犬だけじゃない!?猫も感染するフィラリアとは?重要なのは「予防」

犬だけじゃない!?猫も感染するフィラリアとは?重要なのは「予防」愛犬の天敵となる寄生虫。

その中でもよく目や耳にするのがフィラリアだと思います。愛犬がいる家庭では夏場に近づくにつれ、毎月予防を行っているという方も多いのではないでしょうか?

実は、このフィラリア、愛犬だけでなく愛猫にも感染する可能性があります。

そのため、犬と一緒に猫を飼われている方や猫を飼われている方は適切に予防を行うことが重要になります。

こちらのページでは、猫にも感染するフィラリアについて

  • どんな寄生虫なのか?
  • 感染するとどんな症状がでるの?
  • 感染した場合の治療法は?
  • 予防するにはどうすればいいのか?

といったことについて紹介していきます!

 

猫も犬同様にフィラリアに感染する

猫犬の感染症というイメージが強いフィラリアは、猫にも感染する可能性があります。

その一方で、そもそも犬を飼っていないという方や初めてペットを飼われる方にとって、フィラリア感染症が何か分からないということもあるでしょう。

ですので、まずはフィラリア感染症がどういった感染症なのか、感染するとどうなるのかといったことについて紹介していきます。

 

フィラリア感染症とは

フィラリア感染症とは、寄生虫であるフィラリア(犬糸状虫)がペットの体内に入り込み、さまざまな症状を引き起こす寄生虫症です。

犬糸状虫という名称からもわかるように、主に犬に多い寄生虫症のひとつですが、猫にも感染する可能性があるため、猫を飼われている方も注意が必要です。

フィラリアは犬や猫の体内に寄生すると、体内で成長しながら最終的に心臓や肺動脈に移動します。

そうして心臓や肺動脈にフィラリア成虫が寄生することによって、咳や栄養不良といったさまざまな症状を引き起こすため、適切な予防が必要となります。

 

猫がフィラリアに感染するとどうなる?

犬がフィラリアに感染した場合、咳や食欲不振、元気消失などの症状があらわれます。

では、猫にフィラリアが感染した場合にはどのような症状があらわれるのでしょうか?

猫に感染した場合、心臓の血管にフィラリアの成虫が詰まってしまうことで突然死を引き起こしたりします。

また、猫がフィラリアに感染してしまった場合、猫の寿命は5~6年といわれています。

健康な猫の平均寿命が15歳ほどであることを考えると、フィラリア感染によって寿命が大幅に減ってしまうことになるので、適切な予防が必要不可欠といえます。

 

では、そんな猫のフィラリアは一体どのようにして感染するのでしょうか?次は猫がフィラリアに感染してしまう原因について紹介します!

 

参考元:猫のフィラリア症

 

猫がフィラリアに感染する原因

命に危険を及ぼす可能性があるフィラリアは、一体どのようにして猫へと感染するのでしょうか?

フィラリアの感染経路はさまざまですが、感染の一番の原因となるのは『』の存在です。

蚊がフィラリアに感染した犬や猫から血を吸うことによって、蚊の体内にフィラリアの子虫であるミクロフィラリアが入り込みます。

そうして、体内にミクロフィラリアを宿した蚊が、フィラリアに感染していない犬や猫の血を吸う時に、ミクロフィラリアが犬や猫の体内へと入り込むことによって、感染が広がります。

逆に言えば、蚊を完全にシャットアウトすることができれば、フィラリアに感染する可能性をゼロにするということが可能です。

 

猫がフィラリアにかかる確率

フィラリアは犬に多い寄生虫症のひとつですが、猫にフィラリアが感染する可能性は実際どの程度なのでしょうか?

猫のフィラリア感染率は猫の住む地域などによっても若干の違いはあるものの、多くの場合その地域の犬のフィラリア感染率の1~2割となっています。

そのため、100頭に1頭の割合で犬がフィラリアに感染している地域の場合だと、猫は500~1000頭に1頭の割合でフィラリアに感染している計算になります。

犬と比べると、感染する確率自体は低くなっていますが、ゼロではないため適切な対策はやはり必要不可欠といっても過言ではありません。

 

参考元:猫のフィラリア予防についてリンク

 

猫から人に感染することもある!?

感染している犬や猫から蚊を媒介として感染を広げるフィラリア。

蚊を媒介として広がるのであれば、ミクロフィラリアを体内に宿している蚊が人の血を吸った場合は、そのまま人にフィラリアは感染してしまうのでしょうか?

実は、このフィラリアは人にも感染する可能性があります!

フィラリアが人に感染する事例は、特に熱帯地域で多く見られており、感染すると脚や腕などが腫れあがります。

とはいえ、人の持つ免疫機能によってフィラリアは死滅するため、人がフィラリア症に感染するというのは基本的にはないと考えても問題ありません。

ですが、国内でもこれまでに100例ほどの報告があるので、完全にゼロではないという点には注意が必要です。

 

参考元:2020年のフィラリア予防について

 

猫がフィラリアに感染したらどんな症状があらわれる?

