犬や猫に寄生するノミの種類とは?どんな感染症を引き起こすの?
犬や猫に寄生することで、さまざまな症状を引き起こすノミやダニ。
ノミを介して瓜実条虫などが更に寄生する可能性もあります。
また、ノミやマダニを介して感染症を引き起こす場合もあります。この感染症の中には重度になると命にもかかわるほどの怖いものもあり、適切に対策しておくことが重要です。
そんな、ノミやダニの中でもこちらのページでは犬や猫に寄生するノミの種類について詳しく紹介していきたいと思います。
日本に生息しているノミの種類
人やペットに寄生するノミですが、その種類は全世界で2000種以上ともいわれており、現在日本でも70種類以上のノミが生息しているといわれています。
その中でも代表的な種類は
- ヒトノミ
- ネコノミ
- イヌノミ
- ケオプスネズミノミ
- ヤマトネズミノミ
などがあげられます。
参考元:日本防疫殺虫剤協会
ペットに寄生するノミ
先ほど、日本で生息している代表的なノミについて紹介しました。
ここからはその中でも愛猫や愛犬に寄生するノミとして「ネコノミ」と「イヌノミ」の2種類について詳しく紹介していきます。
ネコノミ
ペットに寄生するネコノミの基本情報はこちら!
名称 |
ネコノミ |
---|---|
イメージ |
|
体長 |
1.5~3mm |
体色 |
赤褐色 |
生息場所 |
カーペット、畳、ソファーなど |
感染症の媒介 |
する |
活発な時期 |
7~8月中旬 |
体長は1.5~3mmと小さくはあるものの、目視でも十分に確認することができる程度の大きさとなっています。
生息場所はペットの寝床やカーペットなどさまざまな場所で、繁殖スピードが非常に速いため、1匹見つけた場合には徹底的な駆除が必要になることも少なくありません。
参考元:ネコノミ|豊島区公式ホームページ
イヌノミ
ペットに寄生するイヌノミの基本情報はこちら!
名称 |
イヌノミ |
---|---|
イメージ |
|
体長 |
2~4mm |
体色 |
褐色 |
生息場所 |
寝具やゴミの中など |
感染症の媒介 |
する |
活発な時期 |
7~9月 |
家庭の中で多くみられるのはネコノミですが、イヌノミもゼロというわけではありません。
ネコノミは猫に、イヌノミは犬に寄生するというのが基本ではありますが、ネコノミが犬に寄生したり、イヌノミが猫に寄生するということは珍しくありません。
また、人を刺すこともあるため、発見した場合には速やかに駆除することが重要です。
参考元:ノミの種類
ノミのライフサイクル
屋内で生息し、犬や猫に寄生するノミについて紹介しましたが、そもそもこれらのノミはどのようなライフサイクルで繁殖するのでしょうか?
- ノミは犬や猫に寄生すると、すぐさま吸血を開始し産卵を開始します。寄生から産卵までの時間は48時間以内といわれており、寄生される=増えると考えて問題ないといえます。
- 産み落とされた卵は犬や猫の住処に落ち、4日程で孵化します。
- 孵化した幼虫は成長しながら2回の脱皮を行って2週間ほどでサナギになります。
- 10日程のサナギの期間を過ごした後に羽化し、成虫となって犬や猫などの宿主を探しだします。
ノミはこうした早いライフサイクルを繰り返すため、寄生に気づいたときには大量に繁殖しているというケースも珍しくありません。
参考元:ノミってどんな生き物?
ノミとダニの違い
犬や猫などのペットに寄生する寄生虫はノミ以外にもダニがいますが、実際にはどのような違いがあるのでしょうか。
一番わかりやすい違いは大きさがあげられます。
ノミの場合1~3mmといった種類や目視が難しいほど小さい種類が多いですが、ダニの場合は大型のものでは10~20mmと非常に大きくなります。
ノミは梅雨から夏に最も活発になりますが、ダニは秋から冬にかけて孵化して活動するため、活発な時期も違っています。
こちらのページでは犬や猫に寄生するダニに関する詳しい情報をまとめています。
ノミに寄生されたらどうなる?
「犬や猫にノミが寄生してしまった…。」
そうした場合には、どのような症状があらわれるようになるのでしょうか?
ここからは実際にノミに寄生されてしまった場合に起きる症状について詳しく紹介していきたいと思います。
愛犬や愛猫に紹介する症状があらわれている場合、ノミに寄生されている可能があるため注意が必要です!
