知らないと後悔!?犬猫の虫下しの副作用を正しく理解しましょう!
愛犬や愛猫の健康を守り、飼い主自身の健康も維持するために重要になってくるのが寄生虫対策です。
その中でも忘れないようにしたいのが回虫や鈎虫といった内部寄生虫の対策で、ノミやマダニなどの体外に寄生する寄生虫に比べると、感染してもすぐには気付きにくいという注意点があります。
気付かないうちに愛犬や愛猫への寄生を許していたというパターンもあるため、内部寄生虫は虫下しを使用して定期的に駆除することが推奨されています。
虫下しにはどのような効果と副作用があるのかを知り、愛犬や愛猫にとって適切なものを選んで使用しましょう。
虫下しの効果と副作用は薬によって異なる
愛犬や愛猫の健康を蝕む寄生虫は、非常に多くの種類が存在しています。
虫下しもそれぞれの寄生虫に合わせたものが作られているため、駆除したい寄生虫の種類によって効果がある薬が異なります。
そのため、虫下しの薬を選ぶ際は、愛犬や愛猫がどの寄生虫に感染しているのかを事前に知っておく必要があります。
また、それぞれの薬で効果が違うということは副作用にも違いがあるということなので、そういった部分も考えて慎重に虫下しを選びましょう。
犬猫の虫下し薬の効果と副作用
先ほども触れたように、愛犬や愛猫のための虫下しには多くの種類が存在しています。
対応している寄生虫の種類も異なれば効果や副作用も異なるため、適したものを選ばなければせっかく虫下しを購入してもその恩恵を受けることができません。
代表的な虫下しはどのようなものがあるのか、効果や副作用はどういったものなのか、いくつかご紹介します。
ドロンタール錠
ドロンタール錠はバイエル社から製造、販売されている猫用の虫下しです。
知名度が高い虫下しで、有効成分としてプラジカンテルとパモ酸ピランテルが配合されています。
数ある寄生虫のうち回虫や鈎虫、瓜実条虫、条虫類に対して効果を発揮します。
プラジカンテルは条虫類に対して効果的な成分で、条虫類の筋肉を過剰に興奮させて痙攣を起こす作用と、寄生虫の外皮を破壊して内容物を流出させる作用を有しています。
パモ酸ピランテルには回虫や鈎虫の中枢神経系へ働きかけて痙攣性麻痺を引き起こす作用があり、これら2つの作用によって寄生虫を駆除します。
同じタイプの薬としてドロンタールプラスやキウォフプラスなどの製品も作られています。
ドロンタール錠の副作用
ドロンタール錠に使われている有効成分は安全性が高く、副作用の心配がほとんどありません。
しかし、全く存在しないというわけではなく、場合によっては一過性の流涎や嘔吐などの症状があらわれることがあります。
また、プラジカンテルでは痙攣や不整脈などの症状が、パモ酸ピランテルでは下痢や食欲不振などの症状が報告されているため、これらの症状が引き起こされる可能性もありますので、ご注意ください。
ドロンスポット
ドロンスポットは、ドロンタール錠と同じくバイエル社から製造、販売されている虫下しの1つです。
猫用の虫下しで、国内ではプロフェンダースポットという名称で販売されています。
配合されている有効成分のうち、主に効果を発揮するのはエモデプシドとプラジクアンテルの2つで、回虫や鈎虫、瓜実条虫、条虫類などを駆除できます。
滴下することにより、エモデプシドが線虫類の咽頭ポンプ機能や運動力を抑制して寄生虫を麻痺させ、プラジクアンテルが寄生虫の筋肉の痙攣や収縮を引き起こして駆虫効果を発揮します。
生後7週齢、体重500g以上の子猫から使用できるように作られており、成猫と子猫の両方に安心してお使いいただけます。
ドロンスポットの副作用
猫が薬液を舐め取ってしまった場合、流涎や元気消失、食欲低下などの症状がみられることがあります。
この他にも、一過性の脱毛やそう痒などの皮膚症状も副作用として報告されています。
ごくまれに運動失調や振戦等の軽度かつ一過性の神経障害がみられる場合もありますので、ご注意ください。
また、フィラリア成虫に対しても若干の駆虫効果があるといわれており、フィラリアに感染した状態で使用すると重篤な副作用として塞栓症を起こしてしまうおそれがあるため、ご注意ください。
ミルベマックスフレーバー錠
ミルベマックスフレーバー錠は、エランコ社から製造、販売されている錠剤タイプの猫用の虫下しです。
