犬がストレスを感じる原因はなに?ストレスサインと解消方法は?
「最近、問題行動が増えてきた気がする」
「体調不良が続いているが、これといった原因がわからない」
そうした時に考えられることのひとつが犬たち発する「ストレスサイン」です。
こちらのページでは、「犬のストレスサイン」について紹介していきます。
また、併せて犬がストレスを感じる原因であったりストレスの解消法についても一緒に解説していますので是非、一度お読みになってみてください。
犬のストレスサインを知っておこう!
犬は、ストレスを感じると何かしらの問題行動を起こしたり、体調不良を起こしたりをすることがあります。
これが「ストレスサイン」です。
ここでは軽度~重度のストレスサインについてまとめてみました。
愛犬に当てはまるものがないか、ぜひ一度ご確認ください。
軽度のストレスサイン:カーミングシグナル
軽度のストレスサインとしてよく見られるのがカーミングシグナルです。
「カーミング(Calming)」とは、「心を落ち着かせる」という意味の言葉であり、愛犬が心を落ち着かせたいときに見せるシグナルを指してカーミングシグナルと呼びます。
具体的には下記のような行動はカーミングシグナルの可能性があります。
- しっぽを下げる
- 体を小刻みに震わせる
- 体を掻く、足を舐める
- 目をそらす
- あくびをする
ちなみに、あくびをしたり体を掻いたりするのは平常時でも良くする行動であり、特別じゃないように思われるかもしれません。
ですが、普段よりも回数が明らかに多かったり、執拗に体を掻いたりしている場合はカーミングサインである可能性があります。
中程度のストレスサイン:問題行動が増える
「カーミングシグナルを出しているのに対応してもらえなかった」
「トラウマとなる体験をした」
このように強めのストレスを感じると、犬は以下のような行動をとるようになります。
- 歯をむき出してうなったり吠えたりする
- 噛みついてくる
- 呼吸が激しくなる
- 姿を隠す
- 物を壊す
- 失禁する
病院の診察台に上がると激しい息づかいになってしまったり、シャンプーのときに噛みついてしまったことがあったりする場合、少なくとも軽度ではなくより大きなストレスを感じていると判断することができます。
重度のストレスサイン:体調に支障が出る
犬が重度のストレスを感じると、以下のような様子が見られるようになります。
- 元気がなく、寝てばかりいる
- 食欲がなくなる
- 下痢や嘔吐を繰り返す
- 皮膚にダメージが見られるほど異常なグルーミングをする
- 痙攣発作を起こす
上記に挙げたように、重度のストレスがかかっている状態だと明らかに様子がおかしいと感じる状態になってしまいます。
また、上記で挙げた様子はいずれかひとつだけあらわれるという場合もありますし、複数のサインを出すことも多いという特徴があります。
こうした明らかに異常なサインがみられた場合は、一刻も早くストレスの原因を解消してあげることが愛犬とのすこやかな毎日を送るために必要不可欠といえます。
犬がストレスを感じる原因はなに?
そもそも犬は、どんなことでストレスを感じるのでしょうか。
ここでは代表的なストレスの原因について解説していきたいと思います。
不安や緊張によるストレス
- 苦手な場所(病院など)に連れていかれる
- 一緒に飼われているペットと仲が良くない
- 新しい家族が増えてあまり構われなくなった
このようなことがあった場合、犬は不安や緊張によってストレスをためてしまいがちです。
飼い主が家の中で大きな声を出したり家族でケンカしたり、飼い主の行動がストレスにつながるケースも多いため注意が必要です。
スキンシップ不足によるストレス
基本的に、犬は飼い主のことが大好きです。
そのため、飼い主とのスキンシップが不足していたり、間違ったスキンシップを取っていたりすると、強いストレスを感じることがあります。
たとえば下記の様な事があげられます。
- 一緒にいても構わない(遊ばない)
- 飼い主の機嫌が悪くて邪険に扱う
また、人によっては転職などで生活サイクルがガラッと変わり、以前よりは留守番させる時間が増えたりすることもあるかと思います。
そうなると必然的に犬は留守番の時間が増え、スキンシップの時間が減ってしまい、大きなストレスを溜め込んでしまうことがあります。
大きい音によるストレス
人間からすると気にならない音であっても、聴覚が優れている犬には苦痛になることがあります。
- 花火や雷といった日常で聞くことが少ない大きな音
- 救急車やパトカーといった突然あらわれる大きな音
- 掃除機やドライヤーといった生活をする上で出てしまう大きな音
上記は犬が苦手な音の代表例なので、注意してあげることが必要です。
たとえば、大きな音を感じて逃げようとした結果、迷子になってしまった事例もあるので、雷警報が出ている日や花火大会が行われる日は注意するようにしてください。
身体の痛みによるストレス
