フィラリア予防薬はどうやって選べばいい?適切な選び方と注意点をわかりやすく解説
愛犬や愛猫とのすこやかな毎日を送っていく上で、欠かすことができないフィラリア予防。
そのためのフィラリア予防薬は多数登場しています。それ故に、どのフィラリア予防薬を選べばいいのか分からないという方は少なくありません。
そこで、こちらのページでは数あるフィラリア予防薬について、どのように選べばいいのかといったことから、フィラリア予防薬を選ぶ上で気を付けるべき注意点について紹介していきます!
目次
フィラリア予防薬を選ぶ前に知っておくべきこと
フィラリア予防薬は数多くの種類がありますが、その数ある予防薬の中から使うものを選ぶ前に知っておくべきことがあります!
例えば
- いつ頃から予防をするのか
- 予防する時期
- 副作用
などを把握しないまま、予防をしてしまうと適切に予防できずにフィラリアに感染してしまったり、副作用に悩まされてしまうなんていうケースも十分に考えられるので、事前に知っておくべきことは把握しておくことが大切です!
フィラリア予防はいつから始めることができるのか?
フィラリア予防を行う上で、まず知ることになるのはフィラリア予防をいつ頃からスタートする必要があるのか?ということです。
フィラリアの予防薬によって若干の前後はありますが、生後6週~8週からフィラリア予防薬の投与が可能となります。
そのため、フィラリアの予防をスタートするタイミングは上記の生後6週~8週というのが基本となります。
ただ、子犬や子猫によって使用の判断が難しい場合もあるので、予防をスタートする前に動物病院で専門医と相談した上で予防を開始するタイミングを決定するようにしましょう。
フィラリア予防をする時期
フィラリアの予防をスタートするタイミングを把握したら、次に知っておくべきなのがフィラリア予防を行う時期です。
フィラリアは蚊を介して感染するため、蚊の発生する5月頃から蚊の発生が終息する12月まで予防を継続するというのが基本となります。
ただし、蚊の発生するタイミングは沖縄と北海道といったように住んでいる地域によって前後します。そのため、自身が済んでいる地域ではどのぐらいのタイミングで蚊が発生するのかというのを把握した上で、予防を行うことが肝心です。
フィラリア検査を受けてから投薬を
フィラリアの予防をするという場合、ただただ予防薬を投与すればいいというわけではありません。
まず、すべきことはフィラリア検査です。ただし、蚊のいない時期に生まれそのまま予防シーズンを迎えた場合は例外となります。
フィラリア検査で感染が確認された場合、体内に既にフィラリアの子供が大量に発生していて、予防薬の投与でアナフィラキシーなどの取り返しのつかない状態に陥る可能性があるため、事前に検査を受けることは必須となっています。
受けることが必須となっている検査に関する詳しい情報は「フィラリア検査は必要?フィラリア検査を絶対に受けるべき理由」で解説していますので、併せてお役立てください。
フィラリア予防薬による副作用
フィアリアの予防薬を投与した場合、愛犬や愛猫にフィラリア予防薬が原因の副作用があらわれるケースがあります。
代表的な副作用はこちら
部位 |
症状 |
---|---|
呼吸器系症状 |
呼吸ひっ迫 |
皮膚症状 |
皮膚のかゆみ |
消化器系症状 |
嘔吐、食欲不振、下痢 |
その他 |
元気消失 |
上記の副作用以外にも、アナフィラキシーショックや大動脈症候群等の重篤な副作用があらわれる場合もあります。
表にあげた軽度な副作用の場合でも、長期間にわたって症状が改善しない場合には専門医に相談してください。
また、アナフィラキシーなどの重篤な副作用は命に関わるリスクがあります。
そのため、重篤な副作用があらわれた場合には、速やかに病院での診察を受けて対処するようにしてください。
「フィラリア予防薬の副作用には要注意!危険な副作用と対処法を解説」では、フィラリア予防薬の投与であらわれる可能性がある副作用についてまとめています。
特定の犬種に使用することができない成分がある