有効成分としてミルベマイシンオキシムとプラジクアンテルが配合されており、投与することによってそれぞれの成分が回虫や鈎虫、瓜実条虫といった寄生虫に作用します。
ミルベマイシンオキシムがこれらの寄生虫の神経細胞や筋細胞に影響を与えて非痙攣性の麻痺を起こし、プラジクアンテルが寄生虫の筋肉の収縮や麻痺を引き起こすことで死滅させ、愛猫の体内をクリーンな状態で保ちます。
子猫や妊娠中や授乳中の母猫にも投与できるほど安全性が高いのが特徴です。
ミルベマックスフレーバー錠の副作用
軽微な副作用として、一過性の下痢や嘔吐、軟便などの消化器症状が報告されています。
幼若猫への過量投与によって、嗜眠等の全身症状がみられた例も存在するため、幼若猫に投与する際は用量を厳守してください。
また、有効成分であるミルベマイシンオキシムは、犬糸状虫感染犬において呼吸促迫や大静脈症候群等の症状があらわれることがあると報告された成分でもあります。
こういった重篤な副作用がみられる可能性が考えられるため、投与する際はご注意ください。
パラゾール犬猫用
パラゾール犬猫用は、バリンズケリグスヴェタリナリープロダクト社から製造、販売されている犬猫兼用の虫下しです。
線虫類や回虫、鈎虫から始まり、鞭虫や条虫、ジアルジア、蟯虫、肺虫、肺吸虫、円虫、糞線虫と合計11種類もの寄生虫に対して効果を発揮します。
有効成分としてフェンベンダゾールという成分が配合されており、さまざまな寄生虫を麻痺させて活動を停止させ、最終的に死滅させることによって愛犬や愛猫を寄生虫から守ります。
ペットに投与しやすいリキッドタイプの薬のため、直接飲ませるだけでなく食事にも混ぜやすく、手軽に内部寄生虫の定期駆虫を行えます。
パラゾール犬猫用の副作用
主な副作用として嘔吐や下痢、流涎、食欲低下などが報告されています。
この他にも過敏症状や、重い副作用として汎白血球減少などの症状が引き起こされることもありますので、投与する際はご注意ください。
流涎は一過性のものであることが多いため、過度に心配する必要はありませんが、症状が治まらない場合や悪化する場合は速やかにかかりつけの獣医師の診察を受けてください。
パピー&キトゥン・ワームシロップ
パピー&キトゥン・ワームシロップは、トロイ・ラボラトリーズ社が製造、販売する子犬や子猫向けの虫下しです。
有効成分としてクエン酸ピペラジンという成分が配合されており、この成分が子犬や子猫の体内に潜む寄生虫に作用し、神経伝達物質の1種であるアセチルコリンを遮断することで麻痺を引き起こします。
この働きによって寄生虫を死滅させ、排便とともに体外へ排出して子犬や子猫を内部寄生虫から守ります。
主に回虫に対して効果を発揮するのが特徴で、蟯虫に対しても有効性を示すのが特徴です。
同じタイプの薬として現代製薬株式会社から製造、販売されている犬猫用・ピペラックスシロップという製品もあります。
パピー&キトゥン・ワームシロップの副作用
パピー&キトゥン・ワームシロップには安全性が高い有効成分が配合されており、副作用の心配はほとんどありません。
しかし、ごくまれに嘔吐や下痢などの消化器症状が引き起こされる可能性があるため、投与する際にはこういった副作用にご注意ください。
投与後に副作用と思われる何らかの症状がみられた場合は、速やかに投与を中止してかかりつけの獣医師の診察を受けてください。
まとめ
愛犬や愛猫と健康的な日々を送っていくにあたり、寄生虫の駆除と予防は非常に重要なものです。
寄生虫には体外に寄生するものと体内に寄生するものが存在しており、特に体内に寄生するタイプの寄生虫は愛犬や愛猫だけでなく飼い主も被害を受ける可能性があるため、定期的に駆虫することが推奨されています。
しかし、寄生虫の種類は多岐にわたり、その種類によって有効な虫下しも変化してきます。
虫下しを購入する際は、事前にどのような寄生虫が寄生しているのか、あるいは予防したいのかを事前に明らかにしておく必要があります。
また、虫下しの種類によって副作用も変化するため、どのような副作用があらわれるおそれがあるのかを知っておくのも重要です。
虫下しの効果と副作用を正しく把握して適したものを選び、愛犬や愛猫を寄生虫から守りましょう。

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