猫が分離不安症になるとどうなる?放置してはいけない理由と対策を紹介!
今回は、猫の「分離不安」について解説します。
そもそも猫の分離不安とは何なのか、分離不安になるとどういう症状があらわれるのか、その原因や対策方法についてまとめてみました。
「飼ってる猫の様子が最近おかしい……」
「要求鳴きが増えてきた……」
とお悩みの飼い主さんや、猫との接し方に戸惑っている飼い主さんにおすすめの内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
猫の分離不安症とは
「分離不安症」とは、猫が愛着を感じている人(つまり飼い主)と物理的に離れることで、ストレス反応が起きることを指します。
その結果、問題行動を起こしたり、体調不良を引き起こしたりする疾患です。
では、分離不安症によって具体的にどのような症状が引き起こされるのか、また原因は何か……詳しくは次から見ていきましょう。
猫の分離不安症になるとどんな症状があらわれる?
主な症状としては、次のようなことが挙げられます。
- 過剰によだれを垂らす
- 下痢・嘔吐の頻度が増える
- 過剰にグルーミング(毛づくろい)をする
- 過食または拒食になる
過剰なグルーミングは、脱毛や皮膚の炎症(とくに下腹部)を起こすこともあります。
また、下痢や嘔吐に関しては「慢性胃腸炎」に発展することもあるため、注意が必要です。
その他、通常なら猫が行うことのないパンティング(犬がよくやる口を開けてハアハアする行為)をしたり、突発性出血性膀胱炎を発症した猫もいると報告されています。
分離不安症状によって引き起こされる行動
分離不安症の猫が起こす問題行動によくあるものとして挙げられるのは、次の通りです。
- 飼い主がいなくなると過剰に鳴き出す
- 家の中にある家具などを破壊する
- トイレ以外での排泄及び失禁
- 帰宅後の飼い主に過剰に甘える
室内飼いの猫は、飼い主に何かを要求するときに「ニャー」と鳴きます。
ある程度であれば問題はありませんが、飼い主を困らせようとするような鳴き方をしたり、トイレなど少しの時間離れただけでも鳴いたりする場合、分離不安症が引き起こす問題行動」に該当します。
分離不安症を放置してしまうとどうなる?
分離不安症は時間とともに悪化してしまうことが多く、慢性的なストレスを感じるようになることで深刻な健康被害につながる可能性もあります。
「鳴いても無視する」という飼い主さんも見られますが、猫は余計ストレスを感じ、分離不安症の悪化につながるともいわれているため、注意が必要です。
ちなみに健康被害の例としては、前述した過食や拒食、突発性出血性膀胱炎、さらに軟便や下痢、嘔吐を繰り返す慢性胃腸炎などがあります。
分離不安症の原因は何?
「単独行動を好む」というイメージが強い猫ですが、どういう原因で分離不安症を引き起こすのでしょうか。
ここでは分離不安症の原因や、なりやすい描の特徴についてまとめてみました。
環境的な変化が大きい
分離不安を発症している猫の多くが、何かしらの「環境の変化」を経験しています。
- 引っ越した
- 飼い主の外出時間が変わった
- 多頭飼いになった
また、飼い主の留守中に嫌なことや驚かされることがあったために「飼い主の留守=怖い」という感情を抱き、分離不安症を発症したという例もあります。
猫はもともと環境の変化を嫌うため、人間にとっては「些細なこと」であっても、猫にとっては大きなストレスとなります。
どうしても環境を変えなければならないという場合は、このあと説明する「対策方法」を実施するようにしてみてください。
分離不安症になりやすい猫はいる?