愛犬や愛猫を飼う人にとって欠かすことができないフィラリア予防ですが、このフィラリア予防で使う予防薬は特定の犬種に対しては使用することができません。
フィラリアの予防をするために予防薬を投与したのに、予防薬との相性で危険な目に合わせてしまうこともあるため注意しておくようにしましょう。
特定のフィラリア予防薬と相性が良くないとされているのがコリー系の犬種です。
そのため、コリー系の犬種を飼っている場合は使用できるフィラリア予防薬を適切に選んで使用するということが必要になります。
参考元:犬のフィラリア症(犬糸状虫症)
フィラリア予防薬の種類と特徴
フィラリアを予防する上で欠かせないフィラリア予防薬。
一口にフィラリア予防薬といっても、現在使われているのは4タイプあります。
- 錠剤タイプ…他タイプよりも安価、飲ませるのに工夫が必要な場合がある。
- チュアブルタイプ…味が付いておやつ感覚で投与することができる。
- スポットタイプ…外用薬タイプで皮膚に垂らすだけで使えて簡単。
- 注射…他タイプと違って1回の投与で1年間効果が持続する。
注射以外の予防薬はネット通販で手に入れて自身で投与することが可能となっています。
注射でのフィラリア予防を行う場合には、動物病院で診察を受けて投与してもらう必要があります。
ただし、動物病院で診察を受けたとしても、猫のフィラリア予防に注射は使うことができないという点に注意が必要です。
参考元:フィラリア予防
フィラリア予防薬の選び方のポイント
フィラリアを予防するための予防薬は4つの種類があると紹介しました。
それぞれに特徴があるので、どのタイプの予防薬を使うのがいいか迷ってしまうということも少なくありません。
そこで、ここからはフィラリア予防薬を選ぶ上でのポイントをいくつか紹介していきます。
予防薬選びのポイントを知ることで、予防薬の選択もスムーズになるので、是非お役立てください。
投薬方法で選ぶ方法
フィラリア予防薬を選ぶポイントとして最初に紹介するのは「投薬方法で選ぶ」というものです。
それぞれのタイプごとに服用のさせ方が違います。
- 錠剤タイプ…口を開かせ口の奥に置いて、口を閉じ喉をさすって服用させる。
- チュアブルタイプ…お薬に味が付いているので餌に混ぜたり、おやつとしてそのままあたえる。
- スポットタイプ…肩甲骨の間の体毛をかき分け、地肌に薬液を滴下する
上記のように投与の方法がちがっているので、愛犬や愛猫に合わせて手間のかからないものを選ぶのがポイントです。
年齢や体重、状態から選ぶ
愛犬や愛猫の体重や年齢に合わせて投与する予防薬を選ぶという方法もあります。
年齢を重ねて飲み込む力が弱ってくると錠剤タイプやチュアブルタイプでの投与が難しくなるという場合もあります。
また、妊娠中や授乳中に投与することができるタイプの予防薬といったものもあります。
妊娠中に使えない予防薬を妊娠しているペットに使うことはペットのために良くありませんし、飲み込む力が弱くなっている子に無理に錠剤を与えても適切に投与できずに予防ができないといったことになるため、今の状態を見た上で投与するフィラリア予防薬の種類を選択するというのは非常に有効です。
成分から選ぶ方法
フィラリア予防薬はフィラリアを予防する作用を持っている治療薬ですが、この予防薬は種類によって配合されている有効成分が違っています。
代表的なフィラリア予防薬の成分はこちら
成分名 |
特徴 |
---|---|
フィラリアの筋細胞の伝達を阻止し死滅させる 副作用が少ない コリー系の犬種には使えない |
|
セラメクチン |
神経活動を抑制して麻痺させて死滅させる ノミ・ダニに対しても効果を発揮する |
モキシデクチン |
フィラリアを麻痺させて死に至らしめる 比較的副作用が少ない |
ミルベマイシン |
フィラリアに非痙攣性の麻痺を誘発し死滅させる 犬回虫および犬鉤虫にも効果がある |
有効成分Aの予防薬を投与した時は副作用があらわれてしまったという時には、有効成分Bの予防薬を投与してみるといったことは効果的だったりします。
