ノミやダニはとっても危険!ノミやダニのもつ感染症をわかりやすく解説

ノミやダニはとっても危険!ノミやダニのもつ感染症をわかりやすく解説愛犬や愛猫に感染する寄生虫であるノミやダニ。

このノミやダニに寄生されてしまうことで、激しい痒みなどの症状があらわれるというイメージを持っている方は少なくありません。

ですが、ノミやダニに寄生されてしまった場合は感染症の感染リスクもあります。

こちらのページではそんなペットにとって危険なノミヤダニが介する感染症などについて詳しく紹介していきたいと思います。

 

ペットにとって危険な虫

犬や猫などのペットにとって危険な虫は少なくありません。

気を付ければ予防できるものも多いですが、気づかないうちに寄生されているなんていうケースもあるので、定期的に深くみてあげることは非常に大切です。

 

ノミ

ペットにとって危険な虫の代表ともいえるのがノミです。

犬や猫に寄生するノミのほとんどはネコノミですが、イヌノミといった種類もいます。

それらのノミに吸血されることで吸血された場所に皮膚症状があらわれたり、アレルギー症状があらわれたりします。

また、ノミを介して感染するような危険な感染症などもあるため、適切に予防、対処することが重要です。

参考元:ノミについて

 

ダニ

次に紹介するペットにとって危険な虫はダニです。

犬や猫に寄生するダニは屋内で生息している種類と屋外で生息している種類がいます。

屋内で生息しているダニはアレルギー症状を引き起こしたりする可能性があり、屋外で生息しているダニに寄生された場合には、命に係わるような感染症を媒介する可能性があるため注意が必要です。

参考元:ダニを知る

 

最後に紹介する危険な虫がです。

犬や猫を飼う上でフィラリア予防はほとんどの飼い主がされていると思います。

蚊はこのフィラリアを媒介する虫であるため、蚊に刺されることでフィラリア感染のリスクが生まれます。

発生時期は地域によってはほぼ1年中となっているため、地域によっては通年で予防や対策を行う必要がある厄介な虫となっています。

 

ダニが媒介する感染症

ダニはさまざまな感染症を媒介する虫ですが、実際にどのような感染症を媒介するのでしょうか?

ここでは、ダニが媒介する感染症の中でも下記について詳しく紹介していきます。

  • SFTSウイルス感染症
  • 日本紅斑熱
  • 犬バベシア症
  • 猫ヘモバルトネラ症
  • ライム病

各感染症の感染範囲は下記の表の通り

感染症名

SFTSウイルス感染症

日本紅斑熱

×

×

犬バベシア症

×

×

猫ヘモバルトネラ症

×

×

ライム病

×

参考元:ノミ・マダニ・蚊が媒介する主な感染症

 

SFTSウイルス感染症

SFTSウイルス感染症は重症熱性血小板減少症候群とも呼ばれるダニ媒介感染症です。

SFTSウイルスを保有するマダニを介して感染します。

  • 発熱
  • 消化器症状(食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)
  • 意識障害
  • 皮下出血や下血

などの症状があらわれ、最悪の場合では死に至ることもあります。

このSFTSウイルス感染症は犬や猫だけでなく人にも感染する可能性がある感染症であるため、適切に対策をとる必要があります。

参考元:犬・猫のSFTS(重症熱性血小板減少症候群)

 

日本紅斑熱

こちらはリケッチアが原因となって発症する感染症です。

リケッチア症のひとつであり、人にも感染する可能性がある感染症のひとつです。

ペットに感染した場合の症状は不明とされていますが、人に感染した場合

  • 頭痛
  • 発熱
  • 倦怠感

などの症状から始まり、発疹が四肢末端部に多くあらわれます。

参考元:日本紅斑熱

参考元:日本紅斑熱とは

 