- 事故や病気などで痛みがある
- 「しつけ」と称した体罰で痛みを与えられる
上記のようなことは心身ともに大きな負担をかけてしまいます。
たとえば、爪切りの際に神経を切ってしまったといった経験も全てストレスにつながります。
また、痛みが去ったあとも記憶が残ることで長期間にわたってストレスが続くこともあります。
たとえば、飼い主に叩かれた経験がある犬は、叩かれなくなった後も飼い主の手を見ただけで本能的な嫌悪感を催してストレスをためこみ、カーミングシグナルや問題行動を起こす場合があります。
行動が制限されることによるストレス
犬によってはリードにつながれたり、犬小屋に拘束されたりするといったことにストレスを感じることがあります。
特に子犬の場合、リードを付けられることに慣れていないため、リードを付けるだけで噛んだり威嚇したりするといった行動が見られることもあります。
また、良いと思ってやっていた長時間の抱っこなども、実は犬のストレスになっているなんていうこともあるので注意するようにしましょう。
食事によるストレス
最後は食事のストレスです。
飼い主さんがきちんとフードを与えているつもりであっても、さまざまな意味でその犬に合っていない場合、ストレスの原因になり得ます。
- 年齢や体格に合ってない(多すぎるor少なすぎる)
- 体の状態に合っていない(妊娠中なのにカロリーが足りない等)
また、生活環境が悪くて落ち着いて食事ができないといった場合も、犬にストレスを与えることになるので注意が必要です。
愛犬のストレスを解消するにはどうすればいい?
ここまで犬のストレスのサインやストレスの原因となることについて紹介してきました。
では、ここまでに紹介してきたようなストレスのサインを愛犬が発した場合、どのようにストレスを解消してあげればよいのでしょうか?
ここからは、そんな愛犬のストレスを解消するための方法について紹介していきます。
散歩の時間やスキンシップの時間を増やす
愛犬のストレスを解消するための一番オーソドックスな方法がスキンシップの時間を増やしてあげることです。
例えば、毎日の散歩を例に挙げると散歩の時間や回数などに注意することでより効果的にストレスを解消することができます。
理想的な散歩の時間や回数は下記のとおり。
- 小型犬…20~30分の散歩を1日2回
- 中型犬、大型犬…30~60分の散歩を1日2~3回
上記の理想的な散歩の時間や回数を押さえて、習慣づけるようにしてみることでストレスを溜めない毎日を送れる環境を作れます。
雨で散歩が難しいような場合は、家の中でおもちゃを使って遊んだり、おやつを探させるノーズワークをしたりするのが効果的です。
また、社交性のある子なのであれば、ドッグランでほかの子と遊ばせるのもひとつの手です。
愛犬の性格や気質を見ながら、遊びの時間を増やしてあげてください。
犬用のガム(噛むおもちゃ)を与える
犬は噛むことが大好きで、この行動によってストレスを解消しています。
家具などを噛んでしまう癖にお困りの飼い主さんもいらっしゃると思いますが、この行動を叱ってしまうとストレスの原因になってしまう場合があるので要注意です。
ですから、なんでも噛んでしまうという場合には、犬用のガムをあげたり噛んで遊べるおもちゃを与えたりするようにしましょう。
犬があげたガムやおもちゃを気に入れば、ストレスレスな生活を送ることができるでしょう。
ただし、体質に合っていないものや噛むには固すぎるものをあげたりすると、それがストレスにつながったり歯が欠けたりすることにつながる可能性もあります。
そのため、ガムやおもちゃを与える場合には、そうした点には注意しておく必要があります。
生活環境を整える
過ごしやすい環境を提供することは、愛犬がストレスを抱える予防につながります。
- クレートやハウスは常にきれいにする
- 犬にとって快適な室温にしておく
- 犬のお気に入りおもちゃなどを置いておく
一見すると当たり前のように思われるようなことが、とても重要です。
また、嗅覚や聴覚が鋭い犬のためにも、大きな音を出さないようにする、匂いの強いもの(香水やルームフレグランスなど)は避けるなど、飼い主さんの行動にも気を配ってみてください。
まとめ
今回は犬のストレスの原因についてまとめてみました。
ポイントは以下のとおりです。
- 犬はストレスを感じるとストレスサインを出す
- ストレスの度合いによって、ストレスサインは異なる
- 不安や緊張、スキンシップ不足や体の不調など、ストレスの原因はさまざま
- ストレス解消には散歩を増やしたり、おもちゃを与えたりすることが有効
- 生活環境を整えることも重要
犬も人間と同じで、ストレスを感じる生き物です。
その度合いによっては慢性的な病気になってしまうこともあります。
愛犬に長生きしてもらうためにはストレスは最小限に抑えて、ストレスサインを見逃さないことが大切です。
犬を飼うのが初めてという方も是非、こちらのページを参考にしていただければ幸いです。