フィラリア予防薬の種類と選び方まるわかり!チュアブル・錠剤・スポット・注射を徹底比較
「フィラリア予防薬の種類が多くて、どれを選べばいいかわからない」
「うちの愛犬に合うフィラリア予防薬はどれ?」
そんなお悩みをお持ちの方は注目!
フィラリア予防薬には、チュアブル、錠剤、スポットなど複数の種類があり、それぞれに特徴があります。
また、有効成分によっても効果や使用できる犬種が異なるため、愛犬に合った予防薬を選ぶことが重要です。
この記事では、フィラリア予防薬の種類を投与方法別・有効成分別に詳しく解説し、愛犬に最適な予防薬の選び方をご紹介します。
目次
フィラリア予防薬の種類【投与方法別】

フィラリア予防薬は、投与方法によって大きく4つの種類に分けられます。
まずは全体像を把握しましょう。
| 種類 | 投与方法 | 頻度 | 主なメリット | 主なデメリット |
|---|---|---|---|---|
| チュアブル | 食べさせる | 月1回 | おやつ感覚で 非常に簡単 |
他と比べると やや高価 |
| 錠剤 | 飲ませる | 月1回 | コストが 抑えられる |
飲ませる工夫が 必要 |
| スポット | 首に垂らす | 月1回 | 吐き戻しの 心配なし |
数日間は シャンプーNG |
| 注射 | 筋肉注射 | 年1回 | 1年間有効 投与忘れなし |
まれに副作用の リスクがある |
この表を見ると、どのタイプも一長一短あることが分かります。
「錠剤はシンプルな剤形だから安い」
「注射は病院で接種できるので楽」
と単純に決めるのではなく、愛犬の性格や体質、生活環境を考えて選ぶことが大切です。
それでは、各タイプの詳細を見ていきましょう。
チュアブル(おやつ)タイプ
チュアブルタイプは現在、最も多くの飼い主さんに選ばれているフィラリア予防薬です。
ビーフや鶏肉などのフレーバーがついているため、おやつ感覚で喜んで食べてくれる犬が多く、投与の手間がほとんどかからないのが良いですね!
こんな犬・飼い主さんにおすすめ!
このタイプが特に向いているのは、食いしん坊な犬や、薬を飲むのが初めての子犬です。
おやつが大好きな犬なら、「薬の時間」が楽しみな時間になるかもしれませんね!
また、毎月の投与を簡単に済ませたいという飼い主さんにもおすすめです。
メリット・デメリット
チュアブルタイプを選ぶ前に、メリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。
- メリット
-
おやつ感覚で食べてくれるため、投与が簡単
失敗が少なく、確実に食べさせられる
食いつきが良い犬が多い
- デメリット
-
価格がやや高め
大豆などの原材料にアレルギーがある犬は要注意
吐き出してしまう可能性がある
フレーバーが合わない犬もいる

特に注意したいのは、食物アレルギーですね。
大豆や小麦などが含まれている商品もあるため、アレルギー体質の犬の場合は、成分表をよく確認してから選びましょう。
代表的な商品
■ネクスガードスペクトラ
フィラリアだけでなく、ノミ、マダニ、消化管内寄生虫も同時に予防できるオールインワンタイプです。
最も人気のあるチュアブルで、多くの動物病院でも推奨されています。
■キウォフハート
フィラリアと消化管内寄生虫を予防できる商品で、チュアブルタイプの中では安価な部類に入ります。
コストを抑えたい方におすすめです。
錠剤タイプ
普段、私たちが飲む一般的な錠剤と同じような形状のタイプで、以下のように投与します。
- 1ヶ月に1回、1錠を投与する
- フードやおやつに混ぜる
- 喉に直接入れて飲ませる
投与にはやや手間がかかりますが、1錠あたりのコストが比較的安い傾向にあるのは大きなメリットです。
こんな犬・飼い主さんにおすすめ!
「食物アレルギーがある」
「注射を異常に怖がるのでフィラリア注射はできない」
「皮膚がデリケートなのでスポットタイプは使いたくない」
そのようなペットに対して使いやすいのは、錠剤タイプの大きな強み!
また、飼い主さんとしては安価に購入できるという点は見逃せないですね。
特に大型犬の場合、チュアブルタイプとの価格差が大きくなるため、錠剤タイプを選ぶメリットが増します。
メリット・デメリット
- メリット
-
価格が安い
フレーバーがないので、食物アレルギーでも使える
- デメリット
-
飲んでくれないことがある
吐き出す可能性がある
喉の奥に直接入れて飲ませるのは慣れが必要

