愛犬の耳が赤い!赤いのはなぜ?考えられる病気と予防方法

愛犬の耳が赤い!赤いのはなぜ?考えられる病気と予防方法愛犬がしきりに耳を気にしたり、首を振ったりするといった仕草をしているのを見たことはありませんか?

こういった様子を見せている場合、耳の中に汚れが溜まっていたり、何らかの症状が起きていたりする可能性があります。

耳の中は普段あまり見ることがないため、目立った異常がでているときはすでに何らかの病気にかかってしまっている場合があります。

こちらのページではそんな愛犬の耳が健康な時はどのような状態であるのかといったことから異常がみられるときはどうすればいいか解説します。

 

愛犬の耳の状態を見る癖をつけましょう!

耳に異物がある犬
皮膚や目などの状態は愛犬と触れ合う中で比較的確認しやすく、何らかの異常が起きているときも早く気付くことができます。

しかし、耳の中は飼い主側が意識して確認しないとそのままになってしまっていることが多く、ぱっと見たときも目につきにくいので症状が起きていても一目で気付くのは難しいです。

特に垂れ耳の犬種は耳の状態を確認しにくく、見ようとしなければどのような状態になっているのか見ることができないことが多いです。

愛犬と触れ合う際に耳の中の状態をしっかり確認する癖をつけ、少しでも早く異常が起きていないか気付けるようにしましょう。

 

犬の耳の健康な状態を知っておこう

犬の耳は、健康な状態だと内側が肌色に近く、耳垢もあまりついていません。

これに対し、耳に異常がある場合は内側の皮膚が赤くなったり、耳垢の量が多かったり、普段と異なる色や気になる臭いがあります。

場合によっては耳が炎症を起こして腫れることもあるため、こういった症状がみられるときは速やかに獣医師の診察を受けましょう。

 

犬の耳が赤い場合に考えられる病気

一言で耳が赤くなっているといっても、耳の内側が赤くなっているのか、外側が赤くなっているのかで、かかっている可能性がある病気が異なります。

治療せずに放置していると危険なものもあるため、愛犬の耳が赤いときはどこが赤くなっているのか、しっかり確認しましょう。

 

耳の外が赤い場合に考えられる病気

耳の外側が赤くなっている場合に考えられる病気のうち、代表的なものはアレルギー性皮膚炎と耳血腫の2つです。

耳の外が赤くなっているような場合はアレルギー性皮膚炎、耳の外が赤いだけでなく腫れてしまっているような場合は耳血腫になっている可能性があります。

 

アレルギー性皮膚炎

耳の外側が赤くなっている原因のひとつであるアレルギー性皮膚炎。

これは食べ物やカビ、ハウスダストなどがアレルゲン(原因物質)となって起きる皮膚炎です。
 
体内に侵入したアレルゲンに対し免疫機能が過剰に反応してしまうことで起きる皮膚炎で、赤みやかゆみ、脱毛や小さな発疹などの症状があらわれます。

細菌の二次感染によって症状が悪化したり、食事性アレルギーの場合は皮膚症状と同時に外耳炎や下痢などの症状を引き起こしたりする場合もあります。

耳以外に脇や足先、口や目の周りなどにも症状があらわれることが多く、犬が体をしきりにかゆがったり舐めたり噛んだりするような行動がみられるときはアレルギー性皮膚炎の疑いがあります。

 

耳血腫

愛犬の耳が赤く腫れてしまっているような場合に考えられる耳血腫は、耳介軟骨周辺の血管が破れて皮膚と耳介軟骨の間に血が溜まって、腫れてしまうものです。

頭を振ったり、耳を頻繁にかくといった耳介への外的な刺激が原因だといわれており、特に外耳炎や中耳炎などの病気が原因となって発症する事例が多いです。
 
発症すると耳が腫れる、頭を振る、耳を頻繁にかく、耳が熱をもっているなどの症状があらわれ、放置すると耳が変形して激しい痛みがあらわれるおそれがあります。

最悪の場合は耳の一部が壊死してしまうおそれがあるため、耳血腫が疑われるときは速やかに動物病院へ連れていきましょう。

アレルギー疾患や自己免疫性疾患などの素因をもっている犬は耳血腫を発症しやすいためご注意ください。

参考元:犬の耳血腫の症状と原因、治療法について

 

耳の内側が赤い場合に考えられる病気

ご紹介したように耳の外側が赤くなっている場合は皮膚炎等の可能性が疑われますが、耳の内側が赤くなってしまっている場合は外耳炎の可能性が考えられます。

しかし、一口に外耳炎といってもさまざまな種類や原因があるため、どのような外耳炎の可能性が疑われるのかしっかり見極めましょう。

 

耳ダニ症

ミミヒゼンダニというダニの1種が寄生することによって引き起こされるのが耳ダニ症です。

別名を耳疥癬ともいい、ミミヒゼンダニが耳の中を動き回って増殖し、さまざまな症状を引き起こします。

発症すると耳道内に茶褐色の耳垢が多量に付着し、耳元をかゆがって足で頻繁に引っ掻いたり頭を振ったり、耳の辺りを触られるのを嫌がったりするといった症状があらわれます。
 