犬バベシア症

犬バベシア症はフタトゲチマダニ、ヤマトマダニなどのマダニを宿主として感染する感染症のひとつです。

マダニから犬への感染以外に、人への感染も確認されています。

ただし、健康な人の場合は目立った症状があらわれないということもあります。

犬に感染した場合では

  • 血色素尿
  • 貧血

といった症状があらわれます。

血尿のような赤みを帯びた尿を排泄するという非常に特徴的な症状があらわれる感染症となっています。

参考元:バベシア症

 

猫ヘモバルトネラ症

猫ヘモバルトネラ症は猫伝染性貧血とも呼ばれる感染症で、現在はヘモプラズマ感染症とも呼ばれます。

原因となるのはマイコプラズマと呼ばれる病原体で、これがダニなどの寄生虫を介して感染します。

この猫ヘモバルトネラ症に感染すると

  • 溶血性貧血
  • 黄疸

といった症状があらわれます。

こちらの猫ヘモバルトネラ症は人への感染は確認されていません。

参考元:猫ヘモプラズマ症

 

ライム病

ダニを媒介として感染する感染症として最後にライム病について紹介します。

マダニを媒介として人にも感染する感染症のひとつとなっています。

ペットの場合

  • 食欲不振
  • 発熱
  • リンパ腺腫脹

などの症状があらわれ、症状が進行すると心臓や腎臓などの内臓へ影響を及ぼすこともあります。

参考元:犬のライム病

 

ノミが媒介する感染症

ダニが媒介となる感染症について紹介しましたが、ノミが媒介となる感染症ももちろんあります。

ここからはそんなノミが媒介する感染症である

  • ペスト
  • リケッチア感染症
  • 瓜実条虫症
  • 猫ひっかき症

について紹介していきます。

ノミが媒介する各感染症の感染範囲はこちら

感染症名

ペスト

リケッチア感染症

瓜実条虫症

猫ひっかき症

×

×

参考元:ノミ・マダニ・蚊が媒介する主な感染症

 

ペスト

ノミが媒介する感染症として、もっとも知名度が高いのはやはりペストでしょう。

黒死病として非常に知名度の高いこのペストはネズミなどを媒介とする感染症というイメージを持つ人は少なくありません。

ですが、そうしたネズミを吸血したノミに吸血されることで、感染するリスクがあります。

当然、人にも感染する感染症で、感染してしまうとリンパ節に腫れや痛みを引き起こし、進行すれば高熱や手足の壊死などを引き起こし、最終的には死に至ります。

参考元:ペストとは

 

リケッチア感染症

ノミが媒介する感染症にはリケッチア感染症もあります。

これは、リケッチアが原因となって発症します。

  • 発疹チフス
  • エーリキア症
  • アナプラズマ症
  • Q熱

などが、リケッチア感染症に分類され、人にも感染する可能性があります。

ダニが媒介する日本紅斑熱もこのリケッチア感染症のひとつです。

参考元:リケッチア感染症の概要

 

瓜実条虫症

ノミが媒介する感染症には瓜実条虫症もあります。

瓜実条虫はサナダムシの一種で人にも寄生する寄生虫です。

ノミがこの瓜実条虫の卵を食べ、そうしたノミを猫が食べることで犬や猫に感染します。

この瓜実条虫症の症状はあまりなく、大量に寄生しているような場合は下痢や腹痛、痙攣などの症状があらわれる場合があります。

参考元:瓜実(うりざね)条虫症

 

猫ひっかき症

最後に紹介するノミが媒介する感染症は猫ひっかき症です。

バルトネラ・ヘンセレと呼ばれる細菌が原因となって発症する感染症で

人にも感染する感染症です。

 

蚊が媒介する感染症

ダニ、ノミと媒介する感染症について紹介してきましたので、最後に蚊が媒介する感染症として

  • デング熱
  • フィラリア

を紹介していきたいと思います。

蚊が媒介する感染症でも死に至る可能性もある感染症もあるため注意しておくことに越したことはありません。

蚊の媒介する感染症の感染範囲はこちら

感染症名

デング熱

×

×

フィラリア

参考元:ノミ・マダニ・蚊が媒介する主な感染症

 