錠剤を上手に飲ませるコツは、好きなおやつやチーズに包んで与えることです。
それでも飲んでくれない場合は、無理せず他のタイプを検討しましょう。
代表的な商品
■コンフォティスプラス
フィラリア、ノミ、ダニ、さらに消化管内寄生虫(回虫、鉤虫、鞭虫)を予防できる錠剤タイプです。
効果範囲が広く、複数の寄生虫を一度に予防したい方に適しています。
スポット(スポットオン)タイプ
スポットタイプは、薬液を皮膚に滴下し、有効成分を体内に浸透させるタイプです。
1ヶ月に1回、ピペット(スポイト状の容器)1本分の薬液を首の後ろ(肩甲骨の間)に垂らすだけで投与が完了します。
こんな犬・飼い主さんにおすすめ!
飲み薬(チュアブル、錠剤)をなかなか飲んでくれない犬、吐き戻しが多い犬には使いやすいでしょう。
確実に投与したい飼い主さんも要注目!月に1回、首の後ろに垂らすだけで、投薬にかかる時間はほんの数秒です。
メリット・デメリット
- メリット
-
投与が比較的簡単
錠剤を飲めない犬でもOK
吐き戻しの心配なし
- デメリット
-
投与後2〜3日はシャンプーNG(※)
皮膚が弱い犬は注意が必要
投与部位を舐めないよう注意

(※)ただし、セラメクチンを有効成分とするレボリューションなどは、投与後2時間程度でシャンプーOKとなります!
代表的な商品
■レボリューション
フィラリア、ノミ、ミミダニ、回虫を予防できる定番商品です。
動物病院でも広く使用されており、信頼性の高いスポットタイプです。
■レボスポット
レボリューションのジェネリック医薬品で、効果は同じですが価格が安くなっています。
注射
注射タイプは、年1回の注射で通年予防できるフィラリア予防薬です。
病院に行く手間はかかりますが、毎月予防薬を投与する必要がなく、投与し忘れる心配がありません。
ただし、一度投与すると体内から薬剤を除去できないため、副作用が出た場合の対処が難しいというデメリットがあります。
獣医師とよく相談した上で選びましょう。
こんな犬・飼い主さんにおすすめ!
「投与忘れが心配……」
「毎月の投与が面倒」
そんな飼い主さんに向いています。
特に多頭飼いで毎月の投薬が大変という方は、検討する価値ありといえます。
メリット・デメリット
- メリット
-
年1回で済む
投与忘れの心配なし
長期的な予防が確実
- デメリット
-
費用が高い(10,000~15,000円)
副作用が出た場合の対処が難しい
動物病院に行く必要がある

