犬・猫のフィラリア予防薬はノミ・ダニも駆除できる?薬の投与頻度について
犬・猫の病気を予防するのは飼い主の大切な役割です。具体的には、フィラリア予防やノミ・ダニの駆除などいくつかあります。しかし、フィラリア予防薬のなかには、ノミやダニの駆除も可能なものが存在します。
この記事では、フィラリア予防薬のノミやダニへの有効性について解説します。また、予防薬の種類や投与時の注意点についても触れるため、参考にしてください。
フィラリア予防薬でノミ・ダニは駆除できる?
犬や猫のフィラリア予防薬は、フィラリアの感染を防ぐために投与されるのが一般的です。しかし、フィラリア予防薬のなかにはノミやダニの駆除にも効果を発揮するものが存在します。
これらの薬は、フィラリア予防だけでなく、ノミやダニ、さらには内部寄生虫の駆除も可能です。オールインワンタイプとして開発されており、犬・猫の健康管理を簡単かつ効果的に行えます。ただし、すべてのフィラリア予防薬がノミやダニ駆除の効果があるわけではない点に注意が必要です。
また、フィラリア予防薬の特定の成分に対してアレルギー反応を示す犬・猫もいるため、投与する前には獣医師に相談し、適切なフィラリア予防薬を選ぶことが大切です。
犬用のフィラリア予防薬の種類
犬・猫用のフィラリア予防薬には、さまざまな種類があります。それぞれの特徴を理解し、飼っている犬・猫に最適なものを選ぶことが重要です。主な種類としては、錠剤タイプ、チュアブルタイプ、スポットタイプ、注射タイプがあります。それぞれの種類について、以下で詳しく見ていきましょう。
錠剤タイプ
錠剤タイプは、犬・猫の口から投与する最も一般的なタイプのフィラリア予防薬です。錠剤の利点は、正確な量の薬剤を確実に投与できる点にあります。また、保管や持ち運びが容易で、投与方法が簡単な点もメリットとして挙げられるでしょう。
しかし、犬・猫が薬を嫌がり、錠剤を飲ませるのが難しい場合もあります。このような場合、食事に混ぜるなどの工夫が必要です。
また、錠剤が犬・猫の体に合っていない場合、副作用のリスクも考慮する必要があります。ほかにも、錠剤の大きさや形状が犬・猫の口に合わず、飲み込むのが困難になることもあるかもしれません。そのため、犬・猫の大きさや年齢に合わせた錠剤を選ぶことがポイントです。
チュアブルタイプ
チュアブルタイプのフィラリア予防薬は、噛んで食べるおやつタイプの薬です。このタイプの最大の利点は、多くの犬・猫が好む味つけがされていることにあります。そのため、錠剤を飲ませる際の犬・猫へのストレスを最小限に抑えられるでしょう。
ただし、一部の犬・猫には合わない味や成分が含まれている可能性もあります。そのため、飼っている犬・猫の好みや体質を考慮して選ぶことが重要です。チュアブルは、特に若い犬・猫や食欲旺盛な犬・猫に適していますが、過剰に摂取するリスクもあるため、管理には注意が必要です。
スポットタイプ
スポットタイプの予防薬は、犬・猫の皮膚に直接液体を滴下して投与します。このタイプの最大の利点は、犬・猫が口から薬を飲む必要がないことです。そのため、錠剤やチュアブルが苦手な犬・猫に適したタイプの予防薬といえます。
しかし、液体を皮膚に塗布するため、正確な位置に薬を投与する必要があります。薬が乾くまでの間、ほかの動物や人に触れないよう注意が必要です。
また、水遊びやシャンプーのタイミングによっては、薬の効果が減少する可能性もあります。そのため、投与する際には、犬・猫の活動状況を考慮することが重要です。
さらに、スポットタイプの予防薬は、皮膚に直接触れるため、皮膚が敏感な犬には刺激が強すぎる場合があります。投与の際は犬・猫の皮膚の状態を確認し、必要に応じて獣医師に相談しましょう。
フィラリア注射
注射タイプの予防薬は、獣医師による注射で投与されます。このタイプの最大の利点は、一度の注射で約1年 間という長期間にわたって予防できることです。ほかのタイプと異なり、薬の投与を毎月行わずにすむため、忙しい飼い主におすすめです。
ただし、注射する前に獣医師の診察が必要です。また、注射に伴うストレスや副作用のリスクも考慮する必要があります。
また、フィラリア注射は動物病院でしか受けられないため、ネット通販などでは対応できないという点にも注意が必要です。
そのため、注射タイプを選択する際には、犬・猫の健康状態や過去のアレルギー歴など獣医師に相談し、慎重に決定しましょう。
ノミ・ダニの駆除頻度について
ノミやダニの駆除は、犬・猫の健康を守るために重要です。これらの寄生虫は、犬・猫にとって不快なだけでなく、皮膚病やアレルギー反応、さらには貧血を引き起こす可能性があります 。そのため、ノミやダニの駆除は1~3ヶ月ごとに行うことが推奨されています。この頻度は、犬・猫の生活環境や季節、寄生虫の活動状況によって異なるため、獣医師の指導に従って適切に調整することが大切です。
また、ノミやダニの駆除は年間を通じて行うことが推奨されています。温暖な気候の土地では、これらの寄生虫が一年中活動している場合も多く、冬季でも室内での繁殖が見られることがあるためです。一度ノミやダニによる疾患に罹患した場合、治療には時間と手間がかかります。そのため、感染する前の予防が重要です。
ノミ・ダニの駆除もできるおすすめの犬用フィラリア予防薬
ノミ・ダニの駆除も可能な犬用のフィラリア予防薬は、ペットの健康管理をより効率的に行ううえで大変便利です。ここでは、フィラリア予防とノミ・ダニ駆除の両方の効果を持つ、おすすめの犬用の予防薬を紹介します。
フィラリア予防薬は通販サイトで購入することができます!犬用・猫用・犬猫用とあるので適したものを選んでくださいね!