湿疹や痒み
ノミに寄生された場合の最も多い症状というのが、激しい痒みです。
愛犬や愛猫が頻繁に体をこすりつけたり、頻繁に掻きむしったりするようになった場合には、ノミが寄生しているという可能性があります。
更に、繰り返し吸血されたりした場合にはアレルギーとなってしまう場合もあるため注意しておく必要があります。
また、頻繁に掻きむしってしまうことで、傷をつけたり体毛が抜け落ちたりといった症状があらわれてしまうこともあります。
皮膚炎症状
ノミに頻繁に吸血されてしまうことで、アレルギー症状を引き起こしてしまった場合。
少ない数のノミに寄生されるだけでも大きな症状があらわれることがあります。
少ない数で酷い症状があらわれることから、炎症が長期化しやすく完治までに時間がかかりやすいという特徴もあります。
また、重度の場合には貧血などを引き起こす可能性がある点にも注意が必要になります。
参考元:犬のノミ症状・病気
ノミが引き起こす感染症
ノミに寄生されてしまった場合、上記で説明したような症状があらわれてしまいます。
ですが、ノミに寄生された場合には上記のような症状があらわれる以外にも、気を付けなければならないことがあります。
それが「感染症」です。
ここからは、そんなノミを介して感染する可能性がある感染症について紹介していきます。
ペスト(ペスト菌)
ノミが介する感染症の中でも、最も危険な感染症が「黒死病(ペスト)」です。
ペストとはネズミなどのげっ歯類が感染動物となっていますが、そうした動物に寄生して吸血したノミが感染を広げてしまうこともあります。
ペストに感染すると、リンパ節で菌が増殖し、リンパ節組織を壊死させたり膿瘍を形成します。
その結果、リンパ節は大きくはれ上がり、発熱や頭痛などの症状があらわれます。
そのまま進行すると、急激なショック症状や昏睡,手足の壊死など命に危険が及ぶ感染症となっています。
参考元:ペストとは
発疹熱 (リケッチア)
ペストと共に気を付けるべき感染症が「発疹熱(リケッチア)」です。
こちらは感染後1~2週間は無症状ですが、その後は発熱や重度の頭痛、特徴的な発疹などの症状があらわれます。
そのまま発疹熱が進行してしまうと重度の脱力や錯乱などを引き起こすようになり、そこからさらに進行することで壊疽や腎臓の機能不全などを引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
参考元:リケッチア感染症の概要
瓜実条虫症
最後に紹介する感染症が瓜実条虫症です。
これは、瓜実条虫の卵を食べたノミを口にすることで感染する寄生虫症のひとつです。
感染後は無症状のケースも多く、体内で成長後に便と共に片節が排泄されることではじめて感染に気付くというケースも珍しくありません。
無症状な場合もある瓜実条虫症ですが、嘔吐や下痢などの症状があらわれるケースもあります。
ただし、これまでに紹介したペストやリケッチアなどと違って、こちらは命に係わるといったようなことはまずありません。
ノミに寄生されないための対処法
愛犬や愛猫に寄生することによって、さまざまな症状や感染症を引き起こしてしまう可能性があるノミだからこそ、守ってあげたいと考えるのは飼い主として当然のこと!
ここからは、そんなのノミから愛犬や愛猫を守るための対処法について紹介していきます。
適切に対処することによって、愛犬や愛猫に辛い思いをさせることがなくなるので、適切に把握しておくようにしましょう。
予防薬を投与する
愛犬や愛猫をノミから守ってあげるときに最も簡単かつ確実な方法は予防薬の投与です。
犬や猫のフィラリア予防をされる方は多いかと思います。ノミの予防に関しても、予防薬の投与で非常に簡単に行えます。
また、現在ではフィラリアだけでなくノミやダニなどさまざまな寄生虫に対して効果を発揮するオールインワンタイプの予防薬も増えているので、そうしたものを活用してフィラリア予防と一緒にノミやダニの予防を行っている方も少なくありません。

ノミに噛まれないようにするためには対策が重要です!ノミ・ダニの駆除薬は通販で購入することができるので、手軽に対策することができます!
ノミ駆除のために掃除をする
ノミから愛犬や愛猫を守るために薬を使わずにできる対処法は掃除です。
こまめに掃除してあげることで、ノミを駆除することで寄生を防ぐことが可能となっています。
ただし、こちらの方法は予防薬と比べると確実性という点ではどうしても劣ってしまう点には留意しておく必要があります。
寝具やおもちゃを60℃以上のお湯につけ置き洗いしたり、70℃以上の乾燥機にかけたりすることでノミを死に至らしめることができます。
その上で掃除機などを入念にかけることで、死滅させたノミの死骸や卵を取り除く事ができます。
ノミ・ダニ対策として役立つ掃除に関する詳しい情報はこちらでまとめています。
まとめ
こちらのページでは犬や猫に寄生するノミの種類や感染されるとどんな感染症や症状を引き起こしたりするのかといったことについて紹介してきました。
ノミと一口にいってもその種類は豊富で、寄生されると命に危険が及ぶ感染症に感染する可能性もあるため、適切に注意しておく必要があります。
また、犬や猫に寄生するノミは人を刺すこともあるため、感染症のリスクはペットだけでなく人にもあるので、適切に対策を行うようにしましょう。
現在、ノミの対処は予防薬を用いれば非常に簡単にできるようになっているので、犬や猫のフィラリア予防と一緒にノミの予防も進めるようにしてみてはいかがでしょうか。