デング熱

蚊が媒介する感染症の代表となっているのはデング熱です。

人に感染する感染症であり、犬や猫などのペットへ感染する可能性はありません。

ですが、人に感染してしまった場合

  • 発熱
  • 眼窩痛
  • 筋肉痛
  • 胸部や体幹の発疹

などの症状があらわれます。

また、感染した人の一部ではデング出血熱となり、胸水や腹水、血漿漏出などの症状があらわれ危険な状態に陥る場合があります。

参考元:デング熱とは

 

フィラリア

蚊を媒介として犬や猫ヘと感染するのがフィラリアです。

フィラリアはペットだけでなく人にも感染する感染症で、感染初期は無症状ですが進行すると

  • 腹部の膨張
  • 呼吸困難
  • 元気消失

などの症状があらわれるようになります。

また、フィラリアは進行すると血管内部などを傷つけるため、外科手術などで摘出したとしてもダメージは残り続けるため症状まで全て完治させることが難しくなっています。

参考元:犬のフィラリア症の症状・病気

 

ノミ・ダニ・蚊の感染症にかからないために

ここまでで、ノミやダニ、蚊を媒介としてさまざまな感染症に感染してしまうというリスクがあるのはおわかりいただけたかと思います。

それ故に、ノミやダニ、蚊から自分自身や愛犬や愛猫を適切に守ってあげるということが大切です。

そこでここからは、ノミヤダニ、蚊を媒介とする感染症にかからないようにするためのポイントを紹介していきます。

 

予防薬の投与を確実に行う

ノミやダニ、蚊を媒介として感染する可能性がある感染症から愛犬や愛猫を守るための一番の方法となっているのは予防薬の投与です。

現在では、フィラリアとノミ・ダニ全てに効果を発揮するタイプのオールインワン予防薬が登場しています。

そのため、毎月のフィラリア予防の時にそうした予防薬を選択するだけで、フィラリアと共にこれまでに紹介してきたような感染症の予防にも繋がります。

 

女医

 

予防薬を投与する前に検査を行う

ノミ・ダニ、蚊を媒介として感染する感染症の対策として検査も大切です。

特に、フィラリアについては予防する前の検査は必須となっており、検査を行わずに予防をしてしまうことでアナフィラキシーなどを引き起こしてしまう可能性もあります。

そのため、予防薬を用いて予防を行うという場合には、事前に動物病院などで適切に検査を受けた上で対策を進めるようにしましょう。

 

フィラリア予防薬の投与前に行う検査に関する詳しい情報はこちら

 

家庭でできる対策は「掃除」

ノミやダニなどを介して感染する感染症への対策法として最後に紹介するのが掃除です。

ノミやダニはペットの住処や寝具に生息していることも多いため、こまめに掃除してあげるだけでもノミやダニの予防に繋がります。

ただし、こちらの方法は手軽にできる方法ではあるものの、予防薬などとは違って完全に寄生を防ぐといったことはできない点には注意が必要です。

 

まとめ

こちらのページでは犬や猫へと寄生するノミやダニ、蚊が媒介する感染症やその対策について紹介してきました。

 

ノミヤダニが媒介する感染症はひとつだけではなく複数種あり、感染してしまい重症化してしまうと死に至るケースも珍しくありません。

だからこそ適切に対策することが大切!

こちらのページではノミやダニ、蚊の対策法についても紹介しているので、取り入れることができる対策から着実に対策をして感染症の感染を未然に防ぐようにしましょう!

愛犬や愛猫との健やかで笑顔にあふれる毎日。

そのためには、飼い主のちょっとした心がけが大切になるので、飼ったら飼っただけで何もしてあげないのではなく、感染症の対策など小さなことから気を付けるよウにしましょう。