猫の胃に腫瘍ができたらどうすればいい?猫の胃の腫瘍の種類や予防方法を解説!
猫の病気にはさまざまな種類がありますが、そうした病気の中には胃の中に腫瘍ができてしまうというものもあります。
更にこの腫瘍にもいくつかの種類があり、良性のものから悪性のものまで幅広く存在します。
こちらのページではそんな猫の胃にできる腫瘍についてどのような種類があるのかといったことから、腫瘍ができてしまった場合にはどうすればいいのかといったことについて紹介していきます。
目次
猫の胃の腫瘍の種類
猫の胃にできる腫瘍にはいくつかの種類があります。
まずはこの腫瘍の種類ごとの特徴やどういった病気なのかといったことについて紹介していきたいと思います。
リンパ腫
猫の胃にできる腫瘍の中でも特に多いのがリンパ腫です。
このリンパ腫の中にもいくつかの種類がありますが、胃にできるリンパ腫はほとんどの場合、大細胞性の経壁型B細胞リンパ腫と呼ばれる悪性ものになります。
このリンパ腫は体をめぐる免疫細胞であるリンパ球が腫瘍化したものであり、リンパ節やリンパ組織などにあらわれます。
リンパ球は全身をめぐっているため、全身で腫瘍ができる可能性があり、リンパ腫ができる部位によって症状が変化するといった特徴もあります。
また、猫のリンパ腫の生存期間中央値はあまり良くないため、適切な治療を受けさせて少しでも長く愛猫と一緒にいられるようにしましょう。
参考元:猫の胃のリンパ腫
平滑筋肉腫
平滑筋肉腫というのも猫の胃にできる腫瘍のひとつで、胃を構成する筋肉の平滑筋にできる腫瘍となっています。
そして、平滑筋にできる腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。
良性のものの場合は平滑筋種と呼び、悪性のものの場合は平滑筋肉腫と呼びます。
この平滑筋は胃以外にもさまざまな内臓器官を構成している筋肉であるため、胃だけでなくさまざまな器官で平滑筋種があらわれます。
なかでも子宮や膣などは平滑筋種が発生することが多く、平滑筋肉腫は腸管などでも発生することがあります。
腺癌
胃の中でも分泌を行う細胞である腺にできる腫瘍のひとつが腺癌です。
癌という名称からもわかるように悪性の腫瘍であり、良性の腫瘍の場合は腺癌とは呼ばずに腺腫と呼びます。
猫の胃にできる腫瘍にはさまざまな種類がありますが、こちらの腺癌は特に稀な種類の腫瘍といえます。
ですが、腺癌ができる可能性はゼロではないため、こうした腫瘍があるということを把握しておくことは大切です。
また、良性の腺腫についても、腺癌と同様に猫の胃にできる腫瘍としては稀な種類となっています。
猫の胃に腫瘍ができるとどのような症状があらわれる?
猫の胃に腫瘍ができてしまった場合、さまざまな症状があらわれます。
主な症状としてあげられるのが慢性的な嘔吐だったり、体重が減少したりするといった症状になります。
また上記の症状以外にも、真っ黒な下痢といった症状があらわれたり、吐血したりといった症状があらわれます。
また、腫瘍が分泌する物質によって痙攣などを引き起こしたりする場合もあります。
このように胃に腫瘍ができた場合、慢性的な嘔吐や真っ黒な下痢など見た目でもはっきりとわかるような症状があらわれるため、症状があらわれにくい病気と比べると比較的気づきやすいといえます。
猫の胃に腫瘍ができてしまう原因は何?予防方法はある?
猫の胃にできる腫瘍にはいろいろな種類がありますが、これらの腫瘍は一体どうしてできてしまうのでしょうか?
そして、こうした腫瘍ができないように予防する方法はあるのでしょうか?
