愛犬の分離不安は「行動療法」で治る!ポイントは留守番トレーニングと環境づくり!

愛犬の分離不安は「行動療法」で治る!ポイントは留守番トレーニングと環境づくり!今回のテーマは犬の「分離不安」です。

分離不安とは、飼い主が犬から離れたとたん吠え続ける、物を壊す、粗相をするといった問題行動を起こす状態を指します。
 
少なくない数の飼い主さんが悩まれていると思いますが、実は「留守番トレーニング」を実行することでこの症状を改善することができます!
ここでは、犬の分離不安対策として有効な留守番トレーニングや注意点などについてまとめてみましたので、ぜひ最後までチェックしてみてください。

 

分離不安の対策は薬物療法と行動療法

分離不安は、「薬物療法」と、留守番トレーニングを基本とする「行動療法」という2通りの方法で症状改善のアプローチを行います。

ここでは、その2つの方法について解説していきたいと思います。

 

薬物療法

分離不安の症状が出ている犬は、脳内の神経伝達物質の一種「セロトニン」の分泌が低下していると考えられています。

セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれるもので、不足すると不安やイライラに悩まされることになり、犬の場合は分離不安の症状を起こしやすくなってしまいます。
 
そこで、セロトニンを増やす作用をもった動物用の「抗不安薬」や「抗うつ薬」を投与する治療法です。

この薬物療法は通常、行動療法と組み合わせて行われるか、行動療法だけでは改善が難しいと判断された場合に用いられる治療法となっています。

 

行動療法

分離不安対策の中心となる「行動療法」は、犬の不安を軽減するためのトレーニングや、犬がリラックスできる環境づくりなどを行うことです。

分離不安の原因は、犬だけにあるわけではなく、飼い主本人や家族と犬の普段のふれあいが原因になっていることもあります。

そのため、行動療法では犬だけでなく飼い主側の行動是正も行い、犬と飼い主がより健やかに暮らせる生活を目指します。

 

愛犬の分離不安症状の対策は行動療法が基本!

分離不安対策の基本となるのは、「行動療法」です。

行動療法では、次のようなことを重視します。

  • 犬と飼い主の付き合い方を見直す
  • 犬の自立を応援する
  • 犬の要求を正しく理解する

行動療法のみで問題行動が改善されるケースも多い一方、薬物療法は一生涯に渡って薬を服用させ続けなければならない可能性があります。

そのため、一般的には行動療法を中心とした治療がメインとなり、その上で改善が難しいという場合に薬物療法を取り入れるというのが基本的な治療方針となります。

 

【分離不安対策の行動療法1】留守番トレーニングの方法

留守番トレーニング留守番トレーニングとは、ひとことでいえば「留守番=飼い主のいない状況」に慣れさせるトレーニングのことですが、方法がよくわからない方も多いでしょう。

ここで基本的な方法を解説するので、参考にしてみてください。

 

STEP1:現状の分離不安の状態を整理する

  • 誰がいなくなると問題行動を起こすか
  • いつ、どんな時に問題を起こすか
  • どれくらいの時間で分離不安の症状があらわれるか
  • どんな問題行動を起こすのか

まずは、上記のポイントを整理しましょう。

たとえば犬によって吠えるたり、部屋の中を荒らしたり、粗相をするなど問題行動のパターンが異なるだけでなく発症する条件も異なっています。

そのため、まずは現状を正しく把握して犬がどういう条件で分離不安になるのかを理解することで、効率的なトレーニングが可能となります。

 

STEP2:初めは少しの時間から留守番させる

まずは、ほんの2~3分の外出から留守番トレーニングを始めてみましょう。

ほんの数分でも難しい場合は、実際には外出せず犬をひとりの状態にするだけでも構いません。

外出の準備段階からソワソワしてしまう子であれば、外出の準備だけしてみせて少しずつ「留守番」を覚えていってもらいましょう。

 

そしてあらかじめ決めた2~3分が経過したら必ず犬の前に戻り、「外出してもちゃんと帰ってくる」ということを覚えてもらいましょう。

 

STEP3:徐々に外出時間を長くする

短時間の留守番に慣れることができたら、少しずつ外出の時間を伸ばしていきましょう。

しかし、「早く覚えてもらいたい!」と焦ってしまってはいけません。犬は学習能力が高い生き物ですが、人間と同じく「慣れ」が必要です。
 
はじめは5分から10分、10分から30分……と徐々に留守番時間を長くしていき、だんだんと慣らしていくようにしましょう。

数時間の外出でも問題行動がなくなるようになったら、留守番トレーニングは成功です。

 

留守番トレーニングをする場合の注意点

ここでは、留守番トレーニングをするうえでの注意点をまとめてみました。

多くの方が気になるであろう「トレーニング中のスキンシップの取り方」や「粗相をしたらどうするか」についても解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

 

