こちらの直接法のメリットとしては、簡単かつ短時間で行えるといったことがあげられます。
しかし、感染しているミクロフィラリアの量によって検出率が左右されるだけでなく、採取する血液も数滴であるため検出率が低いといったデメリットがあります。
参考元:直接法
抗原検査
フィラリア検査は上記の検査法以外に抗原検査も良く用いられます。
抗原検査では、フィラリアの成虫の雌が分泌する排泄する物質を抗原抗体反応を検査キットを用いて確認する検査になっています。
この検査のメリットは検出率が非常に高いという点があげられます。
ですが、寄生されたばかりでフィラリア成虫がいない場合には検出されません。また、フィラリアの成虫が寄生していても、それが雄だった場合も検出されないというデメリットがあります。
そのため、こちらの抗原検査に加えて、直接法かヘマトクリット法などの血液検査を合わせて検査するのが一般的になっています。
参考元:フィラリアについて
その他の検査方法
フィラリアの検査法は採血で行うヘマトクリット法や直接法、検査キットを用いて行う抗原検査の他にもあります。
その検査法というのが、フィルター集中法やアセトン集中法と呼ばれる手法になります。
フィルター集中法は専用のキットを用いて血液を希釈し、フィルターで血液を濾してフィルターにミクロフィラリアの有無を確認する方法です。
アセトン集中法は、専用試薬を用いてアセトン溶血液をつくり、遠心分離にかけてミクロフィラリアの有無を確認する方法です。
どちらの方法も手間やコストがかかるため、現在ではあまり行われなくなっている検査法になります。
参考元:フィラリア検査の種類
フィラリアの検査にかかる費用はどれくらい?
フィラリアの検査法にはさまざまな種類の方法があるのはおわかりいただけたと思います。
では、実際にこうしたフィラリアの検査を動物病院で受けるという場合には、どの程度の費用が必要になるのでしょうか?
ここからは動物病院でフィラリア検査を受ける時に必要になる費用について、詳しく紹介していきたいと思います!
フィラリア検査費用の相場
フィラリア検査は検査を受ける動物病院によって、かかる費用は違います。
いくつかの動物病院を調べてみた結果、相場は下記のようになっています。
検査種別 |
検査費用 |
---|---|
血液検査 |
1,000~1,500円 |
抗原検査 |
2,500~3,000円 |
上記のようにそれぞれの検査ごとに、費用が別途設定されている場合もあれば、抗原検査と血液検査を別ではなくセットで費用が設定されている場合があります。
そのため、検査を受ける動物病院によっては、それなりの費用が必要になってしまう場合もあるため、検査費用に不安があるという場合は事前に電話での確認などを行うようにしましょう。
フィラリア検査は保険が適用される?
フィラリアの検査を動物病院で受ける場合に気になる費用ではありますが、この検査には保険は適用されるのでしょうか?
いくつかのペット保険などを調べてみると、予防薬や予防目的での診察や検査の費用も保険の対象外となってしまうことが多いようです。
そのため、フィラリアの検査には保険が適用されることはないので、検査費用を保険で抑えるといったことはできないと考えて問題ありません。
ですが、保険は病気の際の治療費などに保険は適用されるので、よく考えて利用するようにしましょう。
参考元:
ペット&ファミリー損害保険会社
フィラリア検査と予防薬投与でかかる費用は?
フィラリアの予防には検査だけではなく、予防薬の投与が必要不可欠です。
そこで、最後にフィラリアの検査と予防薬で年間どの程度の費用が必要になるのかについて紹介したいと思います。
フィラリア予防薬は中型犬を例にすると1ヶ月あたり錠剤やチュアブル錠では1,100円ほど、外用薬タイプで1,800~2,000円となっています。
そして、5月から12月まで8か月間フィラリアの予防薬を投与したと仮定すると
予防薬 |
1ヶ月あたりの費用 |
8か月間 |
---|---|---|
チュアブル |
1,100円 |
8,800円 |
外用薬 |
1,900円 |
15,200円 |
上記のような費用が必要になります。
そして、フィラリア予防薬を投与する前に、フィラリア検査が必ず必要になるので、検査費用の相場であるふたつの種類の検査を合わせた3,500~4,500円を追加した、12,300~19,700円という費用がフィラリアの検査と予防を行う上で必要になります。
フィラリア予防にかかる費用に関する詳しい情報なら「フィラリアの予防にかかる費用はどれくらい?選ぶ方法で費用が大きく変わる!」のページが役立ちます。
フィラリア予防薬は通販サイトから購入することも可能です。長期間の投与が必要になるからこそコストを抑えたい、そんな方にオススメです!
フィラリア予防注射はフィラリア検査が必要がないってホント?
ペットを脅かす寄生虫であるフィラリア。
フィラリアを予防しようと考えた場合には、適切な検査や予防薬の投与など、ペットと飼い主それぞれに負担がかかってしまいます。
そんな中、注目されているのがフィラリアの予防注射です。
このフィラリアの予防注射は1年に1回の注射でフィラリアの予防を行うことができるため、毎月の投与が必要な予防薬と比べて負担がかなり小さくなります。
しかしながら、予防注射を受ける場合でも事前の検査が必要になるという点には注意が必要です。
「フィラリア注射とは?デメリットや注意点も理解しておきましょう!」のページではフィラリア注射について詳しくまとめていますので、併せてお役立てください。
まとめ
こちらのページではフィラリアの検査について
- フィラリアの検査の種類
- フィラリア検査を受けるタイミング
- フィラリアの検査や予防にかかる費用
といったことについて紹介してきました。
フィラリアは検査や予防をしなくても良いと考える飼い主の方もいらっしゃいますが、フィラリアに感染して症状があらわれてしまうと治療の選択肢がほとんどなくなってしまったり、治療法が何もないという状況に陥ってしまう場合もあります。
適切なフィラリア検査やフィラリア予防を行うだけで、数年単位の寿命の違いがあらわれることもあるため、愛犬や愛猫とのすこやかな毎日を考えた場合には、適切にフィラリアの検査やフィラリアの予防を行うようにしていくことは必須といえます。