猫の胃に腫瘍ができてしまう原因
猫の胃に腫瘍ができてしまう原因は未だ解明されていません。
ですが、猫の胃の腫瘍に多いリンパ腫に関しては、猫白血病ウイルスや猫エイズウイルスなどがリンパ腫のリスクを高めているのではないかと考えられています。
また、親猫がリンパ腫である場合、その子猫もリンパ腫になるリスクが高くなるとされていたり、ストレスが慢性的に溜まってしまうような環境にいる猫の場合はストレスが原因となって免疫力が低下して、リンパ腫ができるリスクが高まるともされています。
ですが、いずれもそう考えられているだけであるため、必ずリンパ腫となってしまうわけではないことも覚えておく必要があります。
猫の胃の腫瘍には予防方法がない
猫の胃に腫瘍ができてしまうハッキリとした原因は未だ解明されていないとお伝えしました。
そのため、猫の胃の腫瘍を完全に予防するといった方法は現時点ではありません。
もちろん、上記で紹介したようなウイルス感染によるリスクの上昇は混合ワクチンの接種で予防は可能です。
ですが、ワクチンを接種したとしても別の原因で腫瘍ができてしまうという可能性はあるため、絶対に予防ができるというわけではありません。
故に、猫の胃の腫瘍についてはワクチン接種などを行った上で、腫瘍ができてもすぐに気づけるように日頃から猫を観察しておくといったことが大切です。
日ごろの観察ポイント
猫の胃の腫瘍を絶対的に予防するという方法はないとお伝えしました。
そのため、症状などがあらわれた場合にすぐに気づけるように日ごろから猫をよく観察しておくことが重要です。
猫の胃に腫瘍ができた場合にあらわれる症状の多くは、嘔吐や食欲不振による体重減少などが基本となります。
そのため、日ごろから食後の行動などをよく見てあげたり、食事量や体重などを記録したりしておくことで慢性的な嘔吐や食欲不振、体重減少といった症状をいち早く察知できるようになります。
ですが、上記のような変化に気づいても判断が難しいという場合もあるため、そうした時には動物病院を受診するようにしましょう。
予防できないからこそ定期的な健診が大事!
猫の胃にできる腫瘍を予防することはできません。
そのため、どの猫も気づかぬうちに腫瘍ができてしまい、取り返しのつかない状態になってしまうなんていう場合もあります。
だからこそ、日ごろから定期的な検診を動物病院で受けるようにしたりして、猫の状態を適切に把握しておくことが大切です。
腫瘍ができていた場合でも、早期に発見して早期に治療を行うことで腫瘍による影響を最小限に抑えられたりするので、愛猫とのすこやかな毎日を送りたいと考える場合は、定期的に検診を受けるようにしましょう。
猫の胃に腫瘍ができたら治療はできる?
猫の胃に腫瘍ができていることが発覚したという場合、多くの飼い主が考えるのは治療ができるのかということでしょう。
胃の腫瘍に関しては現在、さまざまな治療法があるため、ここからは胃の腫瘍に対する治療法について紹介していきます。
抗がん剤治療
猫の胃の腫瘍に対する治療法は腫瘍の種類によって変わってきます。
胃の腫瘍の中でも多いリンパ腫の場合、第一の治療法として選択されるのが抗がん剤を用いた化学療法です。
抗がん剤の作用で腫瘍が成長するのを抑えて小さくすることで治療する方法ですが、いわゆる人が行う抗がん剤治療のような毛がごっそりと抜け落ちるといった非常に強い副作用があらわれることはありません。
外科的手術
リンパ腫の一部や平滑筋種、腺癌などの腫瘍に対する治療法として第一に選択されるのがこちらの外科的手術です。
主要部分を切除することで、治療するという豊富になります。
ただし、こちらの方法は腫瘍の進行具合や転移の状況などによって選択できない場合もあります。
また、腫瘍ができてすぐの場合でも、治療を受ける猫の年齢や体力などを総合的に考え体力的に耐えることができないと考えられた場合にも手術が選択されない場合もあります。
対症療法で症状を抑える
抗がん剤治療や外科的手術などの治療を行うことができないといった場合にとられる治療法が対症療法です。
腫瘍によってあらわれる症状を改善するための治療薬などを投与したりすることで、症状を和らげるという治療法になります。
ですが、こちらの対症療法はさまざまな症状の原因となっている腫瘍そのものを改善する作用は一切ありません。
そのため、生涯にわたって継続し続ける必要があるという点には注意が必要です。
まとめ
こちらのページでは猫の胃にできる腫瘍に焦点をあててさまざまな情報を紹介してきました。
猫の胃にできる腫瘍の中でも特に多いのがリンパ腫であり、それ以外の腫瘍として平滑筋肉腫や腺癌があります。
いずれも悪性の腫瘍であり、慢性的な嘔吐や食欲不振による体重低下といった症状があらわれます。
また、上記以外にも真っ黒な下痢や吐血などの症状があらわれることもあります。
胃の悪性腫瘍は予後も芳しくないケースが多いため、早期発見や早期治療は飼い主として愛猫にしてあげられる最大級の愛情といえます。
そのためには、日ごろから愛猫を観察して症状が出ていないかといったことをチェックするようにしましょう。
猫の胃の腫瘍はその種類によって治療方法が異なります。動物病院で検査を受けてどんな疾患が関係しているのか見極めていきましょう。疾患の治療には費用がどうしてもかかってしまいますが、治療費を少しでも抑えたいのなら通販がオススメです。ペットの胃腸の疾患に対する治療薬は通販でも購入することができます!