猫のノミ・ダニ対策としてシャンプーは有効?正しいシャンプーの手順とポイントも解説!
最近は猫のノミ・ダニ対策として、「ノミとりシャンプー」といったものが販売されています。
しかし、「シャンプーだけで大丈夫?」と疑問に思われている飼い主さんも多いではないでしょうか?
今回の記事では、そんなノミ・ダニ用のシャンプーについて解説します。
「猫のノミ・ダニ対策にシャンプーは有効か?」「そもそも猫にシャンプーは必要?」といった疑問にお答えしつつ、正しいシャンプーの仕方や、シャンプーが苦手な子への対策法などについてもまとめています。
猫のノミ・ダニ対策はシャンプーが有効?
ペットショップなどでは、さまざまなペット用の薬用シャンプーや「ノミ取りシャンプー」が販売されています。
そこで気になるのは、それらの「有効性」ではないでしょうか。
ここでは、「市販の猫用シャンプーはノミ・ダニ対策に有効なの?」「シャンプーだけで十分なの?」という疑問にお答えしていきます。
ノミやダニはシャンプーだけで対策することはできる?
市販のシャンプーだけでは、ノミ・ダニ対策をすることはできません。
理由は、ノミやダニを完全に死滅させる「駆除成分」が含まれていないからです。
とはいえ、ノミやダニに対してまったく効果がないかといえば、そんなことはありません。
ノミ・ダニ対策ができるシャンプーには、ある程度の殺虫効果のある成分やノミやダニが嫌う香りを出すハーブの成分などが含まれています。
これによってノミ・ダニを完全に死滅させることはできないものの、少なくとも数を減らしたり、忌避効果で寄生を防ぐ効果はあります。
忌避効果とは、要するに寄せ付けないようにする効果のことです。
しかし逆にいえば、ノミ・ダニ用のシャンプーは忌避効果があるものの、完全に駆除することまではできないため、シャンプーだけで対策はできないということになります。
絶対に駆除したいならノミ・ダニ駆除薬の投与が必須
ノミ・ダニの被害から愛猫を守るためには、動物医薬品である「駆除薬」が有効です。
駆除薬は、猫の体に付着したノミ・ダニだけでなく体内の寄生虫や卵も100%死滅させることができます。
また、駆除薬には即効性・持続性が高いという特徴があります。
たとえば、ノミ・マダニ駆除薬『フロントラインプラス』の場合であればノミなら24時間、マダニなら48時間以内に死滅させることができます。
一度投与すれば数ヶ月間はノミ・ダニに刺されたり、体内に寄生されたりすることもないため、しっかりした駆除が可能となります。
「ノミ・ダニ駆除薬×シャンプー」が効果的!
駆除薬だけでも十分なノミ・ダニの対策はできますが、駆除薬にはノミやダニを寄せ付けにくくする忌避効果はありません。
しかし、市販の薬用シャンプーにはそういった禁忌効果のある成分が含まれています。
そのため、より徹底的にノミやダニの付着を避けるのであれば、忌避効果を持つ薬用シャンプーを併せて使うのがおすすめです。
駆除薬で今いるノミやダニをしっかり死滅させつつ、新たにノミやダニを寄せつけることがないよう、薬用シャンプーで洗ってあげるのが有効なのです。
そもそも猫にシャンプーは必要なの?
「うちの猫、シャンプーを嫌がるんで大変なんですけど……」「人間みたいにこまめにシャンプーしないと臭くなったりする?」
猫のシャンプーについて、「そもそも必要なの?」と思われている方も多いでしょうが、実は絶対に必要というわけではありません。
むしろ過度なシャンプーは猫にとって大きなストレスになってしまうため、必要であればする程度でとらえておきましょう。
猫はそもそも体臭が少ないですし、こまめなグルーミング(毛づくろい)によって毛並みを整え、体をきれいに保っているため、特に必要ではないのです。
猫にシャンプーが必要な状況は?
