ノミが媒介する感染症「瓜実条虫症」を自分で調べる方法や予防方法を解説!
最近、愛猫や愛犬がお尻のほうを気にしている……。
便や肛門の周囲に米粒のようなものが付着していて気になる……そんな悩みはありませんか?
愛猫や愛犬がそのような様子を見せたり、そういった異変がみられたりしたときは、瓜実条虫症に感染してしまっているかもしれません。
瓜実条虫症は人間にも感染するおそれがある病気のため、愛猫や愛犬に感染が疑われる場合は速やかな対処が必要です。
ペットも飼い主も感染するおそれがある瓜実条虫症とはどのような病気なのか、ご紹介します。
瓜実条虫症とは?
瓜実条虫症は、犬や猫といった動物が感染するおそれがある感染症の1つです。
条虫類に分類される寄生虫の1種で、その名のとおり、瓜実条虫という寄生虫に感染することによって引き起こされます。
世界的にもよくみられる代表的な消化管内寄生虫の1つで、身近なところにある寄生虫感染症といえます。
瓜実条虫症には誰が感染する?
瓜実条虫症は、主に猫で多くみられる感染症です。
しかし、猫にしか感染しない病気というわけではなく、犬も同様に感染するおそれがあるため、猫だけでなく犬とともに暮らしている方々も注意が必要です。
また、この感染症は動物と人間の両方が感染する可能性がある人畜共通感染症の1種でもあります。
そのため、愛猫や愛犬だけでなく、飼い主の方々も注意が必要です。
参考元:犬の瓜実条虫について
瓜実条虫症の原因
この感染症の原因は、一言で言うとノミです。
瓜実条虫はノミを媒介して感染する寄生虫で、消化管内に寄生すると、片節という多数の虫卵が詰まった体の一部を宿主の便とともに体外へ排出します。
排出された虫卵は、ノミの幼虫に食べられて体内へ移行し、ノミの体内で感染力をもった状態へ成長します。
そして、瓜実条虫をもったノミが成虫になり、犬や猫、人間がそのノミを飲み込むことによって感染します。
参考元:猫の瓜実条虫の原因
瓜実条虫症の症状
この感染症は厄介な点として、目立った症状が出ない場合もあるといった点があります。
愛猫や愛犬が瓜実条虫に感染してもすぐに気づくことができず、目に見える症状があらわれた頃には大量の瓜実条虫に寄生されてしまっているということもあります。
そのため、少しでも瓜実条虫症と思われる症状や異変がみられたときは、動物病院で速やかに検査を受けましょう。
お尻を擦る
瓜実条虫の片節が動物の体外に排出されるとき、肛門や肛門周辺に違和感やかゆみ、痛みなどが出ることがあります。
それに気にしてお尻を床に擦りつけたり、お尻を気にしたりするといった行動を見せる場合があります。
嘔吐・下痢
大量に瓜実条虫が寄生していた場合は、嘔吐や下痢といった消化器症状があらわれます。
他の感染症にもみられる症状のため、瓜実条虫症と見分けるのは難しいとされています。
【重症の場合】痩せる・血便
寄生数が多く重症化している場合、先ほど挙げた消化器症状のほかにも血便が出る場合があります。
また、脱水や栄養状態の悪化を招き、栄養不良を起こして痩せるといった症状もあらわれます。
下痢や血便が出たときは大量に瓜実条虫が寄生しているため、これらの症状が出たときは速やかに動物病院へ連れていきましょう。
無症状の可能性も
すでに軽く触れているように、瓜実条虫症は目立った症状が出ないこともあります。
というのも、瓜実条虫症は少数の寄生ではほとんど症状を示さないという特徴があり、多くの場合は無症状になります。
そのため、普段から愛犬や愛猫の様子を観察し、少しの異変も見逃さないようにするのが大切です。
瓜実条虫症かどうかを自分で調べる方法
瓜実条虫症は、感染していると便の表面に虫卵や片節が付着している可能性があります。
また、肛門の周囲に米粒やゴマ粒ほどの大きさをした乳白色の片節がみられる場合もあり、こういった点から瓜実条虫症に感染しているか否か調べることができます。
愛犬や愛猫が瓜実条虫症かもしれないと思ったときは、便の表面や肛門周囲をよく観察してみましょう。