チュアブルタイプ:ネクスガードスペクトラ
ネクスガードスペクトラは、ベーリンガーインゲルハイム社が製造するフィラリア予防薬です。
ネクスガードスペクトラの詳細は以下の通り。
価格(1箱:3錠) |
8,760円~ |
---|---|
有効成分 |
アフォキソラネル ミルベマイシンオキシム |
効果 |
フィラリア予防 ノミ、マダニ、回虫、鉤虫、鞭虫の駆除 |
妊娠中や授乳中の犬への投与 |
不可 |
コリー系の犬種への投与 |
可能 |
子犬への投与 |
生後8週間未満の子犬は不可 体重1.8kg以下の子犬は不可 |
ネクスガードスペクトラは、コリー系の犬種にも投与できますが、成分の安全域が狭いため、正確な用量を厳守することが必須です。
ネクスガードスペクトラは、自然豊かな場所での散歩や他の犬との接触が多い犬、皮膚が敏感な犬に特に推奨されます。
こちらの商品については犬専用となっているため、猫のフィラリア駆除などには使えない点には注意が必要です。
チュアブルタイプ:シンパリカ・トリオ
シンパリカ・トリオは、ゾエティス社製のチュアブルタイプのフィラリア予防薬です。
シンパリカ・トリオの詳細は以下の通りです。
価格(1箱:3錠) |
6,460円~ |
---|---|
有効成分 |
サロラネル モキシデクチン ピランテル |
効果 |
フィラリア予防 ノミ、マダニ、回虫、鉤虫の駆除 |
妊娠中や授乳中の犬への投与 |
不可 |
コリー系の犬種への投与 |
可能 |
子犬への投与 |
生後8週間未満の子犬は不可 |
シンパリカ・トリオは、コリー系の犬種にも投与できますが、モキシデクチンの成分には神経毒性があるとの報告もあるため用量に注意が必要です。
そのため、投与前に獣医に相談し、慎重に投与するようにしてください。
シンパリカ・トリオは、小粒のミートフレーバーで、錠剤が苦手な犬や、ノミやマダニのリスクが高い環境にいる犬に適しています。
前述のネクスガードプラスと同様に犬用の商品のみとなっているので、猫の予防には別の予防薬を用いる必要があります。
スポットタイプ:レボスポット
レボスポットは、Asle pharmaceuticalsが製造するスポットタイプのフィラリア予防薬です。
レボスポットの詳細は以下の通りです。
価格(1箱:3錠) |
3,260円~ |
---|---|
有効成分 |
セラメクチン |
効果 |
フィラリア予防 ノミ、耳ダニ、回虫の駆除 |
妊娠中や授乳中の犬への投与 |
可能 |
コリー系の犬種への投与 |
可能 |
子犬への投与 |
生後6週間未満の子犬は不可 |
レボスポットは、妊娠中や授乳中の犬にも安全に投与でき、コリー系の犬種にも適しています。特に、ダニの駆除が必要ない犬や、耳ダニの問題を抱えている犬、敏感肌の犬にぴったりです。
また、猫用の製品もあるため猫のフィラリア予防などにもお役立ていただけます。
まとめ
犬のフィラリア予防薬のなかには、フィラリアの感染を防ぐだけでなく、ノミやダニ、内部寄生虫の駆除にも効果を発揮するものがあります。
薬の種類としては
- 錠剤タイプ
- チュアブルタイプ
- スポットタイプ
- フィラリア注射
が挙げられ、それぞれに特徴がありました。
そのため、予防薬は犬の健康状態やライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
ノミやダニの駆除は1~3ヶ月ごとに行い、年間を通じての予防が推奨されているので、フィラリアの予防と共にノミやダニの対策も一緒に行うようにしましょう。
犬の健康を守るために、適切な薬の選択と正しい投与方法を理解したうえで予防してあげることで、愛犬や愛猫との笑顔にあふれる毎日をより長く過ごすことにもつなります。