犬の目やにが多いのは大丈夫?実はそれ目の病気かも!
愛犬の様子を観察していると目やにがついているのを目撃したことは、一度はあるのではないでしょうか。
ついているのを見つけ次第取っているという飼い主の方もいらっしゃるかもしれませんが、実は目やには愛犬や愛猫の不調のサインでもあります。
どのような目やにが出ていたら不調のサインなのか、目やにが出ているときに疑われる病気にはどのようなものがあるのかを把握し、目やにを見つけたときに素早く判断できるようにしておきましょう。
目やにが多い場合は病気の可能性も!まずは動物病院で検診を受けましょう!
犬の目やにが増えてしまう原因は、さまざまなものがあります。
ホコリやゴミなどの理由で犬の目やにが増えている場合は過度に心配する必要はないといえますが、場合によっては何らかの病気が引き金になってしまっている場合もあります。
ホコリやゴミが原因なのか、それとも愛犬の目に何らかの症状が起きていてそれが原因で目やにが増えているのか、その理由を見極めるのは困難です。
もし、愛犬の目やにが増えていると感じた場合は、動物病院へ連れていき検診を受けるようにしましょう。
犬の目やにが増えてしまう原因
すでに軽く触れているように犬の目やにが増える原因にはさまざまなものがあります。
アレルギーの外的刺激から始まり、何らかの病気まで一言で目やにが多いといっても、そこに隠されている原因は多岐にわたっており、その対処法も変化してきます。
具体的にはどのような原因があるのか、病気が引き金になっている場合はどのような症状があるのか、その一例をご紹介します。
アレルギー
犬のアレルギーは、食べ物や花粉、ノミ、ハウスダストなどが原因になって引き起こされます。
主な症状は皮膚炎で強いかゆみを伴いますが、目の周囲の皮膚に炎症が起きると目の周りが赤くなったり、目をしきりにこすったりするといった様子がみられるようになります。
また、アレルギーの影響によって結膜炎が引き起こされ、ネバネバした目やにが増えたり、涙が出たりといった症状もあらわれます。
目やにが継続的に出ている場合は、アレルギーが原因になっている可能性を疑いましょう。
ドライアイ
涙の量が減少することにより、目の表面が乾燥してしまうのがドライアイです。
自己免疫性のものや原因不明のもの、神経性や先天性、さらには外傷や感染症など、さまざまな原因から引き起こされ、結膜の充血や角膜潰瘍、角膜の色素沈着などの症状があらわれます。
また、黄緑色の膿の様なネバネバした目やにが出るのが特徴で、目やにの量が増えるだけでなくこういった色合いをしている場合はドライアイの疑いがあります。
パグやシーズー、キャバリアなど目が突出している犬種でみられやすく、悪化すると失明してしまうこともあるため、注意が必要です。
流涙症
目やにが増えるだけでなく、常に愛犬の目の周囲が涙で濡れている場合は流涙症の可能性があります。
流涙症は、常に目の周辺に涙が溢れた状態になってしまう症状で、目頭から鼻の横にかけて被毛にこびりついて変色し涙やけを起こします。
ただし、逆さまつ毛でも同様に涙があふれた状態になってしまうこともあるため、注意が必要です。
流涙症の原因は涙の過剰分泌や、鼻涙管という器官が何らかの原因で正常に機能しなくなってしまうことが挙げられます。
トイプードルやパグ、マルチーズなどの小型犬で多くみられやすいのが特徴です。
結膜炎
結膜炎の初期症状として、水っぽい目やにや膿のような黄色い目やにが増えることもあります。
この病気は瞼の内側にある結膜に炎症が起きる病気で、涙の増加や白目の充血、目やにの増加、目のかゆみなどの症状があらわれます。
瞬きを頻繁にしたり、目を気にしてこすったりする様子を見せることがあり、瞼の周りが赤くなることもあります。
結膜炎には感染性と非感染性のものがあり、犬の結膜炎は多くが非感染性のもので、アレルギーによる刺激や異物による外的刺激、外傷などの原因によって引き起こされます。
また、その他の原因として他の目の病気に続発して起きることもあるため、注意が必要です。
目やにの増加と一緒に充血や目を気にするといった様子がみられた際は、結膜炎の可能性を疑いましょう。
参考元:犬の目やにが増える理由について
