犬の耳が赤い!耳ダニ・菌による外耳炎の見分け方と治療法

愛犬の耳が赤い!赤いのはなぜ?考えられる病気と予防方法「うちの犬、耳を触ると異常に嫌がるんです……なんかの病気?」
「よく見ると耳が赤くなってるんです!これ大丈夫ですか?」
 
犬の耳が赤く腫れていると、確かに不安ですよね。
実際、犬の耳が赤い場合は外耳炎を発症していることが多いのですが、放置すると中耳炎・内耳炎へと進行し、最終的には神経症状を引き起こすことも……。
そのため、早期に原因を特定して適切に対処することが大切です!
 
この記事では、耳垢の色やニオイで原因を見分ける方法治療法炎症を繰り返す原因など、知っておくべきポイントをまとめました。

 

犬の耳が赤い原因は耳垢の色・ニオイで分かる!

「犬の耳が赤い」とひとくちに言っても、実は原因によって治療法がまったく異なります。
 
まず耳垢の色・ニオイ・かゆみの強さを確認して原因を特定することこそが、対処の第一歩です。

耳垢の色・特徴 ニオイ かゆみの強さ 疑われる原因
・黒〜茶褐色
・乾燥している
・大量に出る
やや強い 非常に強い 耳ダニ(ミミヒゼンダニ)
・黒〜赤茶
・べったりしている
・湿っている
発酵臭・酸っぱいニオイ 中〜強 マラセチア性外耳炎
・黄色〜白
・液状
・膿
膿のニオイ 細菌性外耳炎
色が薄い ほぼなし 強い
(全体的なかゆみ)
アレルギー性外耳炎(初期)
⚠️

ただし、耳垢だけでの自己診断には限界があります。
できるだけ早めに動物病院を受診してください。
また、動物病院では耳垢を顕微鏡で調べて原因を特定するため、受診前は耳掃除を控えましょう。

 

【耳ダニによる外耳炎】黒い耳垢・激しいかゆみが特徴

耳ダニ症は、ミミヒゼンダニという小さなダニが耳道に寄生することで起こります。
別名「耳疥癬(みみかいせん)」とも呼ばれます。
 
概要をまとめると、以下の通りです。

項目 内容
原因 ミミヒゼンダニ(耳疥癬ダニ)の寄生
感染経路 感染している犬・猫との直接接触。
多頭飼育では特に要注意!
耳垢の特徴 黒〜茶褐色の乾燥した耳垢が大量に出る。
何度掃除しても翌日にはいっぱいになる。
かゆみ 非常に強い。
(後ろ足で激しく耳を掻く・頭を頻繁に振る・耳を地面に擦りつける等)
二次的リスク ・掻きすぎによる外耳炎の悪化
耳血腫(頭を激しく振ることで耳たぶの血管が破れる)

 

耳ダニの治療と予防

動物病院での治療は、耳道の洗浄で耳垢を除去したうえで、駆虫薬を投与するのが基本です。
ミミヒゼンダニは卵→幼虫→成虫のサイクルを繰り返すため、卵が孵化するタイミングに合わせて複数回の投与が必要になります。
 
なお、ダニ駆除効果のある薬を毎月1回投与することで、耳ダニによる外耳炎の発症を予防することが可能です。
 
おすすめは、「レボリューション」などのフィラリア予防も同時に行える薬を使用すること!
毎月のフィラリア予防と同時に耳ダニ予防もできるため、一石二鳥です。
 
レボリューションはセラメクチン配合のスポットタイプで、肩甲骨あたりの皮膚に垂らすだけでフィラリア&耳ダニの駆除・予防が可能となっています。
 

 

【マラセチア菌・細菌による外耳炎】発酵臭・べったり耳垢が特徴

まずマラセチアは、健康な犬の耳にも普段からいる常在菌です。
問題が起きるのは、何らかの原因でマラセチア菌が異常に増殖したときです。
 
以下に、具体的な原因や症状などをまとめました。
 

項目 内容
原因 常在菌であるマラセチア(酵母様真菌)の異常増殖。
(免疫低下・高温多湿・アレルギー等が原因)
耳垢の特徴 黒〜赤茶色のべったりした湿った耳垢。
独特の発酵臭・酸っぱいニオイがする。
かゆみ 中〜強
(耳を掻く・頭を振る等)
なりやすい環境 梅雨・夏などの高温多湿の時期。
垂れ耳の犬種、耳道に毛が多い犬種はなりやすい。

 