猫とフィラリアフィラリアは犬だけでなく、猫や人にも感染する可能性がある寄生虫症であることはおわかりいただけたと思います。

では、実際に猫がフィラリアに感染してしまった場合には、どのような症状があらわれるのでしょうか?

そして、猫が実際にフィラリアに感染しているかどうかの判断を行う方法はあるのでしょうか?

ここからは猫がフィラリアに感染した場合の症状やフィラリア感染の有無を判断する方法について紹介してきたいと思います。

 

猫に見られるフィラリアの症状

猫がフィラリアに感染した場合、肺血管にフィラリアが侵入したタイミングや成長したフィラリアが死亡した時に症状があらわれるとされています。

フィラリアが肺血管に到達すると呼吸系の症状があらわれます。

これは肺血管に到達したフィラリアに対して免疫反応が起きることで、肺組織や肺血管に炎症が起きるためです。

実際に、起きる症状としては発咳呼吸困難などをはじめとして、嘔吐食欲不振といった症状があらわれることもあります。

 

また、上体内のフィラリアが寿命で死亡した場合は、血流にフィラリアの死骸がながされることで血管が詰まって肺塞栓などを引き起こすことがあります。

血管が詰まってしまうことで、突然死を引き起こしてしまうことも珍しくありません。

 

参考元:猫のフィラリア症

 

フィラリアに感染しても無症状の可能性がある

猫がフィラリアに感染した時にあらわれる症状について紹介しましたが、実は感染していても無症状のままという場合もあります。

そして、気づかぬうちにフィラリアが成長して症状があらわれる頃には、手遅れの状態となってしまっている場合もゼロではありません。

それゆえに、フィラリアの症状が出てから何かしらの対処をするのではなく、そもそもフィラリアに感染しないようにするということが何よりも重要な対策となっています。

 

フィラリアに感染しているか判断する方法

猫のフィラリアに関する症状について紹介してきましたが、では実際に飼っている猫がフィラリアに感染しているかどうかを判断するにはどうすればいいのでしょうか?

フィラリア感染の有無を確認する方法として、症状を見て判断するといったことは不可能ではありません。

ですが、症状がでてからだと手遅れだったり、そもそも無症状で判断することができない場合もあります。

そのため、フィラリアの感染確認をする上で最も有効なのは、病院でフィラリア検査を受けるという方法になります。

 

「フィラリア検査は必要?フィラリア検査を絶対に受けるべき理由」のページで、フィラリアの検査に関する情報を詳しく紹介していますので、併せてご確認ください。

 

猫がフィラリアに感染した場合、治療することはできるのか?    

飼っている猫がフィラリアに感染してしまった…。

もし、そうなってしまった場合は治療することは可能なのでしょうか?

現在、猫がフィラリアに感染してしまった場合、有効な治療法は確立していません。

治療法として、心臓に寄生しているフィラリアを外科手術で摘出するといったものはあるものの、肺に寄生しているフィラリアによる症状は残ってしまいますし、投薬治療は継続する必要があります。

そのため、フィラリアに感染してから何かしらの対処をするのではなく、そもそもフィラリアに感染しないように予防することが何よりも重要になります。

 

愛猫をフィラリアに感染させないための予防法

フィラリア対策薬猫にフィラリアが感染してしまうと、有効な治療法がないからこそ、適切に予防をすることが重要であるとお伝えしました。

では、実際に予防しようと考えた場合には、どういった方法があるのでしょうか?

ここからは、猫がフィラリアに感染しないようにするためのフィラリア予防法について紹介していきます。

 

➀ 生活面での予防

既にお伝えしている様に、フィラリアに感染する一番の原因はです。

そのため、蚊に血を吸われないように普段から気を付けることが何よりの予防になります。

屋外で飼育するのではなく、完全に室内で飼育するといったことだけでなく、蚊の発生する期間には蚊取り線香や蚊よけのアイテムなどを活用して蚊が猫に近づかないようにすることが重要です。

しかしながら、さまざまな蚊の対策を日常生活の中で行ったとしても、完全にフィラリアの感染から猫を守るという観点からすると不十分であるといえます。

では、フィラリア予防を完璧に行うにはどうすればいいのでしょうか?

 

② 薬の投与

猫をフィラリアから完全に守りたいと考えた場合、最も有効な方法となるのがフィラリア予防薬を使用する方法になります。

現在では、動物病院などに通院すればフィラリア予防薬を投与してもらうことが可能です。

猫のフィラリア予防に使われる予防薬としては、皮膚に薬液を垂らすことでフィラリアを予防するレボリューションブロードラインネクスガードスペクトラなどがあります。

また、内服タイプとしてカルドメックチュアブルといったものがあります。

飲み薬が苦手な猫にはスポットオンタイプを用いて、問題なく飲み薬を使える猫の場合は内服タイプを使うといったように、猫の好みに合わせて使い分けすることが可能です。

 

