フィラリア予防注射(プロハート12)とは?メリット・デメリット・費用を徹底解説

フィラリア注射にデメリットはない?フィラリア注射と予防薬ではどっちがいい?「毎月の飲み薬を忘れてしまう」
「投薬のたびに愛犬が嫌がって困る」

そんな悩みを抱えている飼い主さんに選ばれているのが、年1回の注射で済むフィラリア予防です。
 
この記事では、フィラリア予防注射のメリット・デメリット、費用、副作用、接種条件まで詳しく解説します!
注射と飲み薬のどちらを選ぶべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

 

フィラリア予防注射(プロハート12)とは?

ゾエティスフィラリア予防注射は、動物用医薬品メーカーのゾエティス・ジャパン社が製造する「プロハート12」という薬剤を使用します。
この注射を1回接種するだけで、12ヶ月間のフィラリア予防が可能です。
(※以前は6ヶ月間有効なタイプの注射薬も販売されていましたが、現在は12ヶ月タイプが主流となっています)
 
プロハート12の有効成分はモキシデクチンで、注射した部位に薬剤が貯留され、そこから少しずつ体内に浸透していく仕組みです。
この持続的な効果により、1年間に渡ってフィラリアの幼虫を駆除し続けます。
 
なお、接種できるのは、1歳以上の健康で体重が安定している犬です。
初めてフィラリア予防注射を受ける場合は、事前にフィラリア検査を受けて、感染していないことを確認する必要があります。
検査で陰性が確認できれば、安全に接種できます。
 
また、プロハート12は犬専用の予防薬であり、猫への有効性や安全性は確認されていないため、猫には使用できません。
猫のフィラリア予防には、スポットタイプや経口タイプの予防薬を使用してください。
 
猫のフィラリアについては「感染してからでは遅い!愛猫のためにできるフィラリアの予防を徹底しましょう!」という記事でも詳しく解説しています!

参考元:Q&A|ゾエティス

 

どっちがいい?フィラリア注射VSフィラリア予防薬

フィラリア注射が登場して以降、これを導入する動物病院は増えています。
しかし、従来のスポット(滴下)タイプやチュアブル(おやつ)タイプのフィラリア予防薬と比べてどっちがいいか、迷う方も多いはず……。
そこで、ここではそれぞれの特徴をまとめました。

 

とにかく手間をかけたくないなら「フィラリア注射」

次のような方には、フィラリア注射のほうが圧倒的におすすめといえます!

  • 「フィラリア予防はお手軽に済ませたい」
  • 「毎月忘れずに薬をあげなきゃいけないのがプレッシャー」

毎月の投与を忘れてしまいがちな方には、年1回で済む注射が最適です。
飲み薬の場合、月に1回の投与を忘れると、その期間にフィラリアに感染するリスクが生じます。
でも注射なら、投与忘れの心配がありません!
 
「愛犬が薬を嫌がって飲んでくれない」「飲んでもすぐに吐き出してしまう」といった投薬の難しさを抱えている方にも、注射は向いています。
 
ただし、1年が経過したら必ずまた注射しなければならないということはお忘れなく!
 

女医
ちなみに、春先の動物病院は狂犬病ワクチンとフィラリア予防が重なり、たいへん混雑します。
この混雑を避けたい方は、1〜3月の比較的空いている時期に注射を接種することで、待ち時間のストレスを軽減できますよ!

 

少し手間はかかっても「フィラリア予防薬」の方がメリットが多い

スポットオンタイプ、チュアブルタイプといった従来のフィラリア予防薬は、毎月必ず投与しなければならない点がデメリットといえるでしょう。
ただし、安全性という面では、従来のフィラリア予防薬に軍配が上がりそうです。
農水省が管轄する「動物医薬品検査所」が発表している動物用医薬品等データベースで「プロハート」と「ネクスガードスペクトラ」を比較すると、副作用による死亡例はネクスガードスペクトラのほうが低いことがわかります。
 
また、フィラリアだけでなくノミ・マダニ・腸内寄生虫もまとめて予防したい方には、オールインワンタイプの予防薬が最適です。
注射はフィラリアだけしか予防できないので、別途ノミ・マダニ予防薬が必要になりますが、オールインワンタイプを選べば解決です。
主な商品として、ネクスガードスペクトラレボリューションなどがあります。
 
副作用のリスクを最小限に抑えたい方にも、飲み薬がおすすめです。
注射はいったん接種すると12ヶ月間効果が続くため、万が一副作用が出た場合に対処が難しくなります。
しかし予防薬なら、翌月から別の成分を配合した予防薬に切り替えることで対処できます!
 