※注意※
注射タイプは、体重に合わせて投与量が決まるため、成長期の子犬には向いていません。
成犬になって体重が安定してから使用しましょう。
フィラリア予防薬の種類【有効成分】
フィラリア予防薬は、有効成分によっても種類が分かれます。
現在、フィラリア予防薬に使われている成分は「イベルメクチン」「モキシデクチン」「ミルベマイシンオキシム」「セラメクチン」の4つです。
コリー犬種など特定の犬種では使用できない成分もあるため、選び方には注意が必要です。
イベルメクチン
イベルメクチンは、古くからフィラリア予防や寄生虫予防に使われてきた知名度が高い成分です。
無脊椎動物の神経や筋細胞の伝達に対する作用を有しており、シグナル伝達物質である塩化物イオンの結合を阻害して神経や筋細胞の活動を抑制し、麻痺させることによってフィラリアの幼虫を死滅させます。
妊娠中や授乳中であっても投与できるといわれており、予防効果と安全性の両方に優れているのが特徴です。
カルドメックチュアブルやキウォフハートなどのフィラリア予防薬に使われています。
※注意点※
コリー犬種(コリー、シェットランド・シープドッグ、ボーダー・コリーなど)には使用できません。
イベルメクチンは、これらの犬種のMDR1遺伝子変異により神経毒性を示すおそれがあり、重篤な副作用(痙攣、昏睡など)が起こる可能性があります。
モキシデクチン
フィラリアだけでなく、他の寄生虫も駆除したい場合にはモキシデクチンが使われることが多いです。
モキシデクチンは、フィラリアはもちろん、疥癬やミミダニ、その他の線虫類にも駆虫効果を発揮するのが特徴の成分です。
寄生虫に特有のグルタミン酸開口型塩化物イオンチャネルに作用し、塩化物イオンの膜透過性を増加させて、寄生虫の神経や筋肉組織を過分極させて麻痺を引き起こすことによって予防効果を発揮します。
アドボケートやシンパリカ・トリオなどの予防薬に使われています。
参考元:アドボケート®犬用・猫用
ミルベマイシンオキシム
ミルベマイシンオキシムは、オールインワンタイプの予防薬に使われていることがある成分です。
寄生虫の神経細胞や筋細胞における神経伝達作用に障害を引き起こし、弛緩麻痺を引き起こして駆虫効果を発揮します。
また、フィラリアだけでなく回虫や鈎虫に対しても効果があるため、フィラリアと同時にこれらの寄生虫も予防できます。
ミルプラゾンやネクスガードスペクトラなどの予防薬に使われており、フィラリア予防と寄生虫予防を同時に行いたいとお考えの方々に多く選ばれています。
セラメクチン
レボリューションやストロングホールドなど、スポットタイプのフィラリア予防薬に使われていることが多いのがセラメクチンという成分です。
この成分は、節足動物および線虫類のグルタミン酸受容体の塩素イオンチャネルに結合することで、細胞内の塩素イオンの透過性を亢進させて神経活動を抑制し、予防効果を発揮します。
一部の有効成分が使えないコリー系の犬種に対しても毒性を示す心配がなく、安心して使用することができます。
また、セラメクチンは投与方法がスポットタイプにのみ限られているという特徴もあります。
フィラリア予防薬の種類は豊富!選び方のポイントは?
これまで紹介してきたように、フィラリア予防薬は投与タイプ、有効成分によって種類がさまざまです。
ともに暮らしている愛犬に適したものを選ぶのがいちばんですが、初めてだと迷ってしまうことでしょう。
そこで、ここでは「投与タイプ」「有効成分」「体重(サイズ)・年齢」といったポイントごとの選び方をまとめました。
「投与タイプ」で選ぶ
・食いしん坊な犬
チュアブルタイプがおすすめです。
おやつ感覚で食べてくれるため、投与が簡単です。
・薬を嫌がる犬
スポットタイプがおすすめです。
背中に垂らすだけなので、確実に投与できます。
・コストを重視したい
錠剤タイプがおすすめです。
比較的安価に購入できるものが多いです。
・投与が面倒な方
注射タイプがおすすめです。
年1回で済むため、投与忘れの心配がありません。
選び方フローチャート
錠剤タイプ
チュアブル
スポット
注射タイプ
「有効成分」で選ぶ
コリー犬種の場合、イベルメクチンは使用禁忌で、セラメクチンが最も安全に使用できます。
なお、モキシデクチン、ミルベマイシンオキシムも通常用量では使用可能ですが、念のため獣医師に相談してください。
コリー犬種以外なら、基本的にどの成分でも使用可能!好きなものを選んで構いません。
「体重(サイズ)・年齢」で選ぶ
フィラリア予防薬は犬の体重に合わせて投与量が決まるため、正確な体重測定が必須です。
特に子犬の時期は体重変化が激しいため、月に1回の投与ごとに体重を測定し、体重に合った製品を選んでください。
体重が増えて次のサイズに移行する時期は、獣医師に相談しましょう。
また、成犬の場合はサイズに合った製品を選びましょう。
たとえばチュアブルタイプのネクスガードスペクトラの場合、「超小型犬用(2~3.5kg未満)」「小型犬用(3.5~7.5kg未満)」「中型犬用(7.5~15kg未満)」「大型犬用(15~30kg未満)」「超大型犬用(30~60kg未満)」と細かく分かれています。
なお、高齢犬の場合、体重に合った製品を選ぶのは同じですが、飲み込む力が弱まるため、チュアブルタイプや錠剤タイプでは誤嚥のリスクがあります。
この場合は、スポットタイプがおすすめです。
「副作用」で選ぶ

フィラリア予防薬は基本的に安全ですが、副作用が出ることもあります。
どのタイプでも起こりうる副作用として、次のようなものが挙げられます。
- 食欲不振
- 嘔吐
- 下痢
- 軟便
- 元気がなくなる
- よだれが増える
ただし、ほとんどの場合は一時的なもので、自然に回復します。
タイプ別の副作用
チュアブル・錠剤タイプは、吐き出してしまう可能性があります。
また、チュアブルの場合は食物アレルギーがある犬は注意が必要です。
スポットタイプは、塗布部位の皮膚に赤みや脱毛が出ることがあります。
また、触られるのを極端に嫌がる犬には投与が難しい場合があります。
注射タイプは、注射部位にしこりができることがあります。
また、注射タイプは効果が1年中続くため、副作用が出た場合に対応が難しいという問題があります。
初めて使用する場合の注意点
初めてフィラリア予防薬を使用する場合は、投与後に愛犬の様子を観察できる日を選びましょう。
また、万が一の体調不良に備えて、動物病院を受診できる時間帯に投与することをおすすめします。
投与時のトラブルと対処法
フィラリア予防薬を使っていると、時にはトラブルが起こることもあります。
よくあるトラブルと対処法を知っておきましょう。
薬を吐き出してしまった
投薬後に吐いてしまった場合、どう対処すればいいか迷いますよね。
吐いたタイミングによって対応が変わるので、以下をチェックしてみてください!
投与直後に吐き出した
飲み込む前に口の中から薬を吐き出しただけなら、出てきたものを再度飲ませれば大丈夫です。
ただし、薬が崩れて1回分の全量を投与できなそうなときは、新しい薬を用意しましょう。
投与後3時間以内に嘔吐した
胃の中にあった薬が出てきている可能性があります。
予防に必要な用量が不足することも考えられるため、獣医師に追加投与の必要があるか相談しましょう。
投与後3時間以上経過してから嘔吐した
一般的に、健康な犬の場合、3時間以上経過すれば薬はほとんど吸収されています。
ただし、吐物に薬のようなものがあった場合や、薬の投与前に与えたフードが嘔吐された場合は、念のため獣医師に相談してください。
薬を大量に食べてしまった
チュアブルタイプを置きっぱなしにしていて、愛犬が複数個食べてしまった……そんなトラブルもあり得ます。
コリー犬種の場合
すぐに動物病院へ連れて行きましょう!
過剰投与で重篤な神経症状(運動失調、昏睡、けいれんなど)が起こり、命にかかわる可能性があります。
他の犬種の場合
本来の処方量を超えた量だと、体調不良が起こる可能性があります。
気づいた時点でなるべく早く動物病院へ連絡しましょう。