フィラリア予防薬は病院かネット通販で購入可能

猫のフィラリア予防薬を購入しようと考えた場合に、とれる方法となっているのが動物病院で処方してもらうという方法になります。

動物病院で直接フィラリア予防薬を投与してもらうといったこともできるので、蚊が発生するシーズンになるたびに毎月動物病院に足を運ばれる飼い主さんは少なくありません。

また、フィラリア予防薬は病院で処方してもらう方法以外に、ネット通販でも購入することが可能です。

ネット通販の場合は、最寄りに動物病院がないといった方でも負担なくフィラリアの予防が可能となるため、現在では幅広く利用されています。

 

フィラリアの予防にかかる費用についての情報は「フィラリアの予防にかかる費用はどれくらい?選ぶ方法で費用が大きく変わる!」で詳しくまとめています。

 

女医

フィラリア予防薬は動物病院で処方してもらう以外にネット通販から購入することも可能です。フィラリア予防薬は通販サイトから購入することで手間やコストを削減することができます!

 

フィラリアの予防薬を投与する場合の注意点

フィラリア予防薬は病院やネット通販で手に入れることが可能となっているため、今では完全に自宅内でフィラリアの予防を行うことが可能となっています。

ですが、フィラリアの予防を行う場合には、事前にいくつか把握しておくべき注意点があります。

ここからは、そんなフィラリア予防薬を投与する場合の注意点について紹介していきますので、併せてご確認ください。

 

予防するべき時期が地域によって異なる

命に危険を及ぼす可能性もある寄生虫症のフィラリアですが、このフィラリアを完全に予防するためには継続的に予防を行う必要があります。

また、フィラリア予防を行う場合には、予防を行う期間についても注意が必要です。

近年では地球温暖化の影響もあり、通年での予防を行われる方も少なくありませんが、そうでない場合は、蚊の発生する時期が地域によっても違っているので予防しなければならない期間が変化します。

各地域別のフィラリア予防期間の目安はこちら!

 

地域名

予防期間

北海道

6~11月

東北地方

5~11月

関東甲信地方

5~12月

北陸・東海地方

5~12月

近畿地方

4~12月

中国地方

5~12月

四国地方

4~12月

九州地方

4~翌年1月

沖縄

2~翌年1月

上記の表を見てもわかるように、特に暖かい沖縄ではほぼ通年での投与が必須となっているため、猫を飼う地域によってはフィラリアの予防は常に欠かすことができないものとなっています。

 

参考元:全国 犬のフィラリア感染期間の目安

 

フィラリア予防薬の副作用に注意

猫のフィラリア予防を行う上で注意すべきことは、予防期間だけではありません。

フィラリア予防薬も医薬品のひとつなので、投与された猫に副作用があらわれる場合があります。

フィラリア予防薬の副作用にはさまざまなものがあります。

スポットオンタイプの予防薬の場合いは、薬液を滴下した場所のかぶれや痒みのほか、下痢や嘔吐といった症状があらわれる場合があります。

上記のほか、薬液をなめとってしまった場合、流涎などの症状があらわれる場合があります。

また、内服タイプのフィラリア予防薬では副作用として元気の消失などが報告されています。

 

参考元:
動物医薬品検査所/イベルメクチン
レボリューション プラス

 

フィラリア予防薬を自分で投与する場合の注意点

フィラリア予防薬はネット通販などで購入することができるため、自宅でネット通販からフィラリア予防薬を購入して愛猫に投与するといったことも可能です。

ですが、この場合にも注意が必要になります。

予防薬の投与を開始する前に、フィラリア感染の有無を検査で確認する必要があります。

検査をせずに感染している状態で予防薬を投与してしまうと体内でフィラリアが死亡することで、突然死などのリスクがあるため非常に危険です。

また、蚊の発生期間中は必ず毎月の投与が必要になるので、投与忘れがあるとフィラリア感染のリスクが高まります。

更に蚊の発生の終息後の1ヶ月後までは投与が必要になりますので、そのタイミングでの投与忘れにも注意する必要があります。

病院で投与している場合、事前に次回投与の予約などを行ったりすることもあるので、忘れにくいですが、自宅で行う場合には忘れてしまうケースは珍しくないので注意するようにしましょう。

 

フィラリアの予防薬の詳しい使い方は「【保存版】フィラリア予防薬の使い方をタイプごとに解説」を御覧ください。

 

まとめ

こちらのページでは猫にも感染する可能性があるフィラリアについて紹介してきました。

  • フィラリア症について
  • どのような症状があらわれるのか?
  • フィラリア症の予防法

猫のフィラリアは無症状のまま気づかずに突然死など、悲劇を生んでしまう可能性を十分に秘めています。

予防をせずに屋外で猫を飼った場合、9割もの猫がフィラリアに感染するとされています。

予防をしなければほぼ感染してしまう寄生虫症であるからこそ、猫を飼う飼い主の方はフィラリアから愛猫を適切にフィラリア予防薬でフィラリアから守って、すこやかな毎日を送れるようにすることが大切です。

適切に予防さえしてしまえば、フィラリアに感染する可能性をゼロにすることが可能となっているので、確実に予防するようにしましょう!