女医
ちなみに、生後6ヶ月未満の子犬や10歳以上で初めてフィラリア予防をする高齢犬、妊娠中の犬には注射を接種できません。これらの犬には飲み薬を選択します。

 

参考元:注射用プロハート12|動物用医薬品等データベース

参考元:ネクスガードスペクトラ11.3|動物用医薬品等データベース

 

判断のポイント

注射と飲み薬のどちらを選ぶかは、飼い主さんのライフスタイルや愛犬の状態によって異なります。
 
投与忘れが心配な方や投薬が困難な方には注射が向いていますが、オールインワンで予防したい方や初回予防の方には飲み薬が適しています。
 
迷った場合は、かかりつけの動物病院で獣医師に相談し、愛犬に最適な予防方法を選択しましょう。
初年度は飲み薬で様子を見て、翌年から注射に切り替えるという方法もあります。
 

フィラリア注射のメリット

プロハート投与のし忘れがなく、飲ませる手間が不要なフィラリア注射ですが、検査から接種まで一度で完結する点も大きなメリットです。
 
飲み薬をインターネット通販で購入する飼い主さんも増えていますが、注射は必ず動物病院で接種する必要があります。
これはデメリットのように思えるかもしれません(わざわざ病院まで行かなければならない)が、実は大きなメリットでもあります。
動物病院でフィラリア検査と注射接種を同日に行えば、一度の通院で予防が完結するからです。
 
獣医師の診察を受けながら予防できるため、愛犬の健康状態もチェックできます。
何か異常があればその場で相談できる安心感もあります。
 

フィラリア注射のデメリット

メリットが多いフィラリア予防注射ですが、いくつかのデメリットも存在します。
注射を選ぶ前に、これらの点をしっかり理解しておきましょう。
 

1.ノミ・マダニに効かない

フィラリア予防注射の最大のデメリットは、フィラリアの予防しかできないことです。
ノミ・マダニ・腸内寄生虫には一切効果がありません。
 
そのため、注射でフィラリア予防をする場合、別途ノミ・マダニ予防薬を使用する必要があります。
結果として、投薬回数が増えてしまう可能性があります。
 
一方、オールインワンタイプの飲み薬なら、月1回の投与だけでフィラリア・ノミ・マダニ・腸内寄生虫をまとめて予防できます。
投薬の手間を減らしたい方には、飲み薬の方が便利です。
 

2.副作用のリスク

どの予防薬にも副作用のリスクはありますが、注射の場合はいったん接種すると12ヶ月間効果が続くため、副作用が出た場合の対処が難しくなるのが難点です。
 
飲み薬なら、副作用が出た場合に次回から別の薬に変更できますが、注射はそれができません。
 
後ほど詳しく解説しますが、副作用の発生頻度そのものは、混合ワクチンよりも低いとされています。
それでも、副作用のリスクを最小限に抑えたい方には、飲み薬の方が安心です。
 

3.接種できる犬が限られる

実は、フィラリア予防注射はすべての犬に接種できるわけではありません。
次のような犬は接種を控えるべきとされています。

  • すでにフィラリアに感染している犬(絶対NG)
  • 成長期の犬
  • 妊娠中や高齢な犬
  • 持病を持っている犬
  • アレルギーを起こしたことがある犬
  • 重い病気を治療中の犬

ただし、「妊娠中」「疾患がある」という場合、必ずしも絶対に受けられないわけではありません。
動物病院で獣医師に見てもらい、判断を仰ぎましょう。

参考元:フィラリア予防注射|アイビーペットクリニック

 

フィラリア注射の費用

フィラリア予防注射の費用は、犬の体重によって異なります。
ここでは、具体的な費用の目安を見ていきましょう。
 

体重別の費用

フィラリア予防注射の費用は、体重が重くなるほど高くなります。
以下は、東京都の動物病院3軒の平均価格です。
 
体重11kg程度の中型犬の場合、費用の内訳は次のようになります。

項目 費用
初診料 700〜2,200円
検査費用(初回のみ) 1,000〜2,500円
注射費用 7,000〜10,800円
総額 9,000〜14,000円

体重別に見ると、小型犬(体重10kg未満)は10,000円前後、中型犬(体重10〜20kg)は12,000円前後、大型犬(体重20kg以上)は15,000円以上が目安となります。
 
