トフラニール錠

トフラニール錠は分離不安症や不安症の治療薬です。
本剤は人間用の医薬品ですが、犬や猫に対しても有効性が確認されています。

犬や猫の中には飼い主から離れることで過度なストレスや不安を感じ、不適切な場所での排泄、過剰な吠えや後追いなどの行動を示すことがあります。
こうした行動は脳内神経伝達物質のノルアドレナリンやセロトニンの働きに不調が生じることで起こります。なお、おもちゃやトリーツなどで犬や猫の不安症状が軽減されるケースもありますが、改善されない場合には薬物療法が有効です。

トフラニール錠は人間用の治療薬としても用いられている三環系抗うつ剤です。
有効成分であるイミプラミン塩酸塩は、主にセロトニンやノルアドレナリンの分泌量を増加させる作用があります。
この作用によって脳内におけるセロトニンやノルアドレナリン濃度が高まり、分離不安症や不安症による諸症状が改善されます。

なお、トフラニール錠の効果は優れていますが、効果を確認できるまでには数週間かかる場合があります。
そのため、薬物療法に加えて症状が現れる原因を排除し、生活環境を見直すことによって治療効果が現れやすくなります。
ただし、分離不安症や不安症による症状は、他の病気が原因の可能性があります。そのため、本剤を使用する際は事前に獣医師へご相談ください。
1日2～3 回、1回あたり犬の体重1kgあたり2.2～4.4 mgを投与します。
そのため事前にペットの体重を測定し、必要に応じてピルカッターを用いて錠剤を分割してください。