耳掃除を何回行っても耳の穴いっぱいに多量の耳垢が付着するため、そういった場合は耳ダニ症の疑いがあります。

長期化すると耳の中の皮膚が腫れて炎症がひどくなり、細菌やマラセチアの増殖を引き起こしてしまうことがあるので注意が必要です。

 

細菌性外耳炎

数ある外耳炎のうち、細菌が引き金になって起きるのが細菌性外耳炎です。

耳の中に存在するブドウ球菌等の細菌が、高温多湿などをきっかけに過剰に増殖して炎症が起こり、耳の中が赤く腫れて痛みやかゆみなどの症状を引き起こします。
 
急に暖かくなる初夏や真冬の暖房などで増えやすく、アトピー性皮膚炎や脂漏性皮膚炎など全身の皮膚疾患に併発して起こることもあります。

発症すると耳を引っ掻いたり、首を振ったり、耳を床や壁に擦りつけたりするといった様子がみられるようになる他、臭いがする耳垢の付着や頭を斜めに傾けたままにしているなどの症状がみられます。

参考元:犬の外耳炎について

 

マラセチア性外耳炎

皮膚に存在している常在菌のうち、マラセチアという真菌が過剰に増殖することによって起きるのがマラセチア性外耳炎です。

もともと皮脂の分泌が多い体質である犬でみられやすい他、皮膚のバリア機能が低下している場合や高温多湿の環境が引き金になり、皮膚が脂っぽくなったり激しいかゆみを伴う炎症が引き起こされたりします。
 
他にも茶色や黒っぽい耳垢が付着する、独特な異臭がする、外耳道の肥厚などの症状がみられ、完治するまでかゆみが継続することが多いと言われています。

かゆみによって患部をかきむしり、皮膚を傷つけて細菌の二次感染を引き起こしてしまうこともあるので注意が必要です。

参考元:犬のマラセチア性外耳炎

 

アレルギー性外耳炎

何度も再発を繰り返す場合、根本的な原因がアレルギーである場合があります。

アレルギー性外耳炎は、アレルギーの影響によって皮膚のバリア機能が破壊され、外耳炎の耳垢の分泌が増えた結果、皮膚や耳の中にいる常在菌のバランスが崩れて一部の菌が極端に増殖することによって引き起こされます。
 
発症するとかゆみや炎症、場合によっては痛みなどの症状が引き起こされ、耳からの分泌物がさらに増えます。

頭を振る、耳を頻繁にかく、耳介の赤みや多量の耳垢、地面や床に顔や耳をこすりつけるといった初期症状がみられ、症状が重い場合は耳が聞こえなくなるような事態に陥ることもあるので注意しなくてはなりません。
 

愛犬の耳が赤い場合の対処法

愛犬の耳が赤くなっているときに考えられる耳の病気は、ご紹介したようにさまざまなものがあります。

耳の外側と内側のどちらが赤くなっているかによっても対処法が異なるため、正しい方法で対処する必要があります。

 

耳の内側が赤い場合

すでに触れているように、耳の内側が赤い場合は何らかの外耳炎が疑われます。

そのため、動物病院で耳鏡検査や耳垢検査を受けてどういった外耳炎なのかを明らかにし、治療をしていく必要があります。

耳の内側が赤くなってしまっていることがわかってからは、耳垢が付着していても無理に拭き取って清潔にしたりせず、そのままの状態で動物病院へ連れていきましょう。

 

耳の外側が赤い場合

耳の外側が赤くなってしまっている場合は、触診や皮膚検査などの検査を受ける必要があります。

こういった検査で皮膚の状態を確認し、獣医師の指示の下、症状に合わせた治療を進めていきましょう。

また、出血してしまっているような場合以外は特に何もせず、動物病院へ連れて行くようにしましょう。

 

 

耳を清潔に保つために耳の状態確認と耳掃除で予防しましょう!

犬の耳には自浄作用があるため、頻繁に行う必要はありません。

しかし、だからといって耳掃除をせずに放置していると汚れが溜まり、不衛生な状態になって何らかの症状に繋がってしまうおそれがあります。

週に1回、あるいは週に1~2回ほどの頻度で愛犬の耳の状態をこまめにチェックし、耳の手前側が汚れている場合は耳掃除をするようにしましょう。

日頃から耳の状態を確認し、清潔な状態で保っておくことがさまざまな耳の病気の予防に繋がります。

 

まとめ

説明する犬
犬の耳の中は、日々のスキンシップの中で確認しにくい箇所です。

特に垂れ耳の犬種は通気性が悪くなりやすく、気付かないうちに何らかの耳の病気にかかってしまっている場合もあります。

何らかの症状が起きている場合、耳の外側か内側が赤くなったり、耳垢の量が普段よりも多くなったり、色や臭いに異常があらわれたりします。
 
特に耳が赤くなっている場合は、外側が赤くなっているか内側が赤くなっているかでどのような症状が起きているのか変化するため、外側と内側のどちらが赤くなっているかをしっかり確かめましょう。

週に1回程度の頻度で愛犬の耳の状態をチェックし、耳の手前側が汚れている場合は耳掃除をして清潔な状態で保ちつつ、耳が赤くなったり異常がみられたりするときは速やかに動物病院へ連れていきましょう。