フラン眼軟膏

フラン眼軟膏は細菌性結膜炎の治療に効果的なお薬です。
本来はヒト用の治療薬でもありますが、動物に対する有効性も確認されております。本剤は犬と猫に使用可能で、同一有効成分を含有するお薬は動物病院でも処方されています。

目は常に外的環境の影響を受けており、トラブルを起こしやすい器官の1つです。
なかでも結膜炎という目の病気は人間だけでなく犬や猫にも多く発症し、主な原因としては異物の混入、細菌やウイルスによる感染、ドライアイなどが挙げられます。結膜炎になると目ヤニが増える、充血、痒みなどの症状が現れます。
また、角膜炎も結膜炎と同様によくある目のトラブルです。異物の混入や乾燥によって目を掻き、自分で角膜を傷つけることで起こります。いずれも悪化すると視力に影響が現れるため、早期の治療が必要となります。

フラン眼軟膏はニューキノロン系に分類される抗菌薬です。
有効成分であるオフロキサシンは、主に細菌のDNA複製を阻害する作用があります。
細菌はタンパク質合成行なうことでDNA（遺伝情報が含まれる物質）を複製して増殖を繰り返しますが、オフロキサシンによってDNAを切断します。この作用によって細菌性結膜炎や角膜炎に伴う炎症を鎮めます。
また、ニューキノロン系は抗菌薬の中でも抗菌力に優れており、幅広い細菌に対して効果を発揮します。
とくにブドウ球菌、レンサ球菌、緑膿菌などの細菌感染に優れた抗菌作用を示します。

なお、フラン眼軟膏は日本国内における犬猫への適応がありませんので、使用される前に必ず獣医師へご相談ください。