細菌性外耳炎

細菌性外耳炎は、マラセチア性外耳炎と同時に発症するケースが多いという特徴があります。
黄色〜白色の液状・膿状の耳垢と膿のニオイが特徴です。
基本的には、抗生剤の点耳薬で治療します。
 
わんにゃん薬局で取り扱っている薬の中では、「スロランイヤードロップス」などが使えます。
マラセチアに効くミコナゾール硝酸塩、殺菌作用がある硫酸ポリミキシンB、強力なかゆみ止めの作用があるプレドニゾロンを配合しています。
 

 

⚠️

点耳薬は原因によって使い分けが必要です。
耳ダニには効きません。
自己判断のみでの使用は症状を長引かせる原因になるため、動物病院で原因を特定してから使用してください。

 

アレルギーが外耳炎の原因を招き寄せる!?

アレルギー(食物アレルギー・犬アトピー性皮膚炎)は、耳に対して2つの悪さを同時に働きます。

直接原因となる
(アレルギー性外耳炎)
・アレルゲン(食物、ハウスダスト等)に反応して耳が炎症を起こす
・菌がいなくても耳が赤くなる
原因菌を招く
(マラセチア、細菌の二次感染)
炎症で耳が熱くなる+皮膚から分泌物が増える
→掻きむしりで皮膚が傷つく
→菌にとって最高の繁殖環境が完成
マラセチア、細菌が爆発的に増殖

このように、アレルギーは犬の耳に炎症を起こす直接原因であるとともに、耳のバリアを壊す「黒幕」といえます。

ポイント
【黒幕】アレルギー
【実行犯】マラセチア、細菌

 

薬で菌を殺しても再発する仕組み

薬で菌を殺しても再発する仕組みアレルギーが黒幕の場合、外耳炎の無限ループが延々と繰り返されます……。
 

アレルギーで耳が炎症→バリア破壊
マラセチア・細菌が爆発的に増殖!
点耳薬で菌を駆除→一時的に改善
でもアレルギーは治っていないので、すぐ①に逆戻り

 

菌を殺すだけでは、このループから抜け出せません。
アレルギー対策を同時に行わない限り、外耳炎は一生繰り返します。

 

アレルギーが黒幕かどうかの見分け方

ここでまとめたのは、今ある外耳炎がマラセチアや細菌による「単なる外耳炎」なのか、アレルギーによって誘発された外耳炎なのか、見分けるためのチェックポイントです。
 

チェックポイント ただの外耳炎 アレルギーが黒幕
外耳炎の再発頻度 治療後は長期間再発しない 短期間で繰り返す
耳以外のかゆみ ほぼない お腹・足先・顔周りにもかゆみがある
季節性 あまり関係ない 季節の変わり目など特定の時期に悪化する

 
つまり、花粉症のように特定の時期に起こり、耳だけでなく体の各所に赤みやかゆみがあり、再発を繰り返す場合は、アレルギーが黒幕になった外耳炎と判断できます。

 

耳ダニ・マラセチア以外の原因

犬の耳が赤くなる原因は、「耳ダニ」「マラセチア・細菌」がツートップです。
一方、それ以外にも知っておきたいケースがあります。
 
特に「耳の外側が赤い」場合は、外耳炎とはまったく異なる病気が疑われるため、どこが赤いかをよく確認することが重要です。

 

耳の内側が赤い原因

耳の内側が赤い場合は外耳炎が起こっていると考えられますが、原因はさまざまです。
たとえば散歩中に草むらへ入った後、急に激しく頭を振り始めた場合は異物(植物の種や虫など)が耳に入り込んでいる可能性があります。
 
また、炎症を繰り返しているのになかなか改善しない場合は、アレルギーだけでなく、耳道内の腫瘍ポリープが原因になっていることがあり、画像検査が必要になることがあります。
さらに甲状腺機能低下症などのホルモン疾患が免疫を低下させ、菌の増殖を促すケースもあります。

 

耳の外側が赤い場合

耳の内側(耳道)ではなく、耳の表面が赤くなっている場合は、外耳炎とは別の病気が疑われます。
 
よく見られるのが、アレルギー性皮膚炎です。
食物アレルギーアトピーが原因で、耳の外側の皮膚が赤くなります。
耳だけでなく、わき・足先・口周りなど体の複数の部位にも同時に症状が出ることが多いのが特徴です。
根本的な治療には、アレルギー対策が必要です。
 
もう一つが耳血腫です。
耳たぶの内部に血液が溜まって膨らむ病気で、外耳炎のかゆみをまぎらわすために激しく頭を振ることが引き金になることがほとんどです。
放置すると耳が変形したり、壊死するリスクがあるため、気づいたら早急に受診してください。