瓜実条虫症の予防方法や治療方法
これまで解説したように、瓜実条虫症は少々厄介な特徴を多くもつ感染症です。
場合によっては飼い主も瓜実条虫症に感染してしまうため、かからないよう予防をするのが大事です。
瓜実条虫症の予防にはどのような方法があるのか、感染してしまった場合はどのように治療するのか、ご紹介します。
参考元:瓜実条虫症
瓜実条虫症の予防方法
瓜実条虫症の予防で、もっとも効果的なのがノミの予防です。
ノミダニ駆除薬を定期的に使用してノミを駆除することで、瓜実条虫の中間宿主であるノミを愛犬や愛猫から遠ざけることができ、瓜実条虫症の予防に繋がります。
同時に、飼育環境を清潔に保ってノミが繁殖しにくい状態にしたり、飼育環境中のノミ駆除も行うと、予防効果をさらに高めることができます。
瓜実条虫症の検査
瓜実条虫症の感染が疑われる場合、糞便検査が行われます。
すでに触れているように、瓜実条虫症に感染していると便の表面に瓜実条虫の片節や虫卵が付着している場合があるため、そういったものがないかを調べて診断します。
また、肛門周辺に片節が付着していないか、犬や猫の体表面にノミやノミの糞がないか、確認することで診断することもあります。
瓜実条虫症の治療方法
検査の結果、瓜実条虫症だと確定した場合、投薬治療が行われます。
投薬治療にはプラジクアンテルという成分が配合された寄生虫駆除薬を使用することが多く、この治療薬を投与して犬や猫の体内に寄生している瓜実条虫を駆除します。
また、瓜実条虫症に感染していると同時にノミに寄生されている可能性が高いため、ノミも一緒に駆除します。
ノミによって引き起こされる他の感染症
ノミが原因で引き起こされる感染症は、瓜実条虫症だけではありません。
ほかにもさまざまな感染症がノミによって媒介され、大切な家族である犬や猫の健康を脅かします。
また、ペットだけでなく人間である飼い主の方もノミが媒介する感染症に感染するおそれがあるため、十分気をつけなくてはなりません。
ペスト
この病気は腺ペストと肺ペストに分けることができ、ノミが媒介するのは腺ペストです。
ペスト菌という細菌に感染することによって引き起こされ、ネズミをはじめとした菌を保有するげっ歯類からノミを介して感染が広がります。
腺ペストの場合、感染するとリンパ節炎などの症状が起き、進行していくと敗血症などがあらわれます。
そうして、重症化してしまうと高熱や意識障害などがみられます。
非常に危険性が高く、腺ペストでは死亡率が30~60%になるといわれているため注意が必要です。
参考元:ペストについて
リケッチア感染症
リケッチア感染症は、リケッチアという病原体によって引き起こされる多くの種類がある感染症です。
ノミやシラミ、ダニなどに刺される、あるいはこれらの昆虫の糞が傷口から入ることによって感染します。
発症すると1~2週間ほど無症状の期間が続いたあと、発熱や頭痛、吐き気や嘔吐などがみられます。
こちらも病原性が高いものは危険性が高く、重症になると死亡するおそれがあります。
参考元:リケッチア感染症の概要
まとめ
愛犬や愛猫がお尻を気にしたり、ペットの便や肛門周辺に米粒のようなものが付着したりしていたら、感染が疑われる瓜実条虫症。
瓜実条虫症はノミによって媒介され、感染しても寄生数が少ないうちは無症状のため、感染してもすぐに気づくのは難しい部分がある病気です。
また、ノミは瓜実条虫症以外にも危険性が高い病気を媒介するため、愛犬や愛猫だけでなく、飼い主自身の健康を守るためにも、日頃から予防することが大切です。
ノミダニ駆除薬で愛犬や愛猫のノミ予防をしっかり行い、瓜実条虫症やその他の感染症に感染しにくいようにし、ペットと自分自身の健康を守りましょう。

ノミに噛まれることで感染する可能性のある「瓜実条虫症」。ノミに噛まれる前にしっかりと対策することが大事です!ノミ・ダニの駆除薬を通販で購入しておき予防・対策をしっかりしておきましょう!