角膜炎
結膜炎に続き、犬の目の病気で多くみられるものが角膜炎です。
角膜炎は、黒目部分の表面を覆っている角膜が炎症を起こすことによって引き起こされる病気で、多くの場合、透明な角膜が白く濁ります。
発症すると目の痛みや光を眩しがる、目をこするなどの症状がみられるようになり、症状が進行すると角膜潰瘍や瞼の痙攣、腫瘍などの症状に繋がるおそれがあります。
放置すると愛犬の視力の低下や失明をまねいてしまうこともあるため、早期発見と早期治療が重要になります。
初期症状として水っぽい目やにが増えることがありますが、角膜炎の初期症状としては無症状であることも多いため、注意が必要です。
目やにの増加以外にも頻繁に目を閉じるような仕草も初期症状としてあらわれるため、そのような仕草もみられないかしっかりチェックしましょう。
眼瞼内反症・眼瞼外反症
眼瞼内反症や眼瞼外反症は、主に先天体な異常が原因で下瞼の先が反り返ってしまう病気です。
重度の結膜炎や外傷等による瞼の変形、目の周囲の筋肉や神経の異常などの理由によって引き起こされる場合もあります。
内側に反り返っている場合は眼瞼内反症、外側に反り返っている場合は眼瞼外反症になり、いずれも角膜や結膜が刺激を受けて目の痛みやかゆみ、目やにや涙の増加などの症状があらわれます。
眼瞼内反症は、繰り返したり長期間継続したりすると、角膜が白く濁ったり黒く色素沈着がみられ、内反症そのものを治療しても角膜炎や結膜炎が治り難くなってしまうこともあります。
予防が困難な病気のため、生後1歳までに定期的な診察を受けて早期発見と早期治療が大切です。
逆さまつげ・異所性睫毛
目の病気だけでなく、逆さまつげや異所性睫毛といったまつ毛の異常によって目やにが増えることもあります。
逆さまつげは、本来外側を向いているはずのまつ毛が内側に向かって生えてしまい、眼球を刺激するような状態になってしまっているまつ毛のことです。
一方、異所性睫毛は本来まつ毛が生える場所とは違う瞼の裏側にまつ毛が生えてしまっている状態のことで、まつ毛の先端が瞼の裏側から眼球のほうへ突き出すように伸びてしまいます。
どちらの場合も眼球を刺激して傷つけてしまうため、痛みであまり目を開かないようになったり涙が止まらなくなったり、目やにが増加したりします。
瞬きのたびに同じ場所へ刺激が加わり続けるため、角膜炎や結膜炎、角膜の傷などを引き起こす場合もあります。
参考元:逆さまつ毛
目やには取ってしまっても大丈夫?
目やにがさまざまな目の病気のサインになっている場合があると聞いて、目やには取ってしまっても本当に大丈夫なのか心配になってしまう方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん目やには取ってしまって問題ありません。
しかし、ネバネバした目やにや黄色い目やになどの特徴がある目やには目の病気が疑われるため、拭き取った目やにを持って動物病院で診察を受けるようにしましょう。
目やにを拭き取る際はコットンやティッシュなどを濡らし、目やにをふやかしてからゆっくり拭き取ってください。
犬の目やにを拭き取るためのシートも販売されているため、もしコットンやティッシュが不安な場合は、そういったシートを活用しましょう。
まとめ
愛犬や愛猫の目やには、多くの場合は拭き取ってしまっても問題ありません。
しかし、目やにの量が増えたり、ネバネバしていたり、色が異なったりする場合は、何らかの目の病気にかかってしまっている可能性があります。
単純に「目やにが多い」という症状でも、アレルギーやドライアイ、結膜炎や角膜炎など、さまざまな目の病気が疑われるため、目やにが多いと感じた場合は少々注意が必要です。
症状によっては愛犬の視力に関わったり、最悪の場合は失明したりするおそれもあるため、愛犬の目やにが多いときは一度動物病院へ連れていき、獣医師の診察を受けるようにしましょう。
ただ目やにが出ているから拭き取るのではなく、量や状態、色はおかしくないか、目そのものに何らかの異常はないかもチェックしながら、愛犬の目の周りを清潔に保ちましょう。
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