 

外耳炎になりやすい犬種

外耳炎はすべての犬種でかかりうる病気ですが、耳の構造や体質によって特になりやすい犬種があります。
 

なりやすい犬種 なりやすい理由
・コッカースパニエル
・ラブラドール
・ダックスフンド
・ゴールデンレトリーバー
【特徴】 垂れ耳
耳道の通気が悪く、高温多湿になりやすい
・トイプードル
・シーズー
・ミニチュアシュナウザー
・テリア種
【特徴】 耳道に毛が多い
耳道内の毛が通気を妨げ、菌が繁殖しやすい
・コッカースパニエル
・シーズー
【特徴】 皮脂分泌が多い
皮脂がマラセチアのエサになるため、増殖しやすい

 

⚠️

該当する犬種を飼っている方は、症状が出てから受診するのではなく、定期的な耳のチェックと動物病院でのケアを予防的に取り入れることをおすすめします。

 

外耳炎の予防方法

犬の耳が赤くなる症状のうち、特に外耳炎は以下のような方法で予防できます。
 
まず、耳ダニによる外耳炎は毎月1回の予防薬投与で予防できます。
レボリューション」など、フィラリアやノミも同時に駆除・予防できるものがおすすめです。
 
その他、定期的な耳垢チェックなどで早めに発見できるようにしておくのもポイントです。
 

予防策 具体的な内容
ノミ・ダニ予防薬の定期投与(最重要) 月1回のスポットタイプ予防薬(レボリューション等)で耳ダニを予防。
ノミ・フィラリアも同時に予防できる
定期的な耳のチェック 週1回程度、耳垢の色・量・ニオイを確認する。
「黒い耳垢が増えた」「ニオイがある」で早期発見できる。
アレルギー管理 アレルギーを持つ犬は外耳炎を繰り返しやすい。
アレルギーをコントロールする。
垂れ耳・耳毛の管理 耳毛の処理はトリマー・動物病院に依頼する。
自己処理では炎症を悪化させるリスクがある

 

 

よくある質問

Q. 耳が赤いだけで病院に行くべきですか?

A. 耳垢の増加・ニオイ・かゆみを伴う場合は受診をおすすめします。
 
「赤いだけで他に症状がない」場合も、興奮や体温上昇による一時的なものかどうかを見極める必要があります。
翌日も続いているようであれば受診しましょう。

 

Q. 市販の点耳薬を使っても大丈夫ですか?

A. 犬の耳が赤い場合、原因によって使う薬がまったく異なります。
 
耳ダニには駆虫薬、マラセチアには抗真菌薬、細菌には抗生剤が必要です。
間違った薬を使い続けると症状が改善しないどころか悪化することがあります。
動物病院で原因を特定してから使用するのが原則です。

 

Q. 外耳炎は繰り返すものですか?

A. アレルギーが黒幕の場合は繰り返しやすい病気です。
 
点耳薬で菌を一時的に駆除しても、アレルギーが治っていなければすぐに再発します。
繰り返す場合はアレルギー検査を受け、根本的な原因を断つことが重要です。

 

Q. 耳ダニは人間にうつりますか?

A. 人間への感染はまれですが、犬・猫の間では非常に感染しやすい病気です。
 
多頭飼育の場合、1匹が感染したら同居しているすべてのペットを同時に治療・予防してください。
片方だけ治療しても再感染を繰り返します。

 

Q. 耳掃除はどのくらいの頻度でやればいいですか?

A. やりすぎは逆効果です。必要以上に掃除すると耳道を傷つけたり、健康な常在菌まで除去してしまったりすることがあります。
 
耳垢が気になったら入り口付近を軽く拭く程度にとどめ、耳道の奥に綿棒を入れるのは避けてください。

 

まとめ

今回は、犬の耳が赤い原因や対処法などをまとめました。


犬の耳が赤い原因は耳垢の色・ニオイで大まかに見分けられる

2大原因は「耳ダニ」と「マラセチア・細菌」

外耳炎を繰り返す場合はアレルギーが黒幕!アレルギー対策が不可欠

治療は動物病院での耳垢検査で原因を特定してからが安心

耳ダニの予防にはノミ・ダニ予防薬の月1回定期投与が効果的

 
犬の耳の中は、日々のスキンシップではなかなか確認しにくい箇所です。
かゆそうにしていないか、耳垢に異常がないかなど、定期的にチェックしてあげることを心がけましょう!