愛犬がフィラリアに…余命はどれくらい?虫の寿命5〜6年を待つリスクと延命方法

愛犬がフィラリア症と診断されたら、飼い主として最も気になるのは「あとどのくらい一緒にいられるのか」という余命のことでしょう。
ネット上では「フィラリアの寿命は5〜6年だから、放置すれば自然に治る」という誤解も広がっていますが、これは非常に危険な考え方です。
この記事では、フィラリアという「虫の寿命」の実態と、感染した「犬の寿命」を守るために飼い主が今すぐできることについて、詳しく解説します。
フィラリア症による犬の寿命への影響

フィラリア症を発症した犬の余命は、症状の進行具合や治療の有無によって異なります。
感染初期に適切な対処をすれば、ある程度は余命を延ばすことが可能です。
一方、フィラリア症が進行している場合、寿命はかなり短くなる可能性があります。
特に、適切な治療を受けなかった場合、寿命が短くなる上に急性症状による死に至るリスクも高まります。
そもそも予防の徹底が大事!
ただし、「感染初期に発見する」と言うのは簡単ですが、実際は、手遅れになってから発覚するケースが多いです……。
というのも、フィラリア症は感染初期にほとんど症状が出ないという特徴があるからです。
症状が出るまでには2〜3年かかることが多く、その間、犬の体はじわじわとむしばまれていきます。
症状が出る頃にはすでに病気がかなり進行しており、手遅れになっている場合があるわけです……。
そのため、そもそもフィラリア症を発症しないよう、日ごろからフィラリア予防を徹底することが必須です。
なお、予防せずに過ごすと、フィラリアの感染率は急激に上昇します。
予防しなかった場合の感染率は、1年目で38%、2年目で89%、3年目で92%というデータがあります。
予防をしないと、いつかはほぼ確実にフィラリアに感染してしまうことがわかります。
フィラリア(寄生虫)の寿命は何年?
フィラリア症について語る上で重要なのが、寄生虫であるフィラリア自体の寿命です。
「フィラリアの寿命は何年なの?」「放置すれば自然に死ぬの?」といった疑問を持つ飼い主さんも多いでしょう。
フィラリアの成虫は、犬の体内(心臓や肺動脈)で約5〜6年生きると言われています。
この期間、フィラリアは犬の体内で生き続け、心臓や血管にダメージを与え続けます。
猫の場合、フィラリアの寿命は2〜3年です。
犬よりも短くなりますが、猫は少数寄生でも重篤な症状を引き起こすため、注意が必要です。
フィラリアの成長過程
ここでは、犬に感染したフィラリアがどのような成長過程をたどっていくのか見てみましょう。
1.フィラリア感染~2ヶ月かけて成長
蚊に刺されてフィラリアの幼虫が侵入すると、まず皮下や筋肉で約2ヶ月かけて成長します。
2.感染後3~4ヶ月で心臓へ…
その後、血管に侵入して心臓へ移動を開始します。
感染から3〜4ヶ月後には、心臓・肺動脈に到達します。
3.感染後、約7ヶ月で成虫へ
そして6〜7ヶ月後に成虫に成長し、7〜8ヶ月後からはミクロフィラリア(幼虫)を産み始めます。
この成虫が5〜6年生き続けるのです。
フィラリアの寿命が長いことの問題
フィラリアが5〜6年も生き続けるということは、その間ずっと犬の心臓や肺にダメージを与え続けるということです。
時間が経てば経つほど、ダメージは蓄積され、取り返しのつかない状態になります。
【重要】「放置すれば5〜6年で終わり」ではない!


フィラリアの寿命は5〜6年……
てことは、5~6年ガマンすれば自然に治るのでは?
そんなふうに思われるかもしれません。
しかし、これは非常に危険な誤解です。
放置してはいけない理由
まず第一に、成虫は感染7〜8ヶ月後からミクロフィラリア(幼虫)を産み始めます。
1匹のメスが毎日数千匹のミクロフィラリアを産み、血液中に大量のミクロフィラリアが循環します。
次に、ミクロフィラリアを持つ犬を蚊が吸血すると、その蚊が同じ犬を再び刺すことで、新たなフィラリアが次々と体内に侵入します。
予防薬を使わなければ、フィラリアの数は増え続けるのです。
さらに、最初に感染したフィラリアが5年後に死亡しても、2年目、3年目に感染した新しいフィラリアが残ります。
結局、フィラリアは減ることなく、終わりがありません。
つまり、放置すれば5〜6年で終わるわけではなく、予防せず放置すれば、どんどん増え続け、最終的に心臓が虫だらけになってしまいます。
フィラリア症は治療できる?

フィラリア症を発症したとしても、治療は可能です。
フィラリア症の治療として行われるのは、外科手術での摘出、駆除薬での駆除、対症療法の3つです。
体内に寄生しているフィラリアを直接摘出する外科手術や、駆除薬を用いた方法は、体内からフィラリアを排除するのには効果的です。
しかし、これらの治療法は犬の年齢や体力、フィラリア症の進行状況などによっては選択できない場合もあります。
年齢や体力的に上記の治療が無理と判断された場合は、症状を和らげる対症療法が選択されます。
また、フィラリア症の治療を受けたとしてもフィラリアによって傷つけられた血管や心臓が元に戻ることはありません。
そのため、治療後も生涯にわたっての治療が必要になってしまいます。
フィラリアの寿命を待つ治療法とは?

フィラリアに感染してしまった場合、成虫を駆除する方法もありますが、リスクが非常に高いため、「フィラリアの寿命を待つ」という治療法が選択されることがあります。
ただし、これは「放置」ではありません。
寿命を待つ治療では、まず新たな感染を防ぐことが最重要です。
フィラリア予防薬を継続投与して、新たなフィラリアの寄生を絶対に防ぎます。
これをしないと永遠に増え続けてしまいます。
次に、フィラリアの寿命を短くする試みとして、一部の予防薬(※)を通年投与することで成虫を弱らせ、本来5〜6年の寿命を1〜2年に短縮する方法もあります。
(※モキシデクチンを有効成分とするチュアブル錠やスポットタイプを使用するのが一般的です)
また、咳や呼吸困難などの症状を和らげる対症療法や、心臓の負担を軽減する薬も併用します。
フィラリア予防の重要性

フィラリア症は犬の寿命を短くする可能性があり、発症してしまうと生涯にわたっての治療が必要になります……。
しかし、適切な予防を実施することでほぼ100%防ぐことができます。
だからこそ、フィラリア症は発症してから治療をするのではなく、発症しないように予防することが何よりも大切です。

まとめ
今回の内容を、愛犬の寿命を守るための「3つの重要ポイント」としてまとめました。
フィラリア症は、飼い主さんの手で「ほぼ100%防げる」病気です。
「あの時、予防しておけばよかった」という後悔をしないために、今日から確実なバリアで、大切な家族の未来を守ってあげてくださいね!