犬や猫の耳疥癬症ってどんな症状があらわれるの?効果的な予防薬も紹介!

今回取り上げるのは犬・猫の「耳疥癬症(みみかいせんしょう)」です。

耳疥癬症は「耳ヒゼンダニ症」とも呼ばれる病気で、人が発症した際は一時的な症状で収まりますが、犬や猫の場合は症状が長く続きます。

特に、お迎えしたばかりの犬・猫はすでに病気にかかっていることがあるため、注意が必要です。

 

ここでは、そんな犬・猫の耳疥癬症について解説します。

効果的な予防薬も紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。

 

耳疥癬症を引き起こすミミヒゼンダニ

耳の中に異物が入った犬

耳疥癬症の原因は、「ミミヒゼンダニ」というダニの一種です。

ミミヒゼンダニは、文字通り耳に寄生することを好むダニで犬や猫の耳に寄生すると、さまざまな症状を引き起こします。

 

まずは、そんなミミヒゼンダニの生態や特徴について解説しましょう。

 

ミミヒゼンダニってなに?

ミミヒゼンダニは、耳穴の入り口から鼓膜までの「外耳道」と呼ばれる部分に寄生するダニです。

体長は0.3mmほどで、犬・猫の耳垢や皮膚の組織液などを養分にして活動し、卵を産みつけます。

ほかのダニと違い、寄生する場所は犬や猫の耳の中だけという特徴があります(ごくごくまれに人の耳に寄生することもありますが)。

 

このような特徴から、「犬の物乞い」を意味する学名「Otodectescynotis」が付けられています。

参考元:犬が耳を痒がる!犬の耳ダニ(耳ヒゼンダニ)感染症の原因・症状・治療・予防方法とは?

 

ミミヒゼンダニの感染経路

ミミヒゼンダニの感染経路は、ミミヒゼンダニに寄生されている動物と接触することとなっています。

  • 野良猫の集まり
  • ペットショップや保護施設
  • ドッグラン
  • 多くのペットが集まるイベント

このような場所に頻繁に出入りしている、あるいは過去にそういった場所にいた犬・猫は特に要注意です。

ちなみに、タヌキなどの野生動物、ミミヒゼンダニの卵に汚染されたペット用品から寄生されることもあります。

 

耳疥癬症(ミミヒゼンダニ症)はどんな症状?

犬や猫が耳疥癬に感染すると、以下のような症状があらわれます。

  • 耳の中に黒い耳垢があらわれる
  • 耳の中が臭う
  • 耳がかゆいため何度も耳を掻く、頭を何度も振る
  • 飼い主が耳を触ろうとすると嫌がる(怒る)

 

また、引っかいた傷に細菌が入ることで二次感染(膿や腫れなど)や斜頸(首が傾いたままの状態になってしまう神経症状)を引き起こすこともあるため、注意が必要です。

 

なお、これらの症状は犬と猫、どちらにも見られます。

 

耳疥癬症かどうか見分ける方法

耳疥癬症になっているかどうか見分けるには、注意深く観察することが大切です。

犬・猫は普段から耳を掻くことがありますが、耳疥癬症を患っていると、普段以上に執拗に耳を掻いたり頭を振ったりするので、この時点で異常に気付くことができるでしょう。

 

もうひとつのポイントは「耳垢」です。

耳を触っても問題なさそうな場合、綿棒やティッシュなどを使って耳の内側の表面を軽くこすってみてください。ミミヒゼンダニがいる場合、黒い耳垢がベッタリと付着します。

 

耳疥癬症の検査

動物病院で行っている耳垢検査では、顕微鏡やビデオオトスコープといった器具を使ってミミヒゼンダニの成虫や卵の有無を確認してくれます。

 

「わざわざ病院なんて……かゆいくらいなら放っておけば治まるでしょ?」

などと思われるかもしれませんが、ミミヒゼンダニはいったん寄生すると自然治癒することはほぼありません。

耳疥癬症と思われる症状が見られたときは、早めに検査を受けましょう。

 

耳疥癬症の治療

ミミヒゼンダニが確認された場合、早急に治療を開始する必要があります。

ここではどういった治療を行うのか、その内容や気になる治療費について解説します。

 

治療方法

まず行うのは、ミミセンヒダニの駆除です。

駆除薬としては、首の後ろに薬液を垂らすスポットタイプの薬が使用されます。

投薬は2~3回に分けて行うのが一般的です。

 

さらに、犬や猫が耳ヒゼンダニに寄生されると細菌感染による外耳炎が起こることが多いため、点耳薬を使って治療します。

その他、洗浄液を使った耳の洗浄も行われます。

参考元:耳ヒゼンダニ症

 

重度の症状の場合は外科治療も

耳疥癬症は、二次感染を引き起こして「耳血腫」などを発症することがあります。

これは耳を掻く、頭を振るといった行為が原因となるもので、耳介の内側に風船のような腫れ物があらわれるという特徴があります。

 

状態によっては、手術が必要になることもあります。

手術の内容は患部の排液、そして耳介にできた空洞を閉じるというもので、症状によっては全身麻酔を使うこともあります。

 

治療にかかる費用は?