別の成分を試して、愛犬や愛猫に合った成分のものを投与してあげられれば、副作用のリスクなく安心してフィラリアの予防を行うことが可能です。
参考元:フィラリア症について
フィラリア予防以外の効果から選ぶ
フィラリア予防薬の中には、フィラリア以外の寄生虫に対して効果を発揮する種類もあります。
前述の成分でも紹介したように、フィラリア以外のノミやマダニに対して効果を発揮するような予防薬であったり、回虫や鉤虫に対して効果を発揮するような予防薬もあります。
そのため、フィラリア以外の寄生虫に寄生される可能性があるといったような環境でペットを飼育しているというような場合には、フィラリア以外の寄生虫に対しても効果を発揮してくれるような予防薬を選択するというのはひとつのポイントといえます。
価格から選ぶ
フィラリア予防薬を選ぶポイントをいくつか紹介してきましたが、最後に紹介するポイントは価格で選ぶという方法です。
フィラリアの予防は蚊の発生している期間の間継続して行う必要があります。そのため、費用的な部分も考慮した上で予防薬を選択することは大切です。
上記で紹介してきたようなポイントを考慮した上で、予防薬をいくつかに絞り込んだうえで、最後の一押しとして価格で選ぶといった方法は効果的といえます。
基本的に、どの予防薬もフィラリアを予防してくれるという効果には変わりはないので、費用面も予防薬選びのひとつの大きなポイントといえます。
投薬方法で選ぶ場合の代表的なフィラリア予防薬
フィラリア予防薬を投薬方法で選ぶ時の参考として、錠剤タイプ、チュアブルタイプ、スポットタイプそれぞれの代表的な予防薬を紹介していきます。
どのような治療薬であるのかを適切に把握した上で適切にフィラリア予防薬を選択するようにしましょう。
ここで紹介するのは代表的な予防薬1つだけなので、さまざまな選択肢を考慮して選択するようにしてください。
「フィラリアの予防にかかる費用はどれくらい?選ぶ方法で費用が大きく変わる!」ではフィラリア予防薬の費用に関する情報をまとめていますので合わせてお役立てください。
錠剤タイプ「ミルプラゾン」
錠剤タイプの代表的なフィラリア予防薬は「ミルプラゾン」です。
こちらはスロベニアに本拠を置く世界的なジェネリック医薬品メーカーが製造・販売しています。
有効成分として配合されているのはミルベマイシンオキシムとプラジクアンテルの2種類で、フィラリアだけでなく条虫等に対しても効果を発揮してくれるオールインワンタイプの予防薬です。
価格は小型犬用が2錠で3,460円(1錠あたり1,730円)となっています。
チュアブルタイプ「ネクスガードスペクトラ」
チュアブルタイプの代表的なフィラリア予防薬は「ネクスガードスペクトラ」です。
こちらはベーリンガーインゲルハイムが製造・販売している予防薬で、牛肉風味が添加されておりスムーズな投与が可能となっています。
有効成分はミルベマイシンオキシムとアフォキソラネルのふたつで、ミルベマイシンオキシムがフィラリアに、アフォキソラネルがノミやマダニに対して効果を発揮します。
ひとつで複数の寄生虫に対して効果を発揮します。
価格小型犬用が3錠で8,760円(1錠あたり2,920円)となっており、錠剤タイプより少し高価になっています。
スポットタイプ「レボリューション」
最後に紹介するのがスポットタイプです。こちらの代表的なものが「レボリューション」です。
こちらはアメリカのペットや家畜用の医薬品を多数手がける世界最大の製薬会社であるゾエティスが製造・販売しています。
セラメクチンが有効成分として配合されており、フィラリアやノミ・耳ダニなど複数の寄生虫に対して効果を発揮します。
価格は小型犬が3本で6,960円(1本あたり2,320円)となっています。またこちらは猫用の予防薬も販売されています。
フィラリア以外の駆除効果で選ぶ場合の代表的なフィラリア予防薬
予防薬のタイプごとの代表的なものを紹介しましたが、次にフィラリア以外への駆除効果で選ぶという場合の代表的な予防薬を紹介していきます。