分離不安症は一種の精神的な病気であるため、どの猫でもなる可能性はあります。
そのため、「なりやすい猫種」は特にありません。
ただし、次のような性格や環境に置かれている猫は、分離不安症になりやすいといえます。
- 憶病
- 甘えん坊
- 飼い主が単身
- 引っ越しを経験している
飼い主が単身者、かつ単頭飼い(1匹飼い)をされている猫は、飼い主とのコミュニケーションを強く求めるようになることから、分離不安症を発症しやすい傾向にあります。
分離不安症の対策方法
ここでは分離不安症の対策方法を3つご紹介します。
「精神的に不安定な猫をずっと放置してきてしまった」という方はもちろん、「最近鳴いていることが増えた気がする」という方もぜひ参考にしてみてください。
猫専用のテリトリーをつくる
たとえ留守番中に不安になってしまったとしても、猫にとって「安心できる場所」があるかないかで、ストレスの受け方が大きく変わります。
猫専用テリトリーは、留守番に対する不安感を払拭・軽減してあげる効果があるため、可能であれば複数設置してあげるようにしてください。
猫のテリトリーをつくるコツ
猫は縄張り意識が強く、気分屋という習性があるため、「昨日までお気に入りだったのに……」ということも少なくありません。そのため、テリトリーは複数の場所に設置することをおすすめします。
猫は、次のような環境をとくに好みます。
- 四方を囲まれた場所や四角形のもの(もしくは円形のもの)
- 屋根のある場所
- 周りを見渡せる高い場所
- 外の景色が見える場所
猫の大きさや性格、また好みにもよりますが、基本的には「体がおさまる程度」のサイズで十分です。
まったく活用されないこともあるため、はじめは段ボールなど「捨てても構わないもの」でつくると良いでしょう。
外出するときのポイント
- 「じゃあね、いい子にしていてね」
- 「いってきます」
などの声かけをしている飼い主さんが多いかと思いますが、分離不安症の子に対しては「そっと外出する」が正解です。
また、外出する際はテレビやラジオをつけっぱなしにするのもひとつの手です。
猫の不安感を和らげる効果や、外出を悟られないようにするといった効果があるため、ぜひ取り入れてみてください。
留守番のイメージを変える
分離不安症の猫は「留守番=寂しい・不安」という感情が芽生えています。
このマイナスの感情を払拭するのは非常に難しいですが、「留守番は不安なものではない」「留守番が終わったらいいことがある!」というプラスの感情を与えてあげることで、徐々に「留守番は悪いものじゃない」と思ってくれるようになります。
とはいえ、猫の気持ちを変えることは簡単なことではありません。
はじめのうちは次の「慣れさせる方法」を実践してみてください。
留守番に慣れさせる方法
まずは、短い時間から留守番に慣れさせてあげるようにしましょう。
分離不安症の症状が強く出ている子であれば、はじめのうちは5分でも構いません。
徐々に外出時間を長くしていき、「飼い主と離れている状態」に慣れていってもらうようにしましょう。
「家を空けている際の猫の様子が気になる」という場合は、ペットカメラなどで室内の様子を見てあげてください。
ペットカメラによっては飼い主がリアルタイムで呼びかけできるものもあるので、活用してみても良いでしょう。
留守番が終わったら、猫の大好きなおやつをあげる、抱っこをしてあげるなどのご褒美もお忘れなく!
愛猫が分離不安でストレスを感じない様にするためには環境を整えてあげることやトレーニングをすることがとても大事ですがなかなか時間がかかってしまいます。その間のストレス症状を緩和するためにもサプリメントなどを使って対策しましょう!ペットのストレス対策のサプリメントは通販サイトで販売されているので手軽に入手できます!
まとめ
今回は、「猫の分離不安症」をテーマにまとめてみました。
ポイントは、以下の通りです。
- 猫が分離不安症になるとさまざまな体調不良や問題行動を引き起こす
- 分離不安症は放置しても良くならない
- 分離不安症の原因は「環境の変化」であることが多い
- 分離不安症対策には猫のテリトリーがおすすめ
- 留守番の練習はゆっくり焦らず
猫には「しつけ」という概念がないため、「留守番は怖くないと教え込む」というのは非常に難しいことです。
しかし、分離不安症になると猫本人だけでなく、飼い主さんもつらい思いをすることになりますので、すでに分離不安気味の猫がいる場合は早めに対策することをおすすめします。
愛猫の健やかな生活のために、ぜひお役立てください。