フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンは同時に接種しても問題ない?
「フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンは同じ日に接種していいの?」
「どれくらい間隔をあければ安全なの?」
などなど……春になるとフィラリア予防と狂犬病ワクチンの接種時期が重なるため、多くの飼い主さんが悩むポイントだと思います。
結論から言うと、フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンの併用は可能ですが、副作用のリスクを考慮してあけることが推奨されています!
この記事では、フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンの同時接種について、間隔の目安、副作用の対処法、子犬のスケジュール例まで詳しく解説します。
目次
フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンは同時に投与・接種できる?

フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンの併用は可能ですが同時の投与・摂取は推奨されていません。
副作用が強くあらわれる可能性があったり、いざ副作用があらわれた場合にどっちの副作用なのか判別が難しかったりするためです。
このような理由で、フィラリア予防と狂犬病ワクチン接種は間隔を空けるべきだといわれています。
どれくらいの間隔をあければいい?
個々の病院の考え方にもよりますが、少なくとも3日以上の間隔を空ける必要があります。
フィラリア注射の場合、どちらを先にするかで決まります。
「フィラリア→狂犬病」なら1週間以上、「狂犬病→フィラリア」なら2週間以上というのが基本です。
一方、自宅でもできる内服薬やスポットタイプのフィラリア予防薬を使用する場合は、3日間以上あけることが推奨されます。
(詳しくは後述します!)

(※ただし、事前に必ずフィラリア検査を受けてくださいね)
【補足】同時投与・接種にはメリットもある?
フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンの同時投与・接種には、実はメリットもあります。
- メリット
-
通院回数が減る
費用が安くなる(病院によっては割引がある)
投与忘れを防止できる
- デメリット
-
副作用が出た場合、原因特定が困難
副作用が増強する可能性がある
通院の手間を減らしたい場合は同時接種も選択肢になりそうですね。
でも副作用のリスクを考慮すると、やはり間隔をあけるほうが安全といえます。
混合ワクチンとの関係
フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンだけでなく、混合ワクチン接種との間隔も重要です。
以下は、いくつかの病院で案内している内容をもとにした目安です。
ただし、これらの間隔も動物病院によって考え方が異なるため、必ず獣医師に確認してください。
【要注意】子犬の初年度スケジュール例
成犬の場合は年1回の狂犬病ワクチンと月1回のフィラリア予防薬だけですが、子犬の場合、初年度は混合ワクチンを2〜3回接種する必要があるため、スケジュール管理が複雑になります。
混合ワクチン、狂犬病ワクチン、フィラリア予防の間隔をすべて考慮しなければならないため、全体のスケジュールを事前に把握しておくことが重要です。
以下は、一般的なスケジュールの例です。
※あくまで一例です。
実際のスケジュールは、愛犬の体調や地域の蚊の発生状況を考慮し、獣医師と相談して決めましょう。
フィラリア予防と狂犬病ワクチンが重要な理由
フィラリア予防薬や狂犬病ワクチンは、愛犬の命を守るために欠かせません。
特に狂犬病ワクチンの接種は最重要事項です。
狂犬病は現代医学で完治させることが不可能であり、致死率はほぼ100%です。また、いったん感染すれば人も犬も命を落とすまで心身の劇症(※)に襲われ続けるという恐ろしい病気です。
(※ウイルスが脳を破壊することによる強い不安や幻覚、喉の激痛・痙攣を伴う恐水症など)
狂犬病ワクチンの年1回の接種が国から義務付けられていることからも、その重要性の高さがうかがえるでしょう。
一方のフィラリアは、人間に感染するケースはまれで、たとえ感染しても軽傷で済みます。
しかし犬の場合、重症化すると治療もできず命にも関わる可能性があるため、適切な予防が必須です。
また、蚊を介して感染するため、毎年感染のリスクがある病気です。
ペットの長寿と健康を守り、すこやかな毎日を送るために、フィラリア予防は欠かせません。
フィラリア予防薬の効果と副作用
フィラリア予防薬は、蚊に刺されることで体内に入ったフィラリアの幼虫を成長する前に駆除することで、フィラリア症の発症を予防します。
そんなフィラリア予防薬には食欲不振や嘔吐、下痢や軟便、皮膚刺激といった副作用のリスクがあります。
また、チュアブルタイプや錠剤タイプを使っている場合、嘔吐で吐き出してしまうと効果が不十分になる可能性もあるため、注意が必要です。
さらに、フィラリアに感染している場合に予防薬を投与すると、アナフィラキシーなどの重大な副作用があらわれることがあります。
そのため、フィラリア予防薬を使用する前には必ずフィラリア検査を受け、感染していないことを確認しましょう。
フィラリア予防をしないとどうなる?