通院1回で必要な治療費は3,000~4,000円です。

たとえば治療期間が1ヶ月で、通院回数が4回だった場合には、診察料や耳垢検査、耳処置、駆虫薬、外用薬の処方などを含め、治療費は10,000~20,000円となります。

 

ただし、先ほどお伝えしたような外科手術が必要になった場合、手術・通院にかかる回数は約10回費用は70,000円程度、また手術内容によってはこれ以上(10万円程度)かかることもあります。

参考元:耳血腫

 

耳疥癬症にならないためには予防が大事!

犬や猫を苦しませる耳疥癬症は、なる前の「予防」が大切です。

ここでは、耳疥癬症に効果的な医薬品を3つご紹介します。

それぞれの成分や価格、特徴などをまとめてみました。

いずれもネット通販で手軽に購入することが可能なので、ぜひチェックしてみてください。

 

レボスポット

レポスポット』はスポットタイプのお薬で、ミミヒゼンダニ・ノミといった寄生虫のほか、回虫などの内部寄生虫の駆除、フィラリア予防に効果があります。

有効成分のセラメクチンには寄生虫を麻痺させて死滅させる作用があり、効果的にミミヒゼンダニを駆除できます。

製造を手がけているのは、インドに本拠を置くAslepharmaceuticalsという製薬メーカーです。

また、『レボスポット』は「子犬・仔猫用」「猫用」「超小型犬用」「小型犬用」「中型犬用」「大型犬用」をそれぞれ用意しているという特徴があります。

価格は以下の通りです。

種類

価格

子犬・仔猫用

1箱3本入り3,260円

猫用

1箱3本入り3,760円

超小型犬用

1箱3本入り3,760円

小型犬用

1箱3本入り4,860円

中型犬用

1箱3本入り7,760円

大型犬用

1箱3本入り10,360円

 

 

トロイイヤードロップス

トロイイヤードロップス』は点耳薬タイプのお薬で、犬と猫のどちらでも使用することができます。

ミミヒゼンダニの駆除効果を発揮する成分は、ピレトリンとピペロニルブトキシド。神経を麻痺させて死に至らしめる作用があります。

その他、次のような特徴もあります。

  • 優れた抗菌作用を持つジクロロフェンによって外耳炎の病原菌を死滅させる
  • 炎症やかゆみを抑えるリグノカイン塩酸塩が配合されている

オーストラリアの製薬メーカーであるトロイ・ラボラトリーズが製造を手がけており、価格は1本あたり3,160円となっています。

 

 

 

ストロングホールドプラス

ストロングホールドプラス』は猫用の医薬品で、スポットタイプの医薬品です。

ミミセンヒダニの他にノミ、回虫、鉤虫といった寄生虫駆除に効果があり、フィラリア予防、マダニ駆除もすることができます。

有効成分はセラメクチン、サロラネル。セラメクチンはミミセンヒダニやフィラリアの幼虫、ノミなどの寄生虫駆除に、サロラネルはノミ・マダニの駆除に効果があります。

製造を手がけているのは、日本法人もあるゾエティスという製薬メーカーです。

なお、『ストロングホールドプラス』は「子猫用」「猫用」「大型猫用」の3種類があります。

価格は以下の通りです。

種類

価格

子猫(2.5kg未満)用

1箱3本入り6,260円

猫(2.5~5kg)用

1箱3本入り7,060円

大型猫(5.1~10kg)用

1箱3本入り9,960円

 

 

 

まとめ

今回の記事では、犬や猫の耳疥癬症(ミミセンヒダニ)について、その症状や治療法・予防法についてお伝えしました。

ポイントは、次の通りです。

  • ミミヒゼンダニは犬や猫の耳の中に寄生&産卵する
  • ミミヒゼンダニは放置してもいなくならない
  • 耳疥癬症は早めの治療が重要
  • ミミヒゼンダニは予防が可能

 

特に、ペットショップやシェルター(保護施設)などからやってきた犬や猫はミミヒゼンダニに寄生されていることが多いといわれています。

「耳を掻きすぎている気がする……」

「耳に黒っぽい汚れが付着している……」

そんなときは、迷わずにまずは動物病院に行き、検査を受けましょう。