外出前後は過度なスキンシップをとらない

犬は飼い主とのスキンシップが多ければ多いほど幸せを感じますが、その分、飼い主と離れたときに寂しさを感じてしまいます。

そのため、次の2点を意識してください。

  • 外出30分前くらいから過度なスキンシップは避ける
  • 帰宅後は犬が落ち着いた状態になるまでスキンシップは避ける

帰宅後はすぐに愛犬を抱きしめたくなってしまいますが、飼い主との再会の喜びが強ければ強いほど、次回の留守番を嫌がるようになります。

そのため、愛犬が落ち着いた頃にたくさんスキンシップをとるようにしましょう。

 

留守番できる時間を考慮する

多くの飼い主さんを悩ませているのが、「何時間くらいなら留守番させてもいいのか?」という疑問です。

犬の年齢や性格・環境などによって大きく異なるため一概には言うことはできないのですが、一般的には6~8時間が「日常の留守番」であり、12時間が限界といわれています。

ただし子犬(生後半年くらいまで)の場合、限界が来るまでの時間はもっと短いので長時間の外出は控えましょう。

 

粗相をしていても叱らない

飼い主の帰宅後に粗相(トイレのミスや家具の破損など)があっても叱ってはいけません。

特にトイレトレーニングができていない犬や子犬の場合、飼い主になぜ怒られているのか理解するのは難しく、飼い主が叱っているのを「構ってくれている」と誤認してしまった場合、余計に粗相が増えていくこともあります。

そのため、こうしたときは何もなかったかにように振舞い、静かに処理することも留守番トレーニングにおいては重要なポイントとなります。

 

留守番トレーニングをする場合のポイント

留守番トレーニングを進めていくためのポイントをまとめてみました。

ポイントを押さえておけばより効率的にトレーニングを進めることができるので、要チェックです。

 

おもちゃ(知育玩具)やおやつを使う

犬がひとりでも遊べるおもちゃを普段から使うようにして、いざ留守番となったとき、ひとりの時間を退屈にさせないようにするのは非常に有効なポイントです。

また、家具などの噛み癖がある子には「噛むおもちゃ」などを与えてあげると問題行動が軽減される場合もあるので、こういったものを試してもみてもよいでしょう。

 

その他、おやつを与えて寂しい気持ちを食欲に変えるという手段も有効です。

しかし、おやつの量が増えたり依存したりする場合もあるため、留守番に慣れるまでにとどめましょう。

 

運動をじゅうぶんしてから外出する

実は、問題行動を起こしてしまう子の中には運動不足やストレスが原因である場合もあります。

犬の大きさや犬種にもよりますが、基本的に犬は1日あたり30分以上、中型犬・大型犬になると1時間以上の散歩が必要といわれています。

 

というわけで、あらかじめ散歩などで運動を行ってから外出することでストレスの発散になり、問題行動がおさまる場合もあります。

なお、運動不足は分離不安だけでなく破壊行動などの問題行動の原因にもなるため、日常的な運動をじゅうぶん行うようにしましょう。

 

【分離不安対策の行動療法2】リラックスできる環境をつくる

リラックスできる環境トレーニングするにあたっては、留守番中の環境を整えることも大切です。

ここでは、環境を整えるためのポイントを解説します。

 

快適な室温にする

犬種や個々の体質・体調にもよりますが、前提として犬は人間よりも体温が高いため暑がりです。

人間が暑いなと感じているとき、犬はもっと暑さを感じています。

外出するときは日中、日没後の気温も考慮してエアコンで室温を調節しましょう。

また、冷暖房は犬に直接当たらないよう工夫しましょう。

 

室内の明るさをいつも通りにする

外出の際、部屋の電気を消してお出かけされる方が多いと思いますが、分離不安の犬の場合、暗さが寂しさや怖さに直結してしまいます。

そのため、外出中も部屋の電気をつけて明るさをいつも通りするという手段が有効です。

 

ちなみに、普段からテレビやラジオをつけていることが多い家庭では、こういったものをつけて「いつも通り」を保ってあげると良いでしょう。

 

クレートを用意する

クレートとは、屋根付き・箱型の犬用ハウスです。

留守番中に過ごす犬の専用スペースとして用意してあげるのがおすすめです。

犬の性格にもよりますが、祖先がオオカミである犬は、基本的に狭く暗いところを好みます。

室内を広々と自由に使わせるよりも、クレートでリラックスさせるというほうが効果的なこともあるので、検討してみてください。

 

まとめ

今回は、「分離不安」についてまとめてみました。

ポイントは、以下の通りです。

  • 分離不安対策は「行動療法」「薬物療法」の2種類
  • 基本となるのは留守番トレーニングをはじめとする「行動療法」
  • 留守番トレーニングのポイントは「少しずつ」進めること
  • リラックスできる環境づくりが大切

犬を愛するあまり、分離不安にさせてしまった……とお悩みの飼い主さんは大勢いらっしゃいます。

しかし、つらいのは愛犬も同じです。

不必要に犬に寂しさや怖さを感じさせないようトレーニングにしていくことは、犬にとって必要なことです。

健やかで楽しい犬のとの生活を長く続けるためにも、今回ご紹介した留守番トレーニングをぜひ参考にしてみてください。