猫は、必ずしも定期的なシャンプーが必要な動物ではありません。
しかしながら、状況によっては必要なこともあります。
ここでは、具体的な「猫にシャンプーが必要な状況」をまとめてみました。
長毛種の場合
短毛種(アメリカンショートヘア、ベンガルなど)は、シャンプーの必要はほとんどありません。
しかし、長毛種(ペルシャ、メインクーン等)はグルーミングが十分に行き届かないことから、体に汚れが溜まりやすいため、シャンプーが必要になる場合があります。
皮脂汚れが見られたり、臭いが気になったりする場合は、優しくシャンプーしてあげましょう。
ただし、あまりにシャンプーの頻度が高すぎると猫にとって負担が大きいため、長毛種の場合でも「1ヶ月に1回」を目安にしてください。
汚れや脂臭がする場合
すでに解説しているように猫はこまめにグルーミングをしているので、基本的に自分自身で体毛を整えて体をきれいにしています。
しかし、グルーミングには舌を使うわけですが、舌が届かない場所については、皮脂や汚れがたまってしまうため注意が必要です。
たとえば、目の周りや鼻、あごなどは舌が届きにくい部位です。
さらに、特に長毛種の場合、肛門まわりなどは十分に汚れを取りきれないことがあります。
このような部位に汚れがある場合、シャンプーするほうが良いでしょう。
また、「脂漏症」などの病気を持っている場合、脂っぽく臭う場合があります。
こうした場合は、「抗脂漏シャンプー」を用い、定期的に洗ってあげるようにしてください。
換毛期
猫は換毛期を迎えると、とにかくたくさんの毛が抜けます。
換毛期とは文字通り毛の生えかわる時期のことで、たいてい年に2回、春と秋にやってきます。
この時期は舌を使ったグルーミングのときに毛を飲み込む量が増え、結果的に「毛球症」につながってしまう可能性があるため、注意が必要です。
通常、飲み込んだ毛は消化器官を通過して排泄されますが、何らかの原因で胃の中に残り、毛のかたまり(毛球)になってしまうことがあります。その結果、胃の状態が悪くなってしまうことを毛球症といいます。
というわけで、換毛期の時期はブラッシングやシャンプーによって抜け毛をしっかり落としてあげるべき時期といえるのです。
猫の正しいシャンプーの方法
ここでは、猫のシャンプーの手順についてご紹介したいと思います。
これまで自己流でされていた方も、この機会に「正しい方法」をチェックしてみてください。
シャンプーの手順
1ブラッシング
効果的にシャンプーをするため、あらかじめブラッシングをしておきましょう。
2シャワーで体を濡らす
温度設定は35℃くらいの「ぬるま湯」がベストです。
また、お湯の勢いは弱めにして、シャワーヘッドを体に当てるくらいの意識で濡らしていきましょう。
3シャンプー
シャンプーはしっかり泡立てて、マッサージするような感じを意識して優しく洗ってあげましょう。
汚れやすいお尻、足などを中心に洗い、顔を洗うときはシャンプーが目に入らないように注意しましょう。
4すすぎ
顔から始めて背中、お尻……という順にすすぎ、しっかり泡を落としていきます。
5ドライヤー
乾いたタオルなどで猫の体を包み、しっかり拭いたあとにドライヤーをかけます。
猫ちゃんに嫌がられないようにするコツなどは、次の「ドライヤーのポイント」を参考にしてみてください。
ドライヤーのポイント
- しっかりタオルドライを行い、ドライヤーを使う時間を短くする
- ドライヤーの風量は「弱」に設定して少しずつ猫に近づける
- ドライヤーは首、背中など高い位置から当てていく
猫は、音に敏感な生き物です。
そのためしっかりとタオルドライを行い、なるべくドライヤーの時間を短くしてあげましょう。
タオルドライとは、洗ったあとの水分を乾いたタオルでしっかり拭き取ること。タオルで「半乾き」の状態まで持っていければ、ドライヤーの時間は短縮できます。
またドライヤーを当てる際は、可能であればブラシやコームを使い、根本からふんわり仕上がるように乾かしてあげてください。
シャンプーが嫌いな場合は拭き取りシートでもOK!
猫は、基本的に水を嫌う生き物です。
むしろ、シャンプーが大好き!という子のほうが稀だと考えてよいでしょう。
また、嫌がる子に無理にシャンプーをしようとすると、それがストレスとなったり、飼い主との関係性に悪影響を及ぼす可能性もあります。
そんな場合は、「拭き取りシート」などを使い、シャンプーの代わりにしてあげるとよいでしょう。
それでも匂いや汚れが取れない……という場合は、トリミングサロンなどに相談してみるのもひとつの手なので最終手段として頭に入れておきましょう。
まとめ
今回は、「市販のシャンプーでノミ・ダニ対策ができるのか?」「猫のシャワーの正しい方法とは?」をメインに解説してきました。
ポイントを整理すると、以下のとおりです。
- 市販のシャンプーで完全なノミ・ダニ対策はできない
- しっかり対策、予防を行うなら医薬品である駆除薬を使う
- シャンプーは駆除薬と併用して使用すると有効
- 基本的に猫にシャンプーは不要
- シャンプーが必要な時は正しいシャンプーの方法で行うこと
なお、ノミ・ダニは放置していて勝手にいなくなることはありません。
すでに体に付着している場合は、早急に動物病院に行くなどして、駆除薬を使いましょう。