フィラリア予防薬の仕組み上、まとめて飲んでも翌月以降も予定どおりに薬が必要です!
「今月分と来月分を食べたから、来月は不要」というわけではありません。
次のお薬についても獣医師に相談しましょう。
スポットを塗った部位を気にしている
スポットタイプを投与した後、愛犬が気にして暴れることがあります。
正常な反応
薬液がひんやりするので、ゴロゴロと転がりながら、床に背中や首をこすりつけることがあります。
元気があり、ごはんやおやつに興味を示して食べてくれるようなら、薬が乾いて落ち着くまでおもちゃで遊んだり、おやつをあげたりして、気を紛らわせるのがおすすめ!
異常な反応
以下の症状が出た場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。
- 気にする様子が長時間続く
- 呼吸が荒い
- ぐったりする
- 塗布部位に赤みや脱毛が出る
【Q&A】よくある質問
ここでは、フィラリア予防薬の種類や選び方について、よく聞かれがちな質問にお答えしていきます!
Q.どれがいちばんおすすめ?
A.初めてフィラリア予防をする方で特にこだわりがない場合は、チュアブルタイプから試してみることをおすすめします。
投与が簡単で失敗が少なく、多くの犬が喜んで食べてくれるからです。

もしチュアブルを食べてくれなかったり、アレルギーがあったりした場合は、スポットタイプや錠剤タイプを検討しましょう。
Q.途中で種類を変えてもいい?
A.はい、問題ありません。「チュアブルを使っていたけど、来月からスポットに変えたい」という場合でも、基本的には大丈夫です。
ただし、有効成分が大きく異なる場合は、念のため獣医師に相談しましょう。
また、前の薬の効果が切れてから新しい薬を投与するようにしてください。
Q.複数の種類を併用できる?
A.基本的にはできません。
フィラリア予防薬を複数併用すると、有効成分が重複し、過剰投与になる危険があります。

「チュアブルとスポットを両方使えば、より確実では?」と思うかもしれませんが、これは絶対にNGですよ!
Q.猫にも使える?
A.はい、猫用のフィラリア予防薬もあります。
猫用としては、スポットタイプのレボリューションなどが使用できます。
猫は犬より薬を飲むのが難しいため、スポットタイプが主流です。
Q.妊娠中・授乳中でも使える?
A.多くのフィラリア予防薬は、妊娠中・授乳中の犬にも使用可能です!
ただし、妊娠中は体調が変化しやすい時期なので、妊娠の可能性に気づき次第、獣医師に確認しましょう。

重要なのは、自己判断でフィラリア予防を中断しないこと!
フィラリアは感染後50〜70日経つと成長して予防薬が効かなくなるため、フィラリア症を起こす危険が高まります。
まとめ
フィラリア予防薬の種類や選び方について、あらためてポイントをまとめておきましょう。
- 投与方法:チュアブル、錠剤、スポット、注射の4種類
- 有効成分:イベルメクチン、モキシデクチン、ミルベマイシンオキシム、セラメクチン
- コリー犬種はイベルメクチンが使用禁忌、セラメクチンが最も安全
- 「あげやすさ」「年齢」「体重」などで選ぶのがコツ
迷ったら、まずはチュアブルタイプから試してみることをおすすめします。
それで問題がなければそのまま続ければいいですし、もし合わなければ他のタイプを検討すればOKです。
大切なのは、毎年確実に予防を続けることです。
愛犬の健康を守るために、自分に合ったフィラリア予防薬を見つけてくださいね。