なお、2年目以降は検査費用が不要になることが多いため、注射費用と診察費のみで済みます。
 

参考元:料金表 | マディ動物病院

参考元:予防医療 | 西湘動物病院

 

飲み薬との費用比較

注射と飲み薬では、予防期間によって費用対効果が変わります。
 
9ヶ月間の期間限定予防(4月〜12月)の場合、動物病院で飲み薬(フィラリアのみ)を処方してもらうと総額で9,000円〜12,000円前後です。
一方、注射は検査料等を含めると13,000円〜15,000円前後となるため、短期間の予防であれば飲み薬の方が安く抑えられる傾向にあります。
 
ただし、12ヶ月間の通年予防を行う場合は差が縮まります。
飲み薬は年間で12,000円〜16,000円前後かかりますが、注射は年1回13,000円〜15,000円前後のままです。
つまり、通年予防を前提とするなら、ほぼ同等のコストで手間を大幅に省けることになります。
 
また、オールインワンタイプの飲み薬(フィラリア+ノミ・マダニ+腸内寄生虫)での通年予防を選ぶ場合は話が変わります。
オールインワンは月額2,500円〜3,500円程度かかるため、12ヶ月で30,000円〜40,000円程度です。
この場合、フィラリア注射(約14,000円)とノミ・マダニ予防薬(月1,000円×12ヶ月=12,000円)を別々に組み合わせると総額26,000円程度となり、オールインワンよりも年間で1万円以上安くなる計算です。

  • 手間を優先してオールインワンにする
  • 注射と単剤を組み合わせてコストを抑える

いずれを選ぶか、ライフスタイルに合わせた選択が重要です。
 

女医
わんにゃん薬局では、12ヶ月の通年予防が10,000~12,000円程度で可能ストロングハートプラス(フィラリア予防、犬回虫・犬鉤虫・犬鞭虫などの駆除が可能!)をはじめ、安価なフィラリア予防薬を取り扱っています。ぜひご活用ください!

 

保険は適用されない

フィラリア予防は病気の治療ではなく予防のため、ペット保険の補償対象外です。費用は全額自己負担となります。
動物病院によって料金設定が異なるため、複数の病院で比較検討することをおすすめします。
 

フィラリア注射の副作用

フィラリア予防注射には、まれに副作用が現れることがあります。
接種前に、どのような副作用があるのか理解しておきましょう。
 

主な副作用

フィラリア予防注射で報告されている副作用には、次のようなものがあります。
 
接種後に発熱が見られることがあります。
軽度の発熱であれば1〜2日で治まることが多いですが、高熱が続く場合は動物病院に連絡しましょう。
 
顔や目の周りが腫れるアレルギー反応が出ることもあります。
接種後数時間以内に症状が現れることが多いため、接種当日は愛犬の様子をよく観察してください。
 
最も重篤な副作用がアナフィラキシーショックです。
呼吸困難や虚脱といった症状が現れた場合は、すぐに動物病院に連絡する必要があります。
 
その他、元気や食欲の低下、じんましん、かゆみ、嘔吐、下痢といった症状が報告されています。
 

参考元:フィラリア注射薬の副作用情報

 

副作用の頻度

フィラリア予防注射における副作用の発生頻度は、混合ワクチンよりも低いとされています。
 
アメリカで行われた調査では、約55,000頭に接種した結果、軽度な副作用が64件、アナフィラキシーが23件、死亡例が1件報告されました。
死亡例は約55,000頭に1件という極めて低い確率です。
 
ただし、副作用が出る可能性はゼロではありません。
接種後は愛犬の様子をよく観察し、異常があればすぐに動物病院に相談しましょう。
 

フィラリア注射の注意点

フィラリア予防注射を受ける際には、いくつかの重要な注意点があります。
トラブルを避けるため、以下の点に気をつけましょう。
 

1.ワクチンとの同時接種不可

フィラリア予防注射は、狂犬病ワクチンや混合ワクチンと同じ日に接種できません。
それぞれの注射の間隔を1〜2週間空ける必要があります。
 
これは、万が一副作用が出た場合に、どの注射が原因なのか判断できなくなるためです。
また、複数の注射を同日に行うと体への負担が大きくなり、副作用のリスクが高まる可能性があります。
 