フィラリア以外の寄生虫対策をする場合、本来であれば、フィラリア予防薬と他の寄生虫予防薬を投与する必要がありますが、こちらはひとつで済ませることができたりします。
そのため、フィラリアだけでなくさまざまな寄生虫の予防も同時に行いたいという場合には、こちらで紹介する予防薬も選択肢の一つといえます。
ノミ・マダニ・回虫などの駆除ができる「アドボケート」
ノミやマダニ、回虫の駆除をフィラリア予防と一緒に行いたいと考えた場合に役立ってくれる代表的な予防薬が「アドボケート」です。
こちらは国内でも知名度の高い製薬会社であるバイエルが製造・販売しているスポットタイプの予防薬です。
有効成分として配合されているのはモキシデクチンとイミダクロプリドです。モキシデクチンがフィラリアを死滅させ、イミダクロプリドがノミなどを駆除します。
こちらのアドボケートの価格は小型犬用だと3本で5,660円(1本あたり1,886円)となっています。
回虫・鉤虫や腸内寄生虫の駆除ができる「インターセプターSチュアブル」
フィラリアと回虫や鉤虫の予防を同時に行いたいと考えた場合に役立つ予防薬の代表は「インターセプターSチュアブル」です。
こちらは、世界で3番手に位置するアメリカの動物用製薬会社であるエランコが製造・販売するチュアブルタイプ予防薬となっています。
ミルベマイシンオキシムとプラジクアンテルが有効成分として配合されており、フィラリアだけでなく犬回虫や犬鉤虫、犬鞭虫などに対しても効果を発揮してくれます。
価格は小型犬用は6錠で9,960円(1錠あたり1,660円)となっています。
投与方法と価格の安さで選ぶ場合の代表的なフィラリア予防薬
フィラリア予防薬について、予防薬の種類やフィラリア以外への駆除効果などで代表的な予防薬を紹介してきました。
ここまでにもさまざまな種類のフィラリア予防薬を紹介しましたが、最後に価格の安さという点で選ぶ場合の代表的なものを紹介してきます。
価格でフィラリア予防薬を選択しようと考えている場合には、是非こちらも参考にしてみてください。
チュアブルタイプで最安値「ストロングハートプラス」
チュアブルタイプで最も安価なフィラリア予防薬なのは「ストロングハートプラス」です。
こちらはインドに本拠を置くペット用の医薬品メーカーであるサヴァ・ヴェットが製造・販売しているフィラリア予防薬です。
有効成分にはイベルメクチンとピランテルが配合されています。イベルメクチンやピランテルは抗線虫作用をもっており、投与することでフィラリアなどを予防することができます。
フィラリア以外の寄生虫に対しても効果を発揮するオールインワンタイプとなっており価格は小型犬用が6錠で3,360円(1錠あたり560円)と非常に安価です。
スポットタイプで最安値「プリノケート」
スポットタイプのフィラリア予防薬の中で最も安価なのが「プリノケート」です。
こちらは錠剤タイプの代表的な予防薬として紹介したミルプラゾンと同じメーカーが製造・販売しているスポットタイプのフィラリア予防薬です。
モキシデクチンとイミダクロプリドが有効成分として配合されており、フィラリアとノミ・ダニに対して効果を発揮してくれます。
価格は小型犬用のものが3本入りで3,860円(1本あたり1,254円)となっています。
まとめ
こちらのページではフィラリアを予防する上で誰もが通る道であるフィラリア予防薬選びについて紹介してきました。
どのようなフィラリア予防薬が合って、どの予防薬を選べばいいのか?
わからないことが多いからこそ、適切に予防薬選びのポイントを把握した上で適切なものを選ぶようにしましょう。
このフィラリア予防薬選びひとつで、継続での投与が容易になったり難しくなったりする場合もあるので、把握しておくようにしましょう。
フィラリア予防をするかしないかによって、ペットの寿命は数年単位で変化することも珍しくありません。
愛犬や愛猫と笑顔にあふれた毎日を一日でも長く送る。
そのためにも、フィラリア予防を行うようにしましょう。
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