ニゾラールローション

ニゾラールローションは真菌による皮膚感染症の治療に有効な外用薬です。
日本国内の動物病院でも同一有効成分が配合された外用薬が処方されており、真菌（カビ）が原因の皮膚感染症の治療薬として広く使用されています。

真菌は空気や土壌に存在しており、皮膚に感染することによって増殖し、脂漏性皮膚炎（マラセチア皮膚炎）や水虫（皮膚糸状菌症）などを発症します。真菌によって重篤な病状に至ることは殆どありませんが、皮膚の赤み、痒み、脱毛といった不快な症状が現れます。

ニゾラールローションはイミダゾール系に分類される抗真菌薬です。
イミダゾール系は優れた抗真菌作用を持ち、副作用が少ないため医療機関で使用されることが多いです。主に皮膚真菌症の治療に使用されますが、外耳炎治療にも有効です。
有効成分であるケトコナゾールは、真菌の細胞膜合成を阻害する作用があります。
この作用によって皮膚に規制している真菌が増殖できなくなり、生命活動が途絶えます。その結果、皮膚真菌症に伴う様々な症状が鎮静します。

イミダゾール配合の医薬品には様々な形状が存在しますが、本剤はローションタイプとなります。
クリームと比べてベタつかず、患部へ速やかに有効成分を浸透させます。
また、局所的に作用するため全身性の副作用はほとんどなく、飲み薬が苦手な犬猫に対してスムーズな治療を行うことができます。
ただし、本剤塗布後30分程度はペットが患部を舐めないよう飼い主さんは注意してください。