フィラリアの予防をしなかった場合、フィラリアの感染リスクが高まります。
フィラリア症を発症すると、愛犬への負担が大きい治療(手術や駆除薬の投与など)が必要です。
愛犬の年齢や体力によっては治療できない場合もあるので、適切な予防は必須といえます。
なお、屋内飼育の愛犬であってもフィラリアの感染リスクはゼロではないので、屋内飼育でも予防は必須です。
実際、屋外飼育で3年フィラリア予防をせずにいた場合、フィラリア感染率が90%以上になるというデータもあります。
狂犬病予防ワクチンの効果と副作用
狂犬病予防ワクチンを接種することで、体内で狂犬病ウイルスに対する免疫を得ることができます。
免疫ができると、たとえ狂犬病ウイルスが体内に侵入しても速やかにウイルスは排除され、狂犬病の発症を予防します。
ただし、狂犬病予防ワクチンには副作用もあります。
副作用症状には嘔吐や下痢、発熱や痛み、痙攣などがあります。
痙攣以外であれば、症状が軽度でおさまった場合の特別な対処は必要ありません。
ただし、痙攣があった場合には命に関わることもあるので、動物病院を受診してください!
狂犬病ワクチンを受けないとどうなる?
狂犬病ワクチンを受けなければ、狂犬病に感染するリスクが増えますし、犬が狂犬病を発症すると飼い主をはじめとした周囲の人にも感染リスクが生じます。
また、狂犬病ワクチンの接種は国によって義務づけられており、飼い犬に狂犬病予防注射を受けさせなかった場合には20万円以下の罰金の対象となってしまいます。
さらに、ワクチン接種の証明書がなければ、保健所登録などもできません。
投与・接種前後の注意点
フィラリア予防薬や狂犬病ワクチンを安全に投与するために、接種前後の注意点を守りましょう。
投与・接種前の注意点
まずは、体調をチェックしましょう。
元気があるか、食欲があるかを確認してください。
体調が悪い場合は、接種を延期することも検討しましょう。
また、基本的に絶食は不要ですが、動物病院によって方針が異なるため、病院の指示に従ってください。
投与・接種の時間帯は午前中または午後早めの時間がおすすめです。
理由は、副作用が出た場合にすぐに対応できるためです。
投与・接種後の注意点
当日は激しい運動を避け、安静に過ごさせましょう。
また、接種後24時間は体調に変化がないかどうか、愛犬の様子を注意深く見守ってください。
スポットタイプのフィラリア予防薬は、薬液が乾くまでシャンプーを避ける必要があります。
ただし、商品によってはその日のうちにシャンプーできる場合もあります。
また、内服タイプ(チュアブル、錠剤)を選べば当日のシャンプーも可能です。
定期的に健康診断を受けるのが大切!
フィラリア予防薬や狂犬病ワクチンは、愛犬とのすこやかな毎日に必要不可欠です。
しかし、すこやかな毎日を送るためには定期的に健康診断を受けることもお忘れなく!
愛犬を脅かす病気はフィラリア症や狂犬病だけではありません。
たとえば、心臓病は健康診断による早期発見が治療のカギとなります。
犬の心臓病は、症状があらわれた段階ではすでに手遅れに近いケースが多いのです。
「発見が早ければもっと長生きできたのに……」
そんな後悔をしないためにも、毎月のフィラリア予防とともに、数ヶ月に1回や年に1回といったペースで健康診断を受けましょう。
まとめ
フィラリア予防薬と狂犬病ワクチンの投与・接種は、ペットの健康を守るために必要不可欠です。
中でも、狂犬病ワクチンは接種が義務付けられており、接種せずにいると罰金や保健所登録ができない状況になってしまうため、必ず忘れないでください!
フィラリアの予防の義務はありませんが、フィラリア症は寿命にも関わるため、愛犬とのすこやかな毎日を送る上で重要な役割を担うものといえます。
狂犬病やフィラリアはワクチンや予防薬でほぼ確実に防ぐことができるからこそ、飼い主が主体となって適切に愛犬の健康を守ってあげましょう!