接種の順序は動物病院によって異なります。
「先にワクチンを打ってから1週間後にフィラリア注射」という病院もあれば、「先にフィラリア注射を打ってから2週間後にワクチン」という病院もあります。
 
かかりつけの動物病院で、どちらを先に接種すべきか必ず確認しましょう。
 

参考元:ワクチン接種後の予防薬投与時期について – 博多犬猫医療センター

 

2.接種後は安静に!

注射を接種した当日は、愛犬を安静にさせることが大切です。
 
激しい運動や長時間の散歩は避け、できるだけ家でゆっくり過ごさせましょう。
興奮させるような遊びも控えてください。
 
シャンプーやトリミングは、接種の前日までに済ませておきます。
接種当日や翌日のシャンプーは避けましょう。
 

3.副作用の観察

接種後は、数時間から数日間、愛犬の様子をよく観察してください。
元気や食欲の低下、じんましん、嘔吐、下痢といった症状が見られた場合は、すぐに動物病院に連絡しましょう。
特に接種後2〜3時間は、アナフィラキシーショックが起こりやすい時間帯です。
できれば接種後しばらくは病院の近くで待機するか、すぐに連絡が取れる状態にしておくと安心です。
 

フィラリア予防注射に関するよくある質問

フィラリア予防注射について、よくある質問をまとめました。
 

Q. 注射は何歳から接種できますか?

A. 一般的には1歳以上の成犬から接種できます。
 
生後6ヶ月未満や成長期の犬には接種できません。体重が安定してから接種するのが安全です。
 

Q. 注射を受けられる時期は決まっていますか?

A. 多くの動物病院では、1月から3月の期間に限定して接種を行っています。
 
ただし、病院によっては通年で接種できる場合もあります。かかりつけの病院に確認しましょう。
 

Q. 毎年注射を受ける必要がありますか?

A. はい、毎年1回の接種が必要です。
 
プロハート12の効果は12ヶ月間なので、翌年も予防を続ける場合は再度接種します。
 

Q. 注射を受けた年でもノミ・マダニ予防は必要ですか?

A. はい、必要です。
 
フィラリア予防注射はフィラリアにしか効かないため、ノミ・マダニ予防は別途行う必要があります。
 

Q. 飲み薬から注射に切り替えられますか?

A. はい、切り替えられます。
 
前年まで飲み薬で予防していた場合、翌年から注射に変更できます。
ただし、切り替える際は必ずフィラリア検査を受けてから接種してください。
 

Q. 注射を受けた後に飲み薬に戻せますか?

A. はい、戻せます。
 
効果は注射から12ヶ月後に切れるため、そのタイミングで飲み薬での予防に切り替えることができます。
 

Q. 高齢犬でも注射を受けられますか?

A. 初回の接種時に10歳以上の犬は対象外です。
 
ただし、すでに若いころから注射で予防を続けている場合は10歳を超えても接種できることがあります。高齢犬の場合は、獣医師とよく相談しましょう。
 

まとめ

フィラリア予防注射(プロハート12)は、年1回の接種で12ヶ月間フィラリアを予防できる便利な方法です。
以下に要点をまとめました!

  • 年1回の注射だけで12ヶ月間フィラリアを確実に予防できる
  • 毎月の投薬忘れを防止でき、春の病院の混雑も回避できる
  • ノミ・マダニには効かないため、別途の対策が必要になる
  • ワクチンとの同時接種は不可で、1〜2週間あける必要がある
  • 1歳以上の成犬が対象で、初回が10歳以上の場合は接種できない

注射は便利な一方で「一度打つと成分をすぐには抜けない」という特性があるため、まずは獣医師と愛犬の健康状態をしっかり確認し、納得した上でスマートな予防スタイルを取り入れましょう!
 

女医

フィラリア予防は注射のほかに薬を投与する方法があります。注射が苦手な場合やできる限りコストを抑えたい方はフィラリア予防薬の投与がオススメです。フィラリア予防薬は通販で購入すればかなりコストを抑えることが可能です!