ニナゾル

ニナゾルは皮膚真菌症の治療に効果的な内服薬です。
日本の動物病院でも同一有効成分の外用薬が処方されており、真菌（カビ）が原因の感染症治療薬として広く使用されています。
なお、本剤はニゾラールのジェネリック医薬品のため、治療費を安価に抑えることができます。

真菌はあらゆる場所に存在しており、皮膚に感染することで増殖してマラセチア皮膚炎（脂漏性皮膚炎）や皮膚糸状菌症（水虫）を発症します。重篤な病状に至ることは少ないですが、これらの感染症になると皮膚の赤み、痒み、脱毛など不快な症状が多く現れます。

ニナゾルはイミダゾール系の抗真菌薬です。
イミダゾール系は抗真菌剤のなかでも効果に優れ、副作用が少ないため皮膚真菌症の治療薬として広く使用されています。

有効成分であるケトコナゾールは、真菌の細胞膜合成を阻害する作用があります。
この作用によって皮膚に寄生している真菌が増殖できない状態になり、生命活動が途絶えます。その結果、皮膚真菌症による様々な症状が鎮まります。
また、本剤は抗菌剤ですがコルチゾールの産生を抑制する作用があり、犬に対して副腎皮質機能亢進（クッシング症候群）の治療にも有効です。ただし、猫へのコルチゾール産生抑制作用は安定しないため、使用の際には獣医師へご相談ください。

イミダゾール配合の医薬品には様々な形状がありますが、本剤は内服薬となります。
体の内側から患部へ有効成分を届けることができるため、塗布が難しい感染部位に対しても